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個人のアウトプットと学びをSECIモデルで解釈してみた

株式会社SpecteeでVPoEをしております、おーのAです

登壇やnote記事にアウトプットする中で苦手とすることがあります。

経験や自身の考えを整理してアウトプットすることはできるのですが、書籍や他者が発信している情報と結びつけて理論や体系的な知識としてとして自分の考えをまとめる作業が苦手です。知識を体系立てて整理するの下手だなーと、自己嫌悪に陥っている時間がどれだけあったかわかりません。

これについて、個人の学びについてSECIモデルで考えてみました。完全に私の解釈なのでご了承下さい。

SECIモデルとは

SECIモデルは野中郁次郎先生の提唱したナレッジマネジメントのフレームワークです。これについて簡単にプロセスについて箇条書きで説明しておきます。

  • 共同化:経験を通じて他者に感覚的に暗黙知を移転するプロセス(暗黙知→暗黙知)

  • 表出化:経験や知識を言語化することにより知識を共有するプロセス(暗黙知→形式知)

  • 結合化:言語化された知識と別の知識を組み合わせ、結合することで新しい知識とするプロセス(形式知→形式知)

  • 内面化:新しく得た知識を実践することで感覚的に使えるようにするプロセス(形式知→暗黙知)

上記4つのプロセスを繰り返して知識を生み出し続けるフレームワークです。基本的に個人の話ではなく、複数人のプロセスで語られることが多いです。

個人の学びの活動をSECIモデルで解釈してみる

本来複数人のナレッジマネジメントのSECIモデルを個人の活動に適用するので正しいかどうかは分かりませんが、私の考えで述べていきます。

昨年までの活動は暗黙知のループだった

昨年(2022年)まで、私は業務で得られた経験を経験則で直感的に使っていました。元々論理的に思考整理するのが苦手で、直感的に行動したほうが無駄に頭を悩ませる時間が減るし、行動しやすいため、このように選択していました。それまでの自分の活動はSECIモデルでいうと個人の暗黙知→暗黙知のループだったと思います。

アウトプットする作業により形式知にできるようになった

今年(2023年)になってから、登壇やnote記事でアウトプットする活動を始めました。アウトプットは経験やその時の思考を書く事が多かったです。

言語化するという作業はSECIモデルで言うと「表出化」のプロセスに値すると思います。今まで暗黙知のループになっていたところから、形式知にできました。

苦手意識の原因は「結合化」プロセスの欠落

経験を言語化する作業を分解すると、2つの観点があると考えました。

  • 経験や考えを整理する

  • 経験や考えを抽象化したり、書籍などの情報と関連づけて整理する

このうち、前者は表出化のプロセスで私ができていることです。私が苦手としているのは後者になります。後者はSECIモデルでいうと「結合化」のプロセスかと思います。

では、なぜ経験や考えを抽象化したり、書籍などの情報と関連付けて整理する結合化プロセスが苦手なのでしょうか。
SECIモデルでは「表出化」→「結合化」とプロセスが進みます。登壇やnoteの記事は個人でこのプロセスを進めていがなければなりません。つまり、プロセスとして別のステージに存在しているにも関わらず、私はこれをまるっとまとめて「アウトプット」と捉えていました。

ここに苦手意識の原因がありそうです。

おそらく、良い記事を書く人は経験や考えを整理したうえで、世の中の情報と照らし合わせて、自身の経験や考えを客観的に捉え、論理的に正しいか、不適切な情報はないか、人に分かりやすく抽象化できているか。このような整理をしているのだと思います。

つまり、私は段階的なプロセスをすっ飛ばして、「苦手だ」と考えていたのだと気づきがありました。

そもそも暗黙知も少ない状態でスタートしている

私はコミュニティ活動やSNSでの情報集めも今年に入ってから取り組むようになり、元々持っている知識が少ないと感じます。つまり既に世の中で「表出化」している情報を体得できていない状態からスタートしています。

私は知識も経験もない、私自身の暗黙知にすら形成されていない状況でスタートしていたと考えられます。

世の中の形式知を経験につなげ、自身の暗黙知を増やしている

今年に入ってから、コミュニティに参加したり、SNSの発信をキャッチするようになりました。世の中に表出化している知識を吸収する機会が増えました。

こうして得られた知識から行動を起こしていきます。経験を積み、感覚的な知識を育んで行きます。また、内省を通じてこの感覚を研ぎ澄ましていきます。これが「内面化」のプロセスにあたります。

さらに、他者に教えたり、他者との対話を通じて自分自身の考えを整理していきます。この「共同化(?)」のプロセスを通じて経験を言語化する準備が整います。(「共同化」のプロセスは、本来のSECIモデルと比較すると的を得てないかも知れません)

元々持っている知識の少なさも結合化プロセスを阻害している

そして、登壇資料やnote記事としてアウトプットします(表出化)。この際、前述の通り、私は「結合化」のプロセスを怠っていました。

しかし、こうしてSECIモデルに置き換えて考えてみると、元々持っている知識の少なさと経験の少なさに影響しているようにも思えます。結合化プロセスが欠けてしまうのはこういった要因もありそうです。

また、どんな情報源からどんな学びがあったのかを記録しておくこともまた重要な記録になると思いました。カンファレンス参加ブログや読書ログなどはインプットの記録として「結合化」プロセスにおける良い材料になります。

知識をスパイラルで回すことでアウトプットの質も上がると期待

このようにふりかえってみると、自身のナレッジマネジメントをするためには、インプットとアウトプットのスパイラルを繰り返すことが必要で、この繰り返しにより、「理論や体系的な知識としてとして自分の考えをまとめる作業」=「結合化」を強化できると思いました。

今できていないこと、苦手なことに焦点を当てるのではなく、自分の知識体系が構築されつつある自身を賞賛しながらアウトプットを続けていけると良いなと思いました。

ところで、この記事はインプットとしてSECIモデルがあったからこそ書けました。SECIモデルの使い道として正しいかどうかは相当怪しいですが、抽象化して知識と繋げて書いてみました。

そういう意味で少し成長できているのかな、と考えて終わりにします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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