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認知科学コーチングの用語解説

このnoteでは認知科学に基づくコーチングでの用語を解説しています。

●このnoteを読むメリット

■認知科学コーチングの用語、仕組み(カラクリ)が理解できる                        
 ■そのカラクリを自己適用することで人生を前進させられる                                 
■現状を抜け出して、ありたい姿に向かう方法が理解できる

コンフォートゾーン(C.Z.)

人は誰しも安心・安全で快適に感じる空間が存在します。その空間のことをコンフォートゾーンと呼び、多くは今生活している現状がコンフォートゾーンになっています。

例えば、人の体温だと約36℃台であったり、いつもの起床時間・服装・髪型、または日頃付き合っている人間関係など、様々な領域においてその人にとってのコンフォートゾーンは無意識的に形成されています。

ホメオスタシスのフィードバック

人の脳には、コンフォートゾーン(以降C.Z.と表記します)に留まろうとする働きがあり、これをホメオスタシスのフィードバックと呼びます。聞き馴染みのある言葉だと【モチベーション】とも言います。 

たとえ90℃のサウナに入ろうが10℃の水風呂に入ろうが、体温は無意識的に36度に保たれます。これは、人の体温が90℃も10℃も不快だと判断し、本来の快適な36℃台に戻ろうとする働きによるものです。その他にも、自己啓発本など読んで「よし、変わろう!」と思い立ち、何か行動に移したとしても、3日坊主で終わってしまうのはこのC.Z.に原状維持しようとフォードバックが働いているためです。

では、どうすればこの現状を抜け出して未来のありたい姿のために変わることができるのでしょうか?
その答えがまずはゴール設定です。

ゴール設定

ゴール設定には3つのポイントがあります。

①本音のwant toであること
②現状の外であること
③オールライフで設定すること

一つずつ解説します。

まず、①のwant toである事とは、文字通り”やりたい事”になります。

誰になんと言われようと止められず、心の底から本音でやりたいと思える事でゴールを作ります。ここには承認欲求や誰かの期待に応えるなど、様々なhave to(外圧)の要素を含んでいないことが前提です。

※やりたい事が分からない方は、別途want toを特定する必要があります。
ここでは省略しますが、時間を忘れて夢中になってしまう事・楽しくてやめられない事・大切な人に親切心を持って禁止されていてもついついやってしまう事などが該当するイメージです。

次に②の現状の外とは、今の環境や考え方を変えなければ達成し得ないような事を意味します。達成までのプロセスが見えず、どうやったら良いのか分からないぐらいのゴールのことです。逆を言えば、目標を立てた時点で何をすれば良いかイメージができるものは全て現状の内側ということになります。また、こうなったら良いなという憧れも「理想の現状」でありゴール設定としては不適切です。

最後に③のオールライフに設定とは、具体的に8つの領域でゴールを設定する事です。そうする事でゴール世界のリアリティを高め、24時間常に何かしらのゴール達成に向けた行動が出来ているという状態になります。

バランスホイール2

●仕事:人の役に立つこと(時間やコストをかけてでもやりたい事)
●趣味:人の役に立たなくても良い事
●人間関係:仕事とプライベートの人間関係
●社会貢献:自分の利益ゼロで、自分の重要度の外への貢献(慈悲心のこと)
●家族:自分の親/パートナー/自分の子どもにとってどう在るか
●知性:体系知識を身につける学び(生涯学習)
●健康/美容:上記6ゴールに対して必要な運動・栄養・休息・美容の在り方
●ファイナンス:上記7ゴールを実現している際の経済状態

エフィカシー

エフィカシーとは、未来のゴールに対しての達成能力の自己評価のことです。エフィカシーの高さがゴール設定/達成に最も重要な働きをします。  

エフィカシーが高い例で、個人的に分かりやすい例がワンピースのルフィです。 物語の始まりでは、小さな手漕ぎ船で仲間が一人もいない状態にも関わらず、「海賊王に俺はなる!」と宣言し、自信に満ち溢れているイメージです。

ここで重要なのは現時点でゴールを達成するリソースは無くても良いという事です。どんな成功者も何かを始めたときは必ず素人の状態ですもんね。

ビリーフシステム

入力と出力の間の情報処理のことで、内部表現や重要性関数ともいいます。   同じものを見ても、他人と違う意見を言うということは物事に対しての重要性の評価が人によって違うということですよね。                 「これが好き/嫌い、これが正しい/間違い、これが重要/重要ではない」など、過去の経験によって蓄積・形成された価値観の集合体ともいえます。

ビリーフ 図

コーチングの場では、ゴール達成を妨げているビリーフシステムを特定し、達成のために必要な状態へ変更することを行います。

RAS(ラス)とスコトーマ

世の中はたくさんの情報に溢れていますが、その全てをいちいち情報処理していられないので、その人が重要だと思った事以外見えなくする機能のことをスコトーマと言い、逆に見えている部分の事をRASといいます。RASとスコトーマは表裏一体なのでセットです。 

RASはReticular Activation Systemの頭文字を取ったもので日本語訳すると脳幹網様体賦活系になります。スコトーマは心理的盲点のことです。

ゴール設定のパートで「ゴール達成までのプロセスは見えなくて良い」と説明しましたが、現状の外にゴールを設定することで脳が無意識に働いてスコトーマが外れ、RASの力を強烈に利用する事でプロセスが後から見えてくるという訳です。

感覚的に経験されていると思いますが、服でも靴でもお気に入りのものを購入したとします。それを買った時から急に街で、「え、これ最近みんな着るようになっている」、「急に周りで◯◯履くようになった」など、あなたの購入前後で世界は何も変わっていないのに、その物が急に目につくようになる現象のことです。

ビリーフシステムがゴールに必要なものに変更されていれば、このRASがうまく作用してくれます。

セルフトーク

自分が自分に語りかける言葉のことをセルフトークといいます。簡単に言えば独り言ですね。一説によると声に出して発語する・しないに関わらず、人は1日に数万回のセルフトークを無意識的に行なっていると言われています。

いくらゴールを設定したとしても、ゴールの臨場感がなければただの妄想で終わってしまい、C.Z.はズレません。そこで臨場感を生成させるために、このセルフトークにフォーカスします。未来のゴールを達成している言葉にセルフトークを書き換えることにより、ゴールの臨場感が高まりC.Z.がズレます。

これはなぜかというと、人の感情は一般的に【Word(言葉)→Picture(映像)→Emotion(情動)】の順で想起されるからです。
私たちが小説を読むという行為は、ドライな言い方をすると紙に塗られたインクを見ているだけです。しかし、そのインクを文字(言葉)として認識することで、物語の情景が浮かび(映像)、様々な感情が湧き上がってくることから理解してもらえると思います。

一方でゴールに対してネガティブセルフトークが出た際は、すぐさまカットしポジティブな内容に書き換えていきます。この書き換え作業を怠ると、エフィカシーが下がってしまい、ゴール設定が効かなくなってしまいます。
※私も自己適用していく中で、ここをサボった事で随分つまづいてしまいました。

◆最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。あくまでも用語解説なので、これを読んだからコーチングができるようになる・コーチングを受けた効果が現れるというわけではありませんが、このカラクリを扱って人生を前進させるのが認知科学のコーチングです。
不明な点あればお気軽にご連絡ください。
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以上、最後までお読みいただきありがとうございました。           Twitter:https://twitter.com/AKIRA2_OKUDA





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