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自己紹介 -アスリートからITエンジニアに転身した理由-

こんにちは。
小池輝(こいけあきら)と申します。
この記事を読む9割くらいの人は「誰?」と思っていらっしゃると思うため、自己紹介をしていきます。

走高跳の試合を終え、撮影に応じた際の小池輝

アスリートからITエンジニア…えっ?

私は元走高跳選手で、現在はITエンジニアとしてシステム設計のフィールドに立って活動しています。
中学校から走高跳を始め、全日中・インターハイやU-18世界選手権など数々の大舞台で入賞してきました。大学生・社会人になっても競技を続け、日本選手権や国体・日本グランプリシリーズなど多くの全国大会に出場しました。自己ベストは2m18cmです。
しかし、社会人デビューした先はスポーツ製品メーカーでもなく体育教員でもなく、IT企業のプログラマーでした。

自分でいうのもなんですが、長い期間にわたりトップクラスの成績を出してきました。就職活動をしていた当時の走高跳の日本ランキングは20番くらいでしたが、スポーツ関係者を頼れば実業団選手として企業と契約できるレベルだったと思います。そんなアスリートがスポーツ業界ではなく、全く後ろ盾のないIT業界を選んで社会人デビューしたのには理由があります。

スポーツ界に恩返ししたいなら、競技力以外の魅力をつけなければ…

自分は、陸上競技から多くのものを授かりました。
健康な身体、競技成績という努力の証明、仲間…そして何より、自分に対する信頼と自信を授かりました。それゆえ、中高時代から「スポーツ界に恩返ししたい」という気持ちを強く抱いていました。
スポーツ界に恩返しするためにスポーツそのものを学びたいと考え、順天堂大学のスポーツマネジメント学科に進学しました。

高校3年生のときU-18世界選手権5位入賞・インターハイ7位入賞などの大きな活躍をしており、大学陸上界からも注目されていたように思います。そのため、多くの人が知っているような私立大学の競技部マネージャーさんが自分にお声がけしてくださりました。
順天堂大学より偏差値が高く就職ウケする大学に推薦入学することも可能でしたが、スポーツ界への恩返しに繋がる学問を学べることを選択するための進学ととらえていたため、順天堂大学への進学を選択しました。

陸上競技における練習はもちろん、勉強ではスポーツに特化した授業とその課題が課され、まさにスポーツ漬けの日々を過ごしました。その結果、「スポーツ界に恩返ししたいなら、競技力以外の魅力と掛け合わせる必要がある」と考えるようになりました。

私は昔からパソコンが好きで、小中学生時代にIC3やパソコン検定3級を取得したり、ネットで公開されていたフリーのゲームソフトをダウンロードして遊んだり、エクセルやワード・パワポの裏技を編み出したりしていました。
そういうこともあり「いずれITとあらゆるものがつながる社会が来るはず。スポーツだって例外じゃない。これに賭けよう」と思い、在学中からプログラミングを学び始めました。

そもそも「スポーツ界への恩返し」って何?

スポーツ界への恩返しの方法は、いくつか考えられます。
その中でも代表的な例として挙げられるのは、下記でしょう。

  • 誰にも負けない競技成績を出し、パフォーマンスで観客を驚かせる

  • その競技の優秀な指導者となり、実力ある選手を輩出し続ける

  • その競技を広めるメディアとなり、競技の魅力を人々に発信し続ける

しかし、上記のようになれる人はほんのわずかですし、今後も狭き門であることは変わりないでしょう。
そもそも「誰にも負けない競技成績」を出せる選手は、類まれなる才能のある選手でないとなれません。才能があっても、ケガや諸般の事情で競技を引退せざるを得ない場合があり、再現性と達成確率はかなり低いといっていいでしょう。私も「誰にも負けない競技成績を出せる選手」を目指して練習に励んできましたが、そうなることはできませんでした。

諦めたからこそ見えた、自分なりの恩返し

競技を10年以上続けると、否が応でも自分の競技者としての立ち位置が見えてきます。
競技をこのまま続けるか、自分の限界はどの辺か、自分がやりたいことって本当は何なのか…就職を控え、このようなことを考えるようになりました。
いろいろな先輩に相談したり、自分への問いを繰り返しました。

  • 「限界なんて自分が決めるもの、望む限り高い記録を」

  • 「あなたほどの実力者が引退するなんてもったいない」

尊敬できる先輩方の中には、こう言ってくれた方もいました。
そうして最終的に自分の出した結論は下記でした。

  • 正直な話、自分は日本代表にはなれない。

  • でも、そのレベルの選手にハッパをかけるレベルならぎりぎりなれる。

  • 自分が考えるスポーツへの恩返しは「ITとスポーツをつなげる事業に参画すること」である!

  • 自分はITとスポーツをつなげる仕事のための経験を積みながらその競技力をなるべく保ち、自分のキャリアを作る!

「諦める」には「放棄」「断念」「ギブアップ」など、ネガティブな意味合いで使われることが多いです。しかし、「諦める」の本来の意味は「ものごとを明らかにする」です。
自分は、日本トップの競技者になることを「諦め」ました。しかし、自分の能力や志向を冷静に分析して自分の競技の目的を再定義した結果、上記の結論に落ち着いたのです。

アスリートのセカンドキャリアとしてのITエンジニア

ITエンジニアに対する誤解

ここまで読んでくれた方の中には「ITエンジニアは理系の情報系や工学系出身者がなるもの」と考えている方もいると思います。
確かに業界内で有名なエンジニアの方はそういう方が多いですし、それこそGAFAなどの超一流企業には超一流大学の情報系・工学系出身のエンジニアは多く存在します。
しかし、そうでない方もIT業界には大勢いますし、文系卒で未経験だった方
がバリバリ活躍しているという現場も多く存在します。

アスリートこそITエンジニア!

私は、アスリートのセカンドキャリアとしてITエンジニアになってほしいと思っています。
その理由は複数ありますが、その一つに「アスリートとして培った能力が活かせるから」があります。
アスリートとして競技成績を伸ばすことに限らず、ゲームのスコア追求や営業での契約件数向上・納期までに高品質なシステムを製造するなど、成果を出すために必要なことは「逆算力」と「人間力」です。

逆算力とは、成果を出すために必要なことを分析し、それを実行する力です。例えば、1年で1億円の収益を上げるためには一か月あたり870万円以上の収益を上げる必要があり、そのためにどんな行動をすべきか…を考えた行動ができることを「逆算力」があるとされます。
システム開発では、顧客の必要な要件を洗い出し、それに見合う機能を盛り込んだシステムを開発し、納期までに製造しテストしていきます。システム開発には確かに高度な知見は必要ですが、それ以上に「逆算力」が求められます。

人間力には複数の定義がありますが、内閣によって設置された『人間力戦略研究会』によれば、人間力は「知的能力的要素」「社会・対人関係力的要素」「自己制御的要素」の3要素があるとされています。
アスリートが特に持ち合わせているのは「社会・対人関係力的要素」「自己制御的要素」です。競技成績を上げるためには自分で自分の行動を制御できることが不可欠で、優秀な選手ならこれは間違いなく持ち合わせている能力です。
また、競技成績を残し続けるためにはコーチやチームメイト・マネージャー・トレーナーなど多くの方とのコミュニケーションが必要です。集団競技ではもちろん、個人競技でも必要です。

成績向上のために必要な練習を見極め、達成するまで練習し続けることはアスリートの日常です。逆算力と人間力を「当たり前」のレベルで発揮しているのがアスリートであり、優秀なシステム開発者の素養はあると思っています。

株式会社アーシャルデザイン

最初は全く別のIT企業のプログラマーとして業務に従事していましたが、ご縁があり、2020年8月から「株式会社アーシャルデザイン」所属のITエンジニアとして活動するようになりました。
私が所属する「AthleteAgent:TECH事業部(アスリートエージェントテック)」のミッションは「アスリートエンジニアを広めることで、社会問題の解決に寄与する」です。アスリートエンジニアを一人でも多く輩出することは「アスリートのセカンドキャリア問題」および「ITエンジニア不足問題」の解決に寄与できます。私が昔からやりたいと考えていた「ITとスポーツをつなげる事業」そのものであり、深く深くこのミッションに共感しました。この考えを持っていること、そのために行ってきた行動を社長にお話した結果、熱意が会社から認められて入社に至りました。

アスリートエージェントテックについてはこちら

コロナ渦での転職ということもあり入社後も苦労しましたが、なんとかエンジニアとしての業務をこなして続けました。
システム開発の困難に立ち向かい続けた結果、光栄なことにアーシャルデザイン8期における最優秀エンジニア賞である「Best Engineer Award」を受賞することができました。今後も精進を続けていきたいと思っています。

Best Engineer Awardを受賞し、ポーズを取る小池輝(左)

今後の小池輝

アスリートエンジニアを周知したい!

「ITとスポーツをつなげる仕事」をしたいと志し、紆余曲折ありましたが、ついにそれに最も近い事業に携わることができました。今後としては、この事業部のミッションである「アスリートエンジニア」をもっと世に広めていきたいと思っています。
このnoteを書こうと考えたのも、これが理由です。
今後は、なるべく定期的にnoteにアスリートエンジニアに関する情報を書いていきたいと思います。
小池輝をよろしくお願いいたします!

補足:略歴

1994年1月22日 静岡県浜松市に生まれる。
中学入学後に陸上競技を始める。
以降、高校卒業まで浜松市で過ごす。
順天堂大学に進学し、競技スポーツを研究・実践しつつIT技術も学ぶ。
大学院修了後、システム開発会社に就職する。
2020年8月に株式会社アーシャルデザインに入社し、アスリートエンジニアとして日々業務に従事している。
現在、秋葉原在住。

静岡県代表として国体に参加したときの小池輝(2016年、岩手国体)

【スポーツ歴】
●水泳(小学校, 5年)
●サッカー(小学校, 5年)
●陸上競技[走高跳](中学校~社会人, 15年)
 ・走高跳自己ベスト:2m18
  - 頭上抜き部門なら日本歴代10番くらい(+49cm)
 ・走高跳における主な大会経歴
  - 全日中4位, ジュニアオリンピック7位 [2008年]
  - インターハイ3年連続出場(1年次:決勝進出、3年次:7位)[2009-11年]
  - U-18 日本選手権2位 [2010年]
  - U-18 世界選手権5位 [2011年]
  - 静岡県選手権 優勝3回 (大会記録保持者) [2014,16,17年]
  - 国民体育大会 成年男子共通走高跳 静岡県代表 [2016年]
  - 日本選手権 出場 [2016,2017,2019年]

走高跳を行う小池輝(2018年、バーの高さ:2m10)


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