それでも外資系企業を選ぶ理由
[加筆修正しました]
こんばんは、松川です。GWも最終日。あまり連日でお休みはよくないなぁと思っているところです。まとめた休みではなく、定期的に水曜日あたりが国民の休日だといいのにな。と思っています。
なんで外資系企業?
散々「変な人が多い」と書いてみたり(自分も、その中でも相当変な人だと思っています)、1社目は「日本企業のほうが良い」と言ってみたり。「じゃーなんで、松川は、日本企業じゃないの?」と思いますよね。色んな理由があるのですが、本音で言えば「もう、日本企業に行けない」が大きいです。note で、あまりきれいなことは書くつもりは、ありません。
外資系企業へ転職時には必ず「年収交渉」をします(これは必須)。結果として、年収が上がります。さらにその結果、同等の仕事を日本企業でする場合、絶対に年収がさがります。年収が下がってでも、この企業に行きたい!というところは、日本企業の中でも大人気。よって、高難易度の資格保持者であっても、簡単には合格はできません。
IT系に関してだけ言えば、結局、外資系企業(米国、欧州)の方が圧倒的に技術力が高い。IT関連の製品やサービスの殆どが、米国、欧州、最近だとインド、中国、韓国、台湾、シンガポール。このあたりのほうがよっぽど強いし面白い。技術的な興味の観点から言って、日本企業よりも面白いかなと思います(よって、日本企業が強い業界にいれば、見え方が違うかもしれません)
変な人が多い中で【本当にすごい人】がいるのも事実。宝くじみたいなもんですが、この【本当にすごい人】とお仕事できるのは、相当幸運なことだと思います。これに関しては、色んな意味で人材豊富な外資系企業のほうが、とんがっているので、その可能性も高いと思います。
変化のスピード。これについては【良くも悪くも】をつけておきます。出入りが激しい、日本にある外資系企業において、この「変化のスピード」は【良くも悪くも】激しい。毎度毎度「お祭り騒ぎ」なのは、どこの企業でも同じなので、社内のシステムや体制に対して、少しいい加減なぐらいの人のほうがいいかもしれません。
安易な外資系転職はおすすめしません。
理由は上記の通りなのですが、まず外資系企業に入社するにあたって、重要なこと【年収交渉】。これ本当に重要です。【年収交渉】せずに入社すると、確実に後悔が待っています。今転職活動をしている方は、年収交渉をどのタイミングでするべきか?エージェントと相談するか?自分でやるか?そのあたりの作戦をねっておくことをおすすめします。どんなに綺麗事を言っても、最終的に、外資は3年から5年は年収はほぼ上がりません。最初の金額に対して、5年は働くつもりの金額で交渉が必要です。少なくとも、自分が4年後にいるかは一旦置いといて、4年後にその金額でやりがいを持って仕事ができつつ、生活ができるか?を想像する必要があります。
よって、一度外資系に転職してしまうと、年収を下げるのが難しくなるかと思います。このあたり、自分で「日系の会社だから、これぐらいが妥当かな」と冷静に判断できつつ、「年収下がってもいいから、日系に行きたい(なぜなら)」とよほど強い気持ちがなければ、うまく行かないと思います。つまり、一度外資の年収を見てしまうと、日本企業の年収で納得できなくなっちゃうんですね。特に「その瞬間」は、最大で数百万ぐらいの差がでることもあるので(日本企業は緩やかにお給料があがるので、最終的にトントンになるにしても)。これは、自分だけではなく、家族がいたりすれば、さらに複雑に…。お子さんがいたり、ご両親へのサポートが必要だったりとなれば、安易に、一時的とはいえ年収を下げることはできないのかなと思います。
こういうこともあり、20代、30代で外資系企業にいくのは、あまりおすすめしません。ある程度日本企業で「みんなと働く」ということに慣れて、それでも「お金が必要!」「日本企業とはあわない!」「面白そうな技術がある!」などの理由がない限りは、1社目を継続することをおすすめします。
外資系企業に転職してしまうと「転職し続けなければならない場合がある(プロモーションまでの期間が長過ぎる場合がある)」「変な人率が高いので、今風に言えばガチャ失敗の場合、逃げ場がない(日本企業のほうがそのあたり柔軟に対応できますが、外資は結局本社の意向が全て)」「年収を下げることに、家族の同意が得られない可能性がある」等々の現実をよく見た上で外資系企業をおすすめします。
英語力と日本語力
他の note にも書いていますが、必要なのは「日本語力」。お客様は日本人なので、日本語力が圧倒的に必要。英語力は、中学生程度で十分。ただし、業務における英語使用については、ちゃんと確認しておきましょう。皆さん勘違いされがちの英語力ですが、本当に不要。逆に英語得意な方は、日本企業の方が、待遇がいいと思います。
日本にある、外資系企業はそんなに連続で休めません。
これも英語力と同じで、お客様は日本企業。日本企業と合わせたお休みの仕方が一般的。つまり、欧州企業に務める友人たちの「1ヶ月はバケーションとらなきゃ」なんてのは、まず叶いません。欧州系の企業にいたときは、「1週間プラス数日」の休暇がとれていましたが、これも、お客様が日本人なので、お客様からすれば仰天ですよね。欧州企業の本社に務めるヨーロッパ人の言うことを真に受けてはいけません。ちなみに、アメリカ人は信じられないほど働きます。彼らから言わせれば「日本人休みすぎ」だそうで。【欧米】という単語にご注意あれ。ヨーロッパの文化と、北米文化はまったくもって別物です。米国企業で1ヶ月も休めるところは、まずないと思ったほうがいいです。1週間連続で休むことだって難しい。このあたり、日本企業のほうがよっぽど、1週間休ませる努力をしていると思います。都合のいいところだけの【欧米】とはいかないのが、現実です。
それでも、外資系企業を選ぶ理由。
いろんな人の話や自分の経験からふまえて、私なりに考えた結果として、外資系企業は【バックグランドに対しておおらか】だと思います。人生は「山あり谷あり」だと思うんですね。常に絶好調とは行きません。まして「平々凡々」と行くなんて、まず無いです。残念ながら「辛いこと」「ありえないこと」は多々あります。結果として、1社に長期勤続が難しい人もいれば、少しキャリアに間が空いてしまうことだってあるかと思います(子育てだったり、留学だったり、体調不良だったり、理由は様々なことがあるでしょう)。つまり、日本社会において少し一般的とは言えないルートを選ばざる得なかった人たちに対して、外資系企業は、比較的おおらかだと思います。これが最大限「外資系企業を選ぶ」理由だと思います。様々なバックグランドの人がいるので、変な人もいますが、一方で、すごく魅力的で面白い方もいます。(ただし、出入りが激しいので…)
外資系企業において、「日本社会における一般的とは言えないルート」を選ばざる得なかったことに対して、「ネガティブ」に捉えられることは、あまり無いのかなと思います。転職時に、うまく伝えられる自信がなければ、エージェントさんと相談して、予めうまく伝えてもらいつつ、作戦を練ればいいですし、やり方は様々。どちらかと言えば「そういう経験をしました。けれども、こうやって対応しました」と伝えることができれば、「ポジティブ」に取ってもらえる可能性だってあります。
散々「外資系は放置が多いー」等々のネガティブなことを書いていますが、これは「外資系=優秀な人が多い、能力があれば評価してもらえる、年功序列ではない、連続した2週間程度休みが取れるのでは?」と勘違いされている方が多いと思うので書いています。実際、私も20代の頃は、上記のような勘違いをしていました。実際外資系に入ってみると、全然違うということです。そして、当然ですが、良い点もあります。ただ、みなさんが考えがちの「良い点=給料があがる」は、必ずしも良いとはいえず、一方で、あまり注目されていない点、つまり【バックグランドに対しておおらか】なことが、良い点なのではないかと思うのです。
なお、「バックグランドに対しておおらか=過去何してたって問題ない」というわけではありません。それこそ、バックグランドチェックが入るところがほとんどです。しかしながら、人生順風満帆とは言えないでしょうから、そういうときに外資系企業は「バックグランドに対しておおらか」かなと思います。そういったことが可能な理由として、「こういう能力の人が必要」JD (Job Description) が比較的明確だからだと思います。 (それでもミスマッチが発生するという謎があるのですが)
私がおすすめできることとしては、若い頃に日本企業で可能な限り、粘る。頑張る。そして、3年以上にもなれば、ある程度、企業に対してもわがままが聞く立場になっているはずなので、頑張らない。手を抜く。適当にやる。そして「適当にやる」が難しいなと思ってきたら(適当にやるのが難しい人もいるんですよね。世の中)、そこそこ難易度のある資格を取得して、外資系企業へ転職。この時最大限【年収交渉】をしましょう。また、可能な限り最初の外資系企業への転職時には「大きな企業」をおすすめします。外資ベンダには、それこそ「天才」もいますが、天才は基本的に、日本ではなく本社にいます。日本いる、あの人変わってる!と思うのは、「声と態度がでかいだけの天才風に見える普通の人」のケースがほとんどなので要注意。本社と接点がなければ、天才との接点もあまりありません。外資ベンダを狙うからには、可能な限り本社と接点があるところをおすすめします。
微妙なところをちゃんと理解して転職すると、案外楽しいかもしれません!本当に、様々なバックグランドの人が多いです。退職したあとでも、仲良くしてくださる人が多く、このあたりは、外資系企業の良さだと思います。