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界のカケラ 〜88〜

 内科へ行く間もマシンガントークは続いていた。早く話が終わらせるために内科へ早歩きをしていたが、早いとそれとなく注意され渋々遅くした。よくもあこんなに喋ることができるのだろうと関心する。内科の看護師たちを気の毒に思った。

 ただ看護師の腕は抜群で病院外でも顔が利くので、話を我慢して必要技術と人脈を作るのを目的とした強者がいるという噂を聞いたことがある。もはや修行とも呼べるが、そうでもしてやりたいことがあるのだろう。私なら御免だが、どうしてか気に入られている。ありがたいことだが、忙しい時ほど廊下で会うことが多く、看護師たちを敵に回したくないので仕方なしいに話に付き合うことになってしまう。あるベテランの先生によると昔はもっと話が長かったらしい。その頃に会わなくて良かったと心底思った。

 たった十分ほどの距離が三十分にも感じられたが、それもようやく終わる。あと数歩歩けば解放される気分はなんて心地よいのだろう。この開放感は絶景が見える露天風呂に入ることに匹敵する。

 そして無事に内科へ到着し、皆に挨拶を済ませ、一休みするために病室へ戻った。

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akira
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