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受け止め方しだい
【受け止め方しだい】
僕:
◯◯さん、そういうところ
木村拓哉みたいですね
◯◯さん:
あぁぁぁ
そういうところ、あるかもしれませんね
これは以前
他部所の所属長に
嫌味のつもりで放った言葉が
そのまま受け止められてしまって
ゾッとした
時の話です
同僚も、全くもって謙遜のない
彼の受け止めっぷりに
下顎が床にぶつかるほどで
開いた口がふさがらない、とは
まさに、このことでした
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さて
人は
お世辞を情けととるか
褒め言葉ととるかで
真逆の印象を受けてしまうようです
自分が自慢できることや
得意とすることを言ってもらえると
褒め言葉
自分に自信のなかったり
不得意なのは明らかなのに
褒められると
お世辞
言葉は受け止める側で
この日の我々のように
ゾッとするかしないかが決まります
我々の中で伝説となっている
キムタク驚愕事件
所属長たる◯◯さんが
白昼堂々と
わざわざ我々の部所にきた時のことです
何の話題だったのか
謎に◯◯さんが人生観を話だし
真面目な顔して
か弱い女性が好きなんです
男は女を守るものですよ
と、恥ずかしげもなく
言ってるではありませんか
しかも◯◯さん
か弱いハズの嫁から
離婚を突きつけられ
子供もろとも別居中
ぜんぜん
守ってあげられてない
僕たちはその態度や話す一言一言に
居心地が悪くなって
むず痒くなって
身体が勝手にクネクネし出してしまったのです
この場を切り抜けたい!
その一心で
木村拓哉みたいですね
と言ったのです
ここまで言えば
あ、バカにされたと気づいて
今すぐ去ってくれるかと
思ったのです
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ところが
◯◯さんは、クールでイケメン
そして、女性を守るくらいの甲斐性が
ある男
とさらりと受け止めてたではありませんか
こんな所であぶら売ってないで
今すぐ嫁に謝ってこい
とは突っ込めず
ふたりは、あははははははははははは
ばばばばばばばばばばぁー
あれ以来
僕たちはトラウマになってしまって
人様を芸能人に例えることが
できなくなってしまいました
あのおぞましい経験から
彼とすれ違っても
無視し続けているのですが
気がついたら
部所移動してくれてました
本当に、良かった
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僕:
◯◯さん、そういうところ
木村拓哉みたいですね
◯◯さん:
あぁぁぁ
そういうところ、あるかもしれませんね
怖