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田舎の小さな小学校教員はのびのび仕事をしていた

昨今、ブラックな働く場という報道など先行され、すっかり若者からマイナスのイメージになって教員不足に拍車がかかっているようだが、そうでない世界をチラッと見てきた。仕事柄、高校に出歩くことが多いが、稀に小中学校の訪問もある。この度、北海道道南にある、とある小さな小学校を訪問させてもらい、校長先生と50分ほど意見交換する機会があった。

地元教育委員会の方に案内され、到着した時はちょうどグランドで運動会の練習中だったこともあり、グランドにポツンと児童が集まっていた。全校生徒8名、教職員も8名。これで全校生徒です。とのこと。2つの学年が欠員になっている4学年で構成された複式学級の小さな学校だ。小学校の統廃合は10名以下になると目安となっているようで、昨年度町議会で議論になり、存続を当面決めたのは地元の声だったという。漁師街のこの地区は、おらが学校を自ら守ることの感覚が強く、その訴えが地区の小学校を守ったという。

玄関には芝桜がきれいに咲いていた

学校経営として各学年に一人いるいないの違いが大きく、何とか一つの学年に一人は維持できる状態を目指したいことや、児童のコミュニティが小さすぎるので、様々な人と関わる感性が育つかどうかは課題を感じているようだが、それ以外の課題は特に見受けられることもなく、究極の個別最適化がされている。もちろん学校維持のため財政のコストパフォーマンスは良くないが、子どもや教員にとってかなり快適だと言えるのではないか。カリキュラムの進め方も個々によりそい、体育やその他科目も学年を超えて行っていることがほとんど。教員たちものびのび仕事をしているようで、世間一般で言われる教員像とは全く違う。

教員のブラックな傾向は統計データによるところが大きく、小さな田舎の学校は少数規模だから平均化されると教員の声が埋もれてしまうだろう。普段と全く景色の違う、学校教育の現場に触れさせてもらい、視点や角度が広がった。

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