黒部源流 (8月に美しい!小川と花の庭園)
高山植物の美しさは他に比べようがありません。何日も前から構想を練り、荷物を準備し、重い荷物を担いで急登をあえぎ、核心部をクリアして、雲の上まで登った時に目の前に広がるお花畑を見ると、まるで天国に着いたようです。
高山植物を見ることが出来るような山に登るためには、まとまった休みが必要で、「8月のお盆休みしか行けません」 と言う人が少なからずいると思います。しかし、8月も中盤になると有名処のお花畑は盛りを過ぎてしまうので、私自身も残念な思いを何度もしたものでした。
しかし、私の乏しい登山体験の中で、お盆休みにきれいなお花畑を見れるところがあります。北アルプスの奥になりますが、日本屈指のお花畑の雲ノ平の隣にある、黒部源流です。ここは、荒天の時や時間短縮に鷲羽岳をカットするルートとして活用されているようで、ここを目標にする人は、少ないかもしれません。雲ノ平の様な一面のお花畑とはいきませんが、日本庭園の様な良さがあり、もう一度歩いてみたいと思う所の一つです。
紹介するのは、2014年8月14日の記録です。
鷲羽岳、水晶岳、祖父岳(雲ノ平)からの道が交わる、岩苔乗越が出発点です。
手前の斜面を左側に下っていきます。標識が写ってなくてすみません。
10分ほど下ると水場がある所まで下りて来ます。
道が濡れているのに気づきます。
脇に咲いているのはハクサンイチゲ(白)とアオノツガザクラ(黄)です。
花の写真を撮りながらさらに降りて行くと、いつのまにか石の間から水が少しづつ流れ出してきます。
脇の花は、ハクサンイチゲです。少しですが、まだ雪が残っています。前日泊まった山小屋の黒板に「黒部源流は7月まで積雪、アイゼンが必要」と書かれていました。雪解けを待って、咲いたばかりの花が迎えてくれています。
急坂ですが、大した障害も無いので気持ち良く下って行きましよう。
小川くらいの流れになって来ました。
急坂なので、春の小川に様にサラサラとはいかず、早いリズムで軽い音を立てて軽快に流れ落ちていきます。岩を伝って右に左に黒部川を渡って歩いて行きます。
足を踏み外して、岩陰の草花を傷つけないように気を付けて歩きます。
見上げると、出発点で別れた祖父岳(じいだけと読みます。好きな名前)がきれいです。
対岸に、キヌガサソウの群落がありますが、川幅がいつの間にか広くなって見に行けません。
少し下った所で見かけたキヌガサソウです。
旬の花と言うお題でしたが、少し古くなった紫色の花で申し訳ありません。
三俣蓮華岳もきれいです。
足元に咲く、シナノキンバイも美しい。
時を忘れて下っていくと、川幅も広く深くなり小川とは言えなくなってしまいました。
そろそろ、黒部源流とはお別れです。名残り惜しいですが、 「行ってきます」してきた三俣山荘に戻ってしまいます。
クルマユリに見送られながら黒部川を離れ、祖父岳を巻いて雲ノ平へ登り返します。
つらい登りに足を止めて振りかえると、黒部川が右に大きく曲がっていくのが見えます。
槍が岳が向こうで笑っています。
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