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洗礼、続々。ゾクゾク Part2

オイルが漏るとは、こういうことか。

走って帰ると、翌日には敷いておいた段ボールにユンケル1本ぶんくらいをぶちまけたような量のオイルが漏れ出ている。「当時は部品精度が低かった」とか、バイク系Youtuberの中には「鉱物油という、分子構造の大きな昔のオイルなら漏れは少ない()」とか真顔で語っているいるが(いやあんた分子ってどんだけ小さいか分かってねーだろ と思うのだが)、もうそんな次元ではない雰囲気を感じる。これがデフォルトだったら、工業製品としていくらなんでもまずくね?

正直、マンションの管理人さんに「なんとかしろ」と怒られるレベルだし、まぁ。。でもやっぱりこんなもんですかねぇ。。とかなんとか思いながらも、日々楽しく過ごしていました。

が、意外とバイク屋さんに駆け込む日は早くやってきた。とある夜、いつもの川崎~東扇島→大黒→帰宅~みたいなルートで走っていた時のこと。突然それはやってきた。

エンジンが…止まった。

とりあえず側道に停車し、ちょっと深呼吸する。近くに自販機があったので、缶コーヒーを飲む。いつもの工場夜景が…夜景なんかまったく頭に入ってこないTT

さて、、どうしたものか。

・ガス欠?タンクを覗くと前回給油からの走行距離からして当然満タンではないがまだ多少残っていることが確認できる…
・レッカー呼ぶか?しかしこういう日に限って保険関係の書類を忘れてきているTT つまりどうにかするしかない。
・お世話になっているバイク屋さんにまで…押せるか??ナビはあと4キロと出てるし…いやいや、そもそも250Kg以上ある巨体を押して高低差のある道を征くのは無理だ

んー。。。

祈るようにしてセルをまわすと、あっけなくエンジンはかかった。おや??いけるか?とりあえず走り出す。1キロでも2キロでも、バイク屋さんに近づけるに越したこたぁないからね。

…また止まる。

ちょっと休む。ええい、ともかく押すぞ!押して歩く。

つかれて、エンジンかける→またかかる(!)→ちょっと走るとまた止まる。ええい、ともかく押すぞ!また押して歩く。。

・・・これを3回くらい繰り返したところで、力尽きる。真冬だというのに、汗だくである。。

まてよ…この症状、やっぱりガス欠じゃね?

念の為に燃料コックを「リザーブ」に切り替えると…うそのようにエンジンがかかる。そして今度は止まらない。

なーんだ、ただのガス欠だったか。そして、燃料警告灯が存在しないことも再認識できた。分かっていたけどね。。。Forty-Eightで燃料警告灯がつかなかった故障が懐かしく思える。物理的にこいつにはそれが存在しないのだ。

ともかくこれで自分の車輌の実際の走行距離がなんとなく分かった。100マイルに到達する前には給油したほうがええ。

レッカー呼ぶ恥ずかしい思いをしなくて良かった。。。書類がないからどうせ呼べなかったけど。。

もうこうなるとこれ以上どこかに足を伸ばそうという気には到底なれず、いそいそと帰路をめざす。

が、話はここで終わらなかった。

自宅まであと数キロというところで
今度は油圧警告灯が点灯したのである。

油圧が確保されていない=エンジン内でオイルが正しく循環していないということを意味する。まぁまぁ深刻な状況である。

幸い今度はエンジン停止したりはしないが、なんとなく「パタパタ」「カタカタ」とVツインの回転に対応して音がする。エンジンから音がする。どのへんからだろう。。。少なくとも走り出した時にこのような異音はしていなかった。。

エンジンには良くないと分かっているが、何度も書くがなにせ書類を忘れているのだ。レッカーはどっちみちできない。家まで幸いあと2~3キロなので、さっさと帰ってしまおう。

異音は、道中どんどん大きくなっていく‥気がしていた。

祈るようにしながら、それでも丁寧に丁寧にクラッチをつなぎ、エンジン回転をいたずらにあげず、どうにかこうにか、無事帰宅する。翌日、仕事の合間をぬってバイクやさんに電話をする。

僕:「お世話になります~あの~、油圧警告ランプが点いたんす。異音もしてます。」
店:「ランプつきましたか」
僕:「はい、なので、どうしたもんかな~と」
店:「回転数下げすぎとかはありませんかねぇ」
僕:「1000回転くらいに留めてます、むしろ高めにやってます」
店:「んー、エンジンオイルの残量みました?」
僕:「あ!夜遅かったんで見てないっす。帰宅して、明日朝イチで見ますね」

翌、土曜日。めったにしない早起きをして、確認をする。

かすりもしねぇ

…レベルゲージにかすりもしない。

店:「どうです?」
僕:「すっからかんですね。中も見ました。底の方に、ユンケル1本ぶんくらいしか目視で確認できません」

ショベルのオイルタンクは上から中が覗けるのだが…すっからかんである


店:「わかりました。もうレッカーしちゃいましょう。すぐ手配しますよ」
僕:「ありがとうございます。もしかして電車とかでお店に行って、オイル缶ごと譲ってもらって、こっちで補充してから自走で持ち込み…という手もあります?」
店:「いや。何が起きているかわからないですし走るのはやめましょう。そのための保険ですし」
僕:「わかりました、よろしくお願いします~」

レッカーを待つ間、部屋でのんびりドラクエリメイク…なんてやっていてはいけない。こういうときこそ自分と向き合い、そしてしみじみと車体を見て回るのだ。なにか情報があるはずだ。

リアまわりが、なんだかそこここにオイルを吹いたような濡れ方をしている。リアタイヤのサイドウォールがテカっている。正直滑ったりしそうで危険があぶないレベルだ。これは…オイルが下から垂れているとかではなく、あちこちから溢れ出ているような、そんな雰囲気すら感じる。ホースやボルトの締め込み部分や、鉄のつなぎ目から、あちこちからオイルが漏れ出ている…ように感じる。

これ…結構深刻なんじゃね…?滝汗

ほどなくしてレッカー着。お店に向かってドナドナされてゆく、俺のFXS80。道行くひとたちが皆見ている。
ああ、、レッカーされている姿もかっこいい。冬の日差しを受け、メッキがキラキラと輝いている。そして同じく…床にはキラキラ光る…オイル漏れが。

レッカーに乗せる際に少しエンジンをかけ一気にキャリアに乗っけたわけだが、それだけでキャリアの床にオイルが点々と垂れているのだ。うん、やっぱり普通じゃねぇわな、この状況。

私もよそで用足しを済ませながらお店に向かう。

さて、気になる診断結果は…?(後編に続く)



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