友情を壊すのは金の貸し借りと約束のネバーランド
人間生きてると何をしたってダメな日が必ず存在する。それは週一の時もあるし、月一の時もあるし、運が悪けりゃ連日連夜ダメな時もある。
そう考えると僕の今日は特別ダメな日だったと思う。今年に入ってから結構運が良かったもんでその跳ねっ返りかと思うとまぁ何とか納得は出来るんだけど、それ込みでも向こう一週間はハッピーじゃないと帳尻が合わない。
何せ今日僕は十字架を背負ったのだ。それも三つ。ただの身内の賭け事で。
最初に説明しておくと、僕らは賭け事に金銭を持ち込まない。それは公営ギャンブルで金を使わないってことじゃあなくて、身内で何か罰ゲームを課す時にお金を賭けないってこと。まぁなんか飲み物奢りとか、飲み代をちょっと多く出すとかその程度ならあるんだけど、ここの会計全て奢るとかは絶対しない。何でかって聞かれるとよくわからん。でも『金は友情を壊しかねない』って自意識がどっかにあるんじゃないかな。ともかく僕達は賭け事に金を賭けないのだ。
じゃあ何を賭けるのか。それが十字架である。中学生の頃流行った嘘告とか恥ずかしいもんじゃ無くて、もっとこう人権を侵害してくるような罰ゲームを僕達は十字架と呼んでいる。
背負った十字架一つ目。『明日まで断食』
これは結構軽い。まぁ僕は明日飲み会、しかも送別会があるので食えんのはけっこー辛いんだけれども、しかしまぁ空きっ腹に酒入れて吐く何てのは一時の体裁を失うだけだし、数年前なら日常茶飯事だ。胃の内容物以外、特別何かを失う訳でも無いんだからまぁ良し。これが三日三晩とかでも案外ダメージは薄かったと思う。断食ってのは胃腸のファスティング。しっかり手順を踏んでやれば寧ろ健康みたいなところがあるのだ。それに僕は元々『老犬より食わない』で巷に名を轟かせている。食えないことがそこまで辛くないんだよね。僕がファミマに行って何買うか教えてやろうか。野菜ジュースにプロテイン、それと飲むヨーグルトだ。
ともかく断食なんてのは俺にとって大したデメリットでは無い。問題は残り二つにある。
二つ目。『チンコを丸一日触ってはいけない』
男にとって由々しき事態何だよなコレが。小便がビッグイベントになる。添える手の重要性はスラムダンクと小便で学んだ男も多いだろう。手を使わないってのはスコープの無いピストルを無造作に構えているのと一緒で標準はとてもじゃないけど定まらない。しかもピストルと違って誤爆の恐れあり。集中力を欠こうもんならズボンに七個目の大陸が生まれてしまう。そんなの出先でやらかした日にはおしまいだ。当然、シコるなんて以ての外。チンコを触れないで絶頂出来る人間になりたかったと今日僕は初めて思った。
だけどこれもまだ序の口って思えるんだよな。何せ三つ目は『ケツを拭く行為をうんこ二回分禁ずる』だ。
この二回ってのに温情を感じるかも知れないがだから何だと言うのだろう。うんこを二回拭けないのだ。ウォシュレットは解禁されたがそれもだから何だと言うのだろう。そもそも僕はウォシュレットノズルを不潔の権化として見ている。ウォシュレット自体が罰ゲームに近いのだ。そしてその水で肛門を流したから何だと言うのだ。ウン汁でビシャビシャのケツ穴にパンツで蓋をしたところで何だと言うのだ!縄文人でもうんこ拭くだろ。人類が何千年かけて積み上げてきた清潔感を僕は向こう二回のうんこで放棄する。その事実は中々にしんどいもんだ。
まぁそんなこんなで今日渋谷estの六階ビリヤードフロアに真性の汚物が生まれたのだ。中身は綺麗だけど外見が壊滅的な変態がね。
でも、こういう話をすると皆言うんだ。そんな罰ゲーム無かったことにすりゃええやんって。家に帰ったら誰の目も無いだろ?チンコも掻き放題だし好きなだけケツも拭けるやん。飯食ったっていいやん!って。
わかってない。わかってないよお前ら。違うんだなぁ。それもさ、友情を壊す要因なんだよ。そういう小さい約束の反故が人としての何かをダメにしていくんだよ。まぁうんこ拭かない時点で人としてどうなのって言われたらぐうの音も出ねぇんだけどさ。
結論、友情を壊すのは『金の貸し借り』と『約束を違えること』だとここに記しとくからね。要チェックやで。