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機内モードでお届けします

 年末,ひとまず仕事も片付けて旅行。飛行機に乗るのは幼い頃から好きで,大人になっても楽しみである。機体も時代とともに進化していって,ぼくが子どもの頃に乗っていたものとは全然違うんだろう。でも,もうわからない。
 そんな移動中の飛行機,スマホは機内モード,なんか書き残しておこうと思ったけど,離陸前からぐっすり眠ってしまって,着陸するまでずっと眠ったり起きたり。何もできなかった。前日に2:00まで飲んでいたのが原因なのは明白。でも,後悔なんかしていない。おともだちになった韓国人の男性は,彼女と合流して冬のキャンプに行くらしい。

 日が変わって,朝。もう昼前なんだけど。歯医者に行って虫歯がないことがわかって,一安心。次の予定に向かう電車の中はあたたかくて,また眠ってしまいそうだ。
 駅に向かって歩きながらいろいろと考えていた。他の人にはこの街はどんな色で見えているんだろうか。感じ方って人によって全然違うと思うんだ。どんなものに,どんな音に,どんなにおいに,どんな人に注目して歩いているんだろう。そして,なにを無視して生きているんだろう。
 実家の近くの踏切が新しくなっていた。家族はだれも気が付いていなかった。もう変わってから2週間ぐらい経つのに。あの時,踏切が変わったことに気がついた時,一緒に待っていた人たちの何人が変化に気がついていたのだろう。中には一生気がつかない人もいるんだろうな。
 子どもの頃は何もかもが新鮮で,変化が面白くって,気がつけたことが嬉しかった。大人は,自分の世界が大切で,今までの偏見で形成された世界に変化なんか求めてない感じがする。身近にある多くのものが目に入らなくなってるんだろうな。もちろんぼくもそんな大人の一員。自分だけが違うなんて思うなよ,みんな平等に面白くない大人だよ。

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