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1人で飲んで帰ってきてもあまり変わらず1人
仕事おわりの電車の中は,ほとんどが私と同じく仕事を終えて帰路につく人々だ。中には高校生も混じっている。こんな時間まで部活動や自習をして帰っていくのだろう。学校の教員はいつまで学校にいなくてはならないんだろうか。
電車の中を見渡してみることはあまりない。みんなたまたまそこに居合わせた他人で,この先会うこともそうない。会ったとしてもきっと気がつかない。強烈な印象でもない限りは。
私の退勤時刻は不安定だ。毎回同じ電車で帰るわけじゃない。だから余計,見知った顔などいない。電車の中ほど,日常生活の中で人口密度が高く,且つ知り合いがいない空間はない。そんな中は孤独とさして変わりない。たくさんの人がいる中で限りなく孤独。1人の時間を感じられるのだ。どうせ家に帰っても1人なのだけれど。
土曜日の夜や,仕事から早く帰ってこられた時には飲みに出かけることもある。それは,なんだか職場以外の人と話したいからだ。外に出れば誰かに会えると思っている。
外の世界にはいろんな人がいる。私のことなど誰も見ていないのはわかっている。しかし,私はあなたを見ている。そんな時もある。なんだか気になる人の1人や2人,外を歩いていればいるものだ。
さて,馴染みの居酒屋はそこそこ忙しそうだ。そうでない時もある。たいていは誰かがいる。それは知っている人の時もあれば知らない人の時もある。ただ,誰かがいる空間で酒を飲んでぼうっとしている時間を欲しているようなのである。
帰り道は酒が入って,判断力が劣っている。何か食べるものを,何か飲むものをついつい買ってしまう。自分の部屋に戻り,孤独を再確認する。それは,辛い気持ちであるのか,何か。思考力もなく,買ってきたものを口へ運び,眠る準備をするのだ。
朝が来る。頭がいたい。いたくない時もある。そこから30分は動き出さないのだ。