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夜の闇に飲まれないように

 暗くなる時間が早くなってきた。涼しくて過ごしやすい日が増えてきた。私だけだろうか。なんだか不安が大きくなる気がするだ。
 仕事が終わる時間,しっかり外は暗くなっている。東京の夜はどこでも明るいわけじゃない。少し西にいけば暗い。民家が,集合住宅がひしめき合い,数えきれないほどの人がいるのに,誰もいないかのように静かだ。改造されたエンジンの爆音が遠くから響き渡る。

 夜,涼しさは寒いくらいに感じられる。不安な知らせが入ってくる。一気に何もかもがうまくいかない心持ちになる。これが虫の知らせってやつだろうか。今夜やろうと思っていたこと,本を読んだり,勉強したり,何も手が付かない感じだ。
 そんな夜は早く寝るに限るのだ。早く寝て,明るい,温かい世界の到来まで,世界から離れるのだ。物事はいい方向に進んでいるとは限らないけれど,今よりは気分がよくなっている気がする。現代人の暗い感情なんて,その大半が暗いところでの活動時間が長すぎることだと思う。早起きして,どんどん明るくなる世界で,今晩読めなかった本を読むんだ。

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