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酒飲んで帰ってきてしんどいなと思いながら寝たら酒飲む夢見た

 まさか「砂ずりのガーリック炒め」がこんなにおろしニンニクまみれだなんて思わないじゃないか。私はもう口臭のことなんか諦めて,沖縄料理屋では島らっきょうを注文した。
 明日の予定は特にないけど,早起きできたら美術館にでも行こうかなと考えていたんだ。その日はいつもより早く職場から出られたから時間はたくさんあった。とりあえず1人で家にいるのは寂しいし,まだ見ぬ誰かと話せたらいいなと思って外に出てみた。30代男性がそんなこと考えている時点でかなり気持ち悪い。

 人材の紹介では,ひとまず年齢と性別が開示される。そして,経歴や人柄だろうか。人柄以外は固定化されたもの,どこでどう紹介されようと大差がない。経歴を見て相手が何を考えるかはまた別の話である。人柄なんてものは結局一緒に働いてみないとわからない。
 私が今の職場に紹介された時は,「30代男性」との情報がまず入ったらしい。正直経歴なんかはどうでも良かったんだろう。30歳だし,性別は男だから何も間違っていない。でも,市場に並ぶ商品みたいな紹介のされ方はあまり気持ちよくないな。「広島県産牡蠣」みたいな感じ。

 さて,私は高円寺に行くことなど当然のようにできず三条木屋町に向かっていた。電車ではずっと寝ていた。異常な眠気だったのだ。働いたものは皆眠たい。給与は少ないし拘束時間は長い。何の意味があるのかよくわからない作業に付き合わされるのは,労働者の常らしい。特に昔から続く職場は形骸化された意味のない作業が業務の多くを占めている。どうせ状況は変わらないし,誰も変えようともしない。意味のない作業による疲れは,変革の意欲を奪っていく。早く帰って寝ることが大切だ。
 高瀬川は運河と聞いているが,それにしては浅すぎる。荷を乗せた船など進めないだろう。それでも川沿いの桜は美しい。咲いていたらの話だけど。
 ハイネケンがオランダのビールだと知ったのは,ここ数年のこと。それまではずっとドイツのビールだと思っていた。ドイツの統治下だった青島のビール瓶がハイネケンとよく似ているのがその理由だ。お隣の国だし,それほど違いはないのだろうか。私としては,ビールが美味しく飲めたら今はそれでいい。
 斜向かいの大学生のような3人組は大きな声で恋愛に関して話しているようだった。その光景は羨ましいとしか思えない。きっとあの中の1人はこの日のことをずっと覚えて,他の2人はそのうち忘れてしまうんだろうな。私にもそんな日々があったのだろうか。はたちぐらいの時には,もしくはあったのかも知れない。別の世界線のお話。

 帰り道は乗り慣れた電車に乗る。もう10年以上前,この電車に初めて乗った時,私は何にも知らない人間だった。今も知らないことの方が多い。当時より少し知っていることが増えただけだ。
 眠りにつく前のことはあまり覚えていない。夢の中では既婚者の友達と,そこで出会った外国人旅行者2人と,4人で酒を飲んでいた。そして,尿意と地震で目が覚めた。口が気持ち悪い。

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