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近所にいい感じの喫茶店とバーがあるなんて普通じゃないよね

 今の地に引っ越してきてからそろそろ半年になる。別に全く知らない土地ではない。以前住んでいたところに近い。それでも,実際に住んでみると見えてくるものもある。
 近くには喫茶店がある。昔からあるようで,年配の常連さんがたくさんいる。営業時間も限られている。日曜日は休みだ。私は土曜日のモーニング,そこに行く。半年ほど住んで,やっと入れるようになったのだ。私の人見知りがなせる技である。
 近くにバーがある。看板はよく見かけていた。ハイネケンが置いてあることがよくわかるものだった。これこそなかなか入る勇気が出ないものだ。職場の人がそのバーを知っていた。別に入ったことはないらしい。私は行ってみた。よくあの扉を開けられたものである。

 どちらに行っても私はぼうっとしている。喋り出すと喋り過ぎてしまう私は,微笑んで座っている方がいい。微笑めているかはわからない。ただつまらなそうな顔で座っているように見えるかもしれない。私は空間を楽しんでいる。ただ時間を浪費しているみたいだ。
 人生は結構長い。そう思うと短い。パラドックス。贅沢に浪費していくのも悪くない。誰かがどこかで,私の代わりに,時間を切り詰めて意味のあることをしてくれている。

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