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やりたいことが見つからない人へ

皆さん、こんにちは。AKIRAです。

本日は、これまで私がどのような人生を歩んできたのかということについて書いていきたいと思います。

とは言っても、すべてを時系列順に書くのもキリがなく、まとまりがないなと思ったので、今回の記事は主に将来について悩んでいる学生さん向けに重要なことをかいつまんで作成しようかなと思います。

自分が何をしたいのかなんて、わかるわけがない

この世界にはいろんな方がいます。
多かれ少なかれ、自分の環境が特殊な人や普通の人とは違う人もいるでしょう。
そういう人たちは自らの人生観が周りに影響されてしまうのは仕方がありません。しかし、そもそも自分が何をしたいのかもわからないのに、自分の人生設計を考えることなんてできるわけがありません。

話は変わりますが、塾講師なんてやってると生徒からいろんな相談を受けることがあります。

「…先生。相談があるんですけど…」
「うん?どうした?」
「…進路のことです」

進路かー。
そうか……。

「俺、何がしたいのかわからないんです」
「将来のやりたい仕事がないってこと?」
「はい。それじゃあいけないって思って調べるんですけど、こう……いまいちピンと来なくて」

彼らはそう言うのです。
そして、しまいにはこんなことを言い出します。

「やりたいことがないっていうのは良くないことだとは思ってるんですけど……」

…まあ、そう考えてしまうのも仕方がないのかな、と思ってしまいます。むしろ、私からすれば「ちゃんと将来のことについて悩んでいて立派だなあ」というのが本音です。
この生徒の場合、すごくまじめな子で、しっかりと自分の将来を見据えたいという意思がみられるだけ、今の段階では十分合格点だと私は思うわけです。

彼は高々十数年程度しか自身の人生を生きていません。
その中から自分のやりたいことを見つけることは非常に困難です。

結局はきっかけにすぎない

「でも私は違った」「学生の時からの夢をかなえている」とおっしゃる人もおられるかもしれません。
しかし、今一度思い出してみてください。
それは本当に純粋にやりたいことだけの想いから続けている仕事でしょうか?副業でしょうか?

おそらく違うと思います。
人というものは、生きている過程で大事にするもの(者とも言えますし、モノともいえるでしょう)の内容は常に変わっていきます。自分のやりたいことがその時その時で違うことなんでザラにあることです。

私もそうです。
結局、私が研究者関連の仕事をしているのだって、「今まで学んできたことの中で一番力を入れてやってきたことがたまたまこの分野だっただけ」という単純な理由です。
そもそもそんなたいそうな理由などないのです。
ゆえに、私は自分の将来像をかたどるものは、単なる「きっかけ」にすぎないと考えています。

では、具体的に私が今の職業に就くに至った経緯についてお話させていただきます。

私が研究者になるまで

私が初めて科学というものに興味を持ったのは、中学生の時でした。
それまでは、弁護士や検事という職業に憧れていました。(その当時やってたゲームの影響です)

私はほかの教科に比べて理科が得意だったので、科学関連の仕事をしたいと漠然と考えていました。

そんな中、高校生になったときに、私は運命の人と出会います。それが、生物の先生でした。
その先生が担当している生物の教科は、全国模試の平均偏差値がすごく高く、教えるのもすごくうまかったのです。
生物がどうしてこの自然界で適応しているのか、ということを紐解くように語るその人の授業が、私を虜にしてしまったのです。

だから、その時に先生の仕事にも憧れていたのですが、その先生が「自分は化学ができない」と言って、私は衝撃を受けました。
なぜなら、科学の世界は、生物であれ物理であれ化学であれ、同じ科学という分野の中でつながっているものだと考えていたために、化学だけが無理なんてことがあるのか、と。

実際、先生は細胞内呼吸や光合成の化学反応式を書くときに四苦八苦されていたことを今でも覚えています。

ちょうどその時、その先生から、「君は生物だけでなく数学もできるからもっと上の大学も目指せるよ」と。
しかし、私はそんなに上を目指すことに意味を見出していなかったために、何となく「生物が好きだから生物関連の大学に行ってみたいです」と言葉を返しただけでした。

そして生物の世界にのめりこんでいるときに、その先生の語る遺伝子の世界にハマっていったのです。
単純な興味でした。
化学なしで、その先生がこれだけ語れる遺伝子の世界に、化学というツールを加えるとどれだけの未知の世界を見ることができるのか。

そうして、私は親の職業の関連で医学に個人的な興味があったので、生命科学という学問を修めることを決意したのです。
しかし、実際に大学で研究をし始めて、初めてその難しさや困難に挫折というものを覚えました。
正直、やめてしまおうと思ったことは一度や二度じゃありません。

私の場合、コロナ騒動が重なったことで、ワクチンに関する考え方が周りと合わず、孤立感を感じる中での研究生活でした。
でも、ここでやめてしまってはすべてがウソで終わってしまう。それは何よりもここまで自分を育ててくれた周りの大人の人たちに対する裏切りになってしまうと考え、歯を食いしばって耐え抜きました。

結果、今の職業に就いています。

でもこれらも「きっかけ」にすぎない

一見、サクセスストーリーのように見える人もいるかもしれません。
でも、そう思っているのなら、たぶんこの話の本質が見えていないかもしれません。

実際のところは、この話のどれもこれも、「きっかけの連続」にすぎないのです。

  • 私が理科や数学が得意だったこと

  • 高校の生物の先生がヤリ手の人だったこと

  • 親の仕事が医学に関することだったこと

  • 何よりも私が遺伝子に興味を持ったこと

すべてがきっかけでしかありません。
この程度のきっかけであれば、どんな人にも共通してあることだと思います。
私の場合は、これらすべてが一本につながったという化学反応が起こっただけにすぎない。

だから、結局自分に向いている、やりたいことなんてない

だからこそ、批判を覚悟で申し上げますと、
そもそも自分に向いている、やりたいことなんてのは幻想でしかないのです。

結局、私たち人間にできることは、日々の中で出会う人や出来事に関して、張れるだけのアンテナを張っておき、興味を持とうとする姿勢を崩さないことだけなのです。

できるかどうかは後にならないとわからない。やってみないとわからない。

今、進路で悩んでいる学生の諸君に言えることがあるとすれば、
今あるつながりを大事にしてください。今ある興味のあることを簡単に投げ出さないでください。

それが皆さんの思う「やりたいこと」につながれば幸いです。

以上になります。ご意見、ご感想等あればお聞かせください。
それでは。

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