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ドイツの季節に寄り添う料理の楽しみ

ドイツでも30度を超える暑い日が続いています。湿度が低いので過ごしやすくはありますが、やっぱり暑い!そんな日々でも自転車に乗ってせっせとマーケットに足を運び、おいしいものがないか探しまわっています。私のマーケット愛については先日書いたのよかったら。

地元のマーケットは、まさに季節の移り変わりを反映する場所で、今の時期は、露地栽培のトマトやナス、ズッキーニが所狭しと並び、その色鮮やかさに心が踊ります。本当に躍り出しそうなくらい 😁

この時期に近郊の農家が栽培して販売しているビーフステーキトマトは肉肉しさに惚れ込んで毎年毎週買いに行くほど。夏の食卓を彩る定番食材です。今年は去年初めて買ってユニークな形に感動したチャイニーズ・ヌードルビーンズも毎週のように買っています。

とりあえず毎食のように切って出すビーフステーキトマト

ドイツのおもしろいところは、定番野菜はある程度どの季節でもスーパーマーケットで手に入りますが、例えば、春先にどのお店にも並んだアスパラガスは、シーズンを過ぎるとすっかり姿を消します。ルバーブも。冬のイチゴもほとんど見かけません。かぼちゃなど、あるにはあるものの、季節外れだと結構なお値段だったり、地球の裏側から運ばれてきたものだったり。

季節によって食材の入手が限られることは、最初は少し不便に感じました。でも、これもまたドイツの食文化の魅力の一つだと思うようになりました。アスパラガスやルバーブの収穫時期が決まっているのは、一説では、多年草は翌年にむけて株を休ませてあげるためだとか。環境先進国ドイツ的でいいなと思います。

あとは、合理主義も背景にあって、これもとてもドイツ的。「Praktisch!」(実利的、実用的!)の国ですから。冬は日照量がものすごく少なく、気温がかなり下がるので、それならば無理して作らずお休みしよう。南欧から輸入しようということなのでしょう。ただ、輸入するとなるととことんするようで、輸入野菜はアフリカ、アジア、南米など遠くから来ていて変な感じがします・・・という話はまた改めて。

旬の食材を使った料理は、季節感を楽しむだけでなく、体にも優しいものです。例えば、夏には体を冷やす作用のあるトマトなどの食材が自然と手に入り、冬には体を温める根菜などの野菜が揃います。季節感に寄り添った食生活を送ることは、自然と心地よいリズムを取り戻す助けになっていて、私はとても居心地がよいです。

ドイツでは、お医者さんの予約が取りにくく、電車が頻繁に遅れます。宅急便を投げているのも目撃しました 😅 日本のスムーズやていねいさに慣れているとびっくりするかもしれません。でも、みんなが適当にストレスを負担しあって、一ヶ所に過剰にストレスがかからないのかもしれません。多少の不便が日常にあることで、急ぎすぎず、自然のリズムに合わせた暮らしを送ることができる・・・のかな?

ちょっと外れてしまいました。ドイツでの生活を通じて、季節に寄り添う食材選びや料理が、ただの食事以上の意味を持っていることに改めて気づかされます。それは、小さい頃に母や祖母が教えてくれた自然のサイクルと調和しながら暮らすことの喜びを思い出させてくれるものです。

大好きな祖母とキッチンにて。食と料理の原体験。

便利なのももちろんいいんですけどね。私は不便さも楽しみながら自然とともに生きるドイツの暮らしが性にあっています。

暑い日が続きますが、夏野菜をもりもり食べて元気に過ごしましょう!🍅

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