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ワンダフルプリキュア 最終話へ

 ワンダフルプリキュアも、物語の終焉に向かい、今回のシリーズでは敵という設定では無いのですが、対抗するグループの最後を描いていきました。
 まず、その対抗してきたグループの説明をさせていただきます。グループの長は、今回の設定の場であるアニマルタウン周辺にいた狼の群れの頭領であるガオウです。かつて率いていた狼の群れが、人間により絶滅させられたことを憎み、人間の世界を破壊しようと暗躍してきました。動物たちの悪性を増幅させ、ガウガウという暴れる怪獣としてしまう不思議な力がある宝玉を持っており、これまでのエピソードでは、この変化前の動物の特性を持ったガウガウを、プリキュアが防御のみの特殊能力で抑え込み、良い存在として転生させていくという展開でした。このガオウの仲間には、メスの狼であるザクロとオスの狼であるトラメが居ました。この二人は、ガオウに魂を呼び戻され、遠吠神社の狼像に入って復活したキャラクターです。尚、ザクロは、恋する乙女で、ガオウのことが大好きな設定になっております。一方、トラメは、活発な悪戯好きな少年で、おもしろいことが大好きというキャラクターでした。この二人のキャラクターとプリキュアは、直接対決する姿勢は描かれず、時には、身の上話も出てくる程でした。この描かれ方は、それまでの20作を超えるプリキュアと一線を画するものでした。その点で、私は、おやじでありながら物語の展開に注目して来ました。
 トラメの最後は、44話と45話の2話構成で描かれました。話の中では、プリキュアが関わった18歳の老犬が、その誕生日パーティーの日に体調が悪化したところに、トラメがティラノサウルスのガオガオを登場させました。ここで驚きが、現存の動物でなく、ティラノザウルスの登場です。ティラノザウルスを知らない女の子もいるんじゃないのかな? この強力なティラノサウルスのガオガオに苦戦するプリキュアたちでしたが、先の老犬を飼い主のおばあさんが病院に連れていこうとする行動の中で、悪遊びの元凶であるトラメが、ティラノザウルスの動きを止る命令を下し、その間にガオガオーンを元の姿に戻すことも出来、更に、老犬もおばあさんのひざ上で最期を迎えることが出来ました。老犬ではありますが、死を描いた点で、これまでのプリキュアの中でも特出されるエピソードであると思っています。この話に続く45話では、先のティラノザウルスのガルガルを最後に、ガルガル化されてしまう元がすべて転生されてしまい途方に暮れるトラメは、狼の遠吠えを発し、寂しさの表現が描かれています。これに反応したプリキュアたちとトラメは、追いかけっこで遊び出すというストーリー展開です。いっしょに追いかけっこを楽しむ中、トラメは仲間のオオカミたちと駆けまわっていた頃を思い出しました。「もう友達でしょ」と語るプリキュアに対し、心からの笑顔を浮かべたトラメは、自分にも、ガルガルを転生させるための技であるエターナルキズナシャワーを浴びせてほしいと頼み、これを浴びたトラメは消えてしまいました。後には遠吠神社に元の狛犬が残されました。私としては、友達と遊びたいと切望していたトラメは、その思いが達成されたことで、転生の選択肢を取ったものだと理解しました。
 残ったザクロは、プリキュアに感化され、人間社会の破壊を行い、失われた狼の仲間の無念を晴らしたいガオウに対し、「その目的が達成されても、仲間は帰ってこない」と諫めました。これに対し、ガオウは、目的は、「破壊により、失われた仲間の恨みを晴らすのみ」と、これを突っぱね最後の破壊行為に多くの狼の化身を呼び出す様子です。ザクロは、ガオウに心酔していることから、破壊が悪いことであるという良心を持ちつつ、ガオウに従ってしまいます。
 さて、最終話まで残すところ3話程度と見られますが、最終話へ向けてのガオウ勢力の収束の方向性と、犬と猫が人間化して活躍している2人のプリキュアがどうなってしまうか? 非常に興味があります。人間のプリキュアであれば、普通の人に帰るだけで良いのですが、人間化した犬と猫が元にもどると、話が出来なくなってしまう分けで、悲しさが残ってしまう気がします。どう描くのでしょうか・・・・・


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