能登半島地震のデータ解析から分かる発生状況と今後の予測
2024年元旦から大変な災害が発生してしまいました。
犠牲者の皆様のご冥福を祈るとともに、被害を受けた方への早期の支援が行き届くことをお祈り申し上げます。
今回、能登半島地震の状況を解析するためにデータをまとめてみました。
1.年末から発災までの地震発生状況
まず、周辺領域の12月30日から1月4日の地震発生状況を示します。データは、防災科学技術研究所高感度地震観測網(防災科研Hi-net)Hi-net自動処理震源リストを使用させて頂き、地震発生領域北緯36度から39度、東経136度から139度の領域でまとめています。
能登半島では数年前から地震が多発している状況でしたが、年末30日からの推移では、やはり今回の巨大地震が突如発生した状況であることが分かります。
次に、発生直前状況の時間を細かく見てみます。
先の時系列データから、発生の前後8時間程度の間を拡大しました。また、ここでは時系列を分かりやすくするために、それぞれの地震を折れ線で結んで表示しています。
それによると、マグニチュード7の本震が発生する2分前から、マグニチュード5.6、4.8及び3.7の地震が立て続けに発生し、本震発生に至ったことが分かりました。本震発生後は、1分間に数回の継続的な地震が数時間発生している状況で、現地の皆様は落ち着けない状況に陥っていることが理解されます。
さて、今回の能登半島地震では、専門家によると、120㎞の断層が動いたとされていますが、その状況を把握するために、震源をマップに落としてみました。まず、12月30日から本震発生直後1月1日16時10分までのマップです。
地震の発生は、能登半島先端部で集中的に発生していることが分かります。
2.発災当日の地震発生状況
その後、16時10分から16時28分までを表示すると、
半島内部に震源が広がっていることが分かります。この段階で、能登半島全体で地震が発生していることが分かります。
さらにその後、16時28分から17時までの間では、
海を渡り、佐渡にまで震源域が伸びて行っていることが分かります。その状況は、その後1日17時から2日0時までのマップを見てみます。
更に明確となり、1日深夜には、能登半島から佐渡までの一帯に震源域が広がったことが分かります。
3.1月2日以降の地震発生推移は心配でした。
次に、2日から4日の発生状況をマップにしてみました。
震源地データの地図マッピング(1月2日から4日まで:データは防災科学技術研究所高感度地震観測網(防災科研Hi-net)Hi-net自動処理震源リストを使用)
震源域は、石川県、富山県、新潟県まで広がり、至る所で地震が発生していることが分かります。
震源地データが詳細に集まられてきた体制になってからこれだけ巨大な断層が動いたことは無いはずで、察するに今後なにが起こるか分かっていないのではないかと推察されます。私が危惧するのは、佐渡での更なる地震の発生です。
巨大地震発生から8日が経過して、一見、地震の発生は沈静化しつつあるように思えていましたが、9日17:59に佐渡付近でマグニチュード6.2の地震が発生しました。
4.能登半島地震は2月入りして鎮静化していると予測
2月に入り、徐々に地震の発生状況は落ち着いて生きていますが、2月4日時点でも216回の発生で、まだまだ、完全に落ち着いているとは言えない状況です。その状況を下に示します。
矢印を入れさせていただいていますが、1月9日、1月18日及び1月27日頃に発生する地震のマグニチュードが段階的に下がってきている様子が伺えます。段階的に落ち着いてきている様に思います。
さて、地震の発生場所はどうなっているのでしょうか? 下記にマップに落とした図面を示します。
震源域は、直線状で能登半島から佐渡まで及んでおり、非常に大きな断層が活動している様が読み取れます。
これはあくまでの過去の1995年阪神淡路大震災、2004年中越地震、2016年熊本震災等の発生状況の解析の経験からですが、巨大地震の発生後に余震でよりい規模の小さな地震が頻発し、蓄積されたエネルギーが頻発する地震で解放されて行けば、巨大地震発生は回避出来るのではないかと思います。一方、マグニチュード5程度は発生することは覚悟しなければならないとも思います。
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