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東京エレクトロン 2024年1Q業績動向

 下記既報の様に、2024年5月10日に開示された2023年の決算では、前期比17%の減収で、売上高は1.83兆円で、純利益もトップラインが減少したことから、前期比23%減3,640億円で着地しています。この結果、営業利益率も前期に「VISION25」の目標を達成した28%から大きく後退し、24.9%の結果となっていました。一方、今期2025年3月期に関しては、生成AI(人工知能)向けを中心に半導体製造装置の販売が回復するという期待から、売上高は20%増の2兆2000億円、営業利益は28%増の5820億円を見込む見解を出していました。

 この度、2024年8月8日に発表された2024年1Qの業績報告からは、4~6月の1Qの売り上げが、5551億円を記録し、これは前期の1~3月の売り上げ5472億円をわずかに上回っています。通常のオペレーションでは、年度の始まりでは、売り上げが低迷する場面も多くみられますが、今期は、前期末の売り上げを上回った形で推移しており、このまま好調を維持していくことが期待されます。また、営業利益率も29.9%を達成しており、前期より大きく改善傾向を示しています。通期の見込みも2兆2000億円から2兆3000億円への情報修正を行っています。営業利益も5820億円から上積みされ6270億円が報告されています。何れも史上最高を記録した2023年を超えることを宣言した形です。以下に述べていきますが、半導体業界も成長軌道に入り、中国の引き続きの投資意欲に加え、DRAM市場の復活から、2025年3月期の東京エレクトロンの売り上げは、今回の見直し後の数字もクリアできるのではないかと期待します。

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