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元号のこと・・・

 役所から書類が届いたので開けてみると「令和7年」と付されていた。
公文書だから、元号を使うのかな。と思って調べてみたら、

近年までの公文書は昭和27年の「公用文作成の要領」に従っていたらしい。
 その後、令和4年の文化審議会の建議を受けて、内閣官房長官が各大臣に「「公用文作成の考え方」の周知について」を通知した。 
今は、これが公文書作成の基礎になっている。
 通達じゃないので法的根拠はちょっと弱い。

そのためか、都道府県や市町村の公文書の年号表記はいろいろ。
 某県では、原則として『和暦を先に表記し、西暦を併記するものとする』となっているし、別の県の某市では、『公文書の年の表記については、原則として元号を用いるものとする。ただし、西暦による表記を適当と認める場合は、西暦を併記するものとする』としている。
結局、年号の表記はいろいろあるみたいだ。

 個人的に年号を書く場合は、分かり易さを重視し「西暦(和暦)」と書くようにしてる。 もちろん、元号や和暦を軽視するものではない。


元号か、年号か

深く考える事もなく「年号」を使っていたけど、「元号」とは違う。

 「日本書紀」によると、西暦645年の大化の改新の時に、「大化」という元号を用いたのが、元号の始まりらしい。
 「元号」の起源は7世紀頃の中国。なんて情報もあったので、それをパクったのかどうか。わからん。
 そもそも「大化」と言っても、それが「元号」と認識してたかどうか。「大化」の後、しばらく「元号」がなかったようだ。
  その後、701年に「大宝」という元号が付けられたタイミングで、大宝律令の中で、公文書に元号を付けること、と定めたらしい。
ので、以降、元号を付けてきたらしいが・・・よくわからん。

  ともあれ、元号を『慶応』から『明治』へと改めた明治維新の頃、元号の付け方を「一世一元制度」とした。一世一元制度とは、『天皇一代につき、ひとつの元号を使う』というもの。シンプルで分かり易い。
 これ(一世一代制度)は、明治時代は明治憲法に基づく皇室典範で定められていた。 当時の皇室典範は、皇室に関する制度・構成等について規定したものだが、法律と同程度と言いつつも、家訓のような形で効力を持っていたらしい(某資料によると、明治憲法と同程度らしいが)。

 ただし、戦後の1947年(昭和22年)に皇室典範の改変の際に、一世一元制度の事項が廃止され根拠を失ってしまう。当時は、国民主権の理念にふさわしくないという理屈だったそうだ。

 そして、昭和54年(1979年)に元号法が制定されて解決し、法的根拠があきらかになって、現在に至っている。
元号法では、次のように定められている。

   1 元号は、政令で定める。
   2 元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。

  年号には、和暦も西暦もある。
けど、元号は和暦。一世一代で定められる。・・・そうだっだか。

一年の区切り

 ともかくも、大昔の日本には、そもそも「年」という期間を定める概念があったのか、どうか。
たぶんだけど、日本には「季節」という気候変動があったので、「年」なんてなくても良かったのかも知れない。 
 「七つ目の夏を迎える」とか、「十五の春」とか、言っていれば、こと足りそう。 どうなんだろう。

 そもそも、当時、十進法は、どれほど広まっていたのか。
十進法は、ヒトの両手の指の数に由来するそうだから、割と世界共通だったのだろうけど、大化の改新とか、大宝律令の頃にも十進法を使ってたんだろうか。
 干支は12あるし、方位は4の倍数だし・・・

 「年」という区切りは、季節の移り変わりの一巡を現わし、一年を「四季」と呼ぶようになったのか。 
四季なんていうと「起承転結」のようで、馴染み易かったんだろうか。 
・・・わからん。あれもこれも疑問だらけ。

年号の数え方

 元号は、日本固有のもので、ちょっと文化的な香りがして、雅な感じ。
行政文書は、国内向けのものが多いので、和暦(元号)でいいか。

 でも、分かり易さというか、汎用性という意味では、西暦は必須。
和暦の後ろに西暦を併記してくれると嬉しい。
まぁ、ディファクトスタンダートの問題かも。

 でも、元号をまたぐ論文や報告書類、エッセイなんか読むときは、やっぱり和暦で書いてあると面倒。 一つひとつ西暦に変換して読んでないと、何年前の事を言ってるのか、わからなくなってしまう。
いや、私だって計算すれば分かるけど、スマホやiPadを頼ってしまう。

 算定方法が難しいわけじゃない。「①西暦に変換して算定する」か、「②令和部分と、平成部分に分けて算定する」だけ。
ちなみに、年号と西暦の関係は、つぎのとおり。

  明治年号数ー33+1900=西暦年号
  大正年号数+11+1900=西暦年号
  昭和年号数+25+1900=西暦年号
  平成年号数ー12+2000=西暦年号 or   平成年号数+88+1900
  令和年号数+18+2000=西暦年号

  やっぱり、無粋かも知れないけど、西暦と和暦は併記して欲しいな。

大化の改新の頃に「西暦」が伝わっていたら・・・なんて。

                          (敬称略)

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