【洋楽】Duran Duran/DANCE MACABRE
2022年に行ったハロウィーンコンサートがきっかけで作成された通算16枚目のアルバムです。今作では盟友Nile Rogersだけでなく、Andy Taylor、Warren Cuccurullo、そして今絶好調のManeskinからVictoria De Angelisも参加というゴージャスなメンツです。
国内盤は同時リリースされないようなので輸入盤を買うしかないですが、すぐに届かないのでまずはストリーミング・ダウンロードで聴きました。
内容はハロウィーンにぴったりな曲をバンド自身が認めているダークな一面から取り出した、とのこと。新曲3曲、カバー6.5曲、セルフカバー3.5曲です。
3.5とか6.5の意味は後述します(^^)
カバーアルバムといえばリリース当時世の批評家に酷評された「Thank You」があります。あの時もセルフカバーをしていました。Drive Byですね。元歌は名作「Rio」に含まれる「The Chauffeur」。Drive Byはこのうたのイントロみたいなもので、Simonの喋りで始まりThe Chauffeurの曲がつながっていくもので、不思議な、不安にさせるような、ダークな一曲でした。映画Hollywood Highでも使われていましたね。
曲紹介
曲順ではなく構成別に紹介しますのでちょっと混乱させたらごめんなさい。以下個人バイアスバリバリですがまあ参考になれば。
新曲
新作は収録曲2、6、13です。すでに6、2の順でストリーミングやYoutubeなどで流れていたので聴いているかたも多いでしょう。6 Dance Macabreは思っていたよりポップな感じでギターもちょっと物足りない感じでしたが、Warrenカラーが濃い仕上がりでした。Meddazalandの頃のような感じ。
2 Black MoonlightはNile RodgersとAndyのギターにNickのキーボードを被せ、Johnのベースでのせてくれる実に彼ら「らしい」曲です。
そして13はまあぜひ聴いてください。こんないい曲聴いたの久しぶりかもしれません。毎回スケールの大きな曲、バラードを出してくれますが、これは実によいです。アルバム、ハロウィーンの締めくくりには最高です。
セルフカバー
少し順番がバラバラになってますが、次はセルフカバーです。1のNightboatは1作目(!)からで、元々あやしいというかなんだか怖いビデオがあったので雰囲気にはピッタリ。今回のリメイクではより荘厳で分厚い音、Simonの感情の入ったヴォーカルがハマってます。とはいえ個人的にはあの頃アナログシンセサイザーの音をちゃんと入れているNickに感謝です。
3のLove Voudouは90年代の大ヒット作「Wedding Album」からです。これ、数少ないライブでもたまたま2回ほど聴いたことがあって、バンドのお気に入りなんだと思います。歌い方や曲調が少し変わっていますね。オリジナルと聴き比べをすると面白いです。少しファンキーな感じが増していますね。
次は7のSecret Oktober 31st。元は3作目「Seven And The Ragged Tiger」からのシングル「Union of the snake」のB面の曲です。ちゃんとハロウィーンに合わせてタイトルを10月31日にしているところもシャレが効いてます。ハリーポッターの映画のような出だし、ゾクゾクしました。そして中盤から後半にかけて歌い上げているところはオリジナルを超えているかも。最後の音作りはまたしてもハリーポッター調で締めます。これはライブで聴いたことがないから聴いてみたいなぁ。
最後に10が0.5の理由になります。これ、「Rio」の中でも名作と言われている「Lonely in your nightmare」とリックジェームズの「Superfreak」のマッシュアップなんですね。出だし、なんだLonely〜のセルフカバーか、まあ普通かな、と思っていたら途中からぶっ込んできます。一瞬M .C.Hammerも頭をよぎりましたが、本家のカバーです。Girls on filmに始まり、Girl PanicとかGirlsに囲まれるような曲を今までいっぱい出してきた彼らにはぴったりな曲ですね。最近のライブでよく演奏していたのですがまさか録音して出してくれるとは思いませんでした。Superfreakといえばあの強烈な髪型、ルックスでインパクト抜群なビデオに目を奪われがちですが曲が何よりもいいんですよね。カバーのような、セルフカバーのような、いい一曲です。
カバー曲
そしていよいよ他アーチストの曲のカバーになります。4はBilly Eilishの「Bury α friend」。この曲をカバーすると聞いた時はピンと来なかったのですが、じっくり聞くとなかなか良いです。いい曲は年上年下関係なくリスペクトして取り入れる、素晴らしいですね。ベースを響かせて始まり、Simonがどうしてくれるのと懇願するように歌い始め、コーラスに突入、音も声も不思議な、ちょっと古いですが、80年代初期のJAPANの曲のようなぼやけた音になったり、とても楽しんで作ったのじゃないか、と思います。
そして5はセローンのSupernature。これ元歌知っていても誰が歌っていたのかまでは知らなかったので改めて聞き直してみました。元歌もなかなかですよ、これ。時代を感じますが、リメイクした曲はその感じをしっかりキープしつつ進化させていると思います。人の曲だけどDuranサウンドでまとめてます。ディスコサウンドはいいですね、中高生の頃の80’sに戻った感じです。Simonのヴォーカルはしっとり歌い上げ系ですが、こう言うR&B系なかなか似合いますね。
8はSpecialsの「Ghost Town」。実にハロウィーンにぴったりな曲ですね。怖いような楽しいような、コーラス、リズム、ホーンが実にいい味を出してます。オリジナルもいい味出してます。
9は言わずと知れたThe Rolling Stonesの「Paint it black」。SimonとMickのヴォーカルを比べるわけにはいきませんが、ねちっこい感じとか少し芝居がかったSimonらしい歌い方で良いですね。他にも色々な人、バンドがこれをカバーしていますが、彼らがStonesをカバーしてくれたことに私はすごく勇気がいることだったと思うし、感謝しています。
11はSiouxsie and the Banshees の「Spellbound」。めっちゃかっこいい。疾走感溢れる出だし。どんな仕上がりになるかな、と思ってましたがこれはいい!80's育ちには文句なしのロックな一曲です。ウォウ・ウォウ・ウォウ🎵がいい。
12はTalking Headsの「Psycho Killer」です。VictoriaがJohnと一緒にダブルベースで参加。出だしからベースが引っ張っていい感じ。セカンドバースの出だしの喋りかけるようなところとか、Simonのヴォーカルもすごくよくハマってます。この曲はアルバムリリース直前最後の先行リリースで、先述の参加ミュージシャン、選曲などアルバムの中でも話題性の高い曲ですが、何より完成度が高いと思います。こちらはビデオも作成されてます。切り裂きジャックを思わせる怪しい雰囲気の内容が曲にピッタリ。ループで流れる不思議なビデオですが、できればストーリー仕立てでもっとみてみたかった!
収録曲
Nightboat
Black Moonlight
Love Voudou
Bury A Friend
Supernature
Danse Macabre
Secret Oktober 31st
Ghost Town
Paint It Black
Super Lonely Freak
Spellbound
Psycho Killer (feat. Victoria De Angelis)
Confession In The Afterlife
おすすめ度:★★★★★(アルバムの完成度はカバーやハロウィーン企画などを超えてますます。必聴!)
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