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2025#002【AmazonPrime】オッペンハイマー

上映時に行くことができず、Amazon Primeで見ることができると知り、この年末年始に鑑賞しました。上映時間はなんと2時間59分。それって3時間ですよね?覚悟してみましたが、映画館ではちょっとお尻が辛かったかも。でもそれは単に3時間も座りっぱなしでいることができないだけで、内容はとても良かったです。

クリストファー・ノーラン監督作品と聞いて、歴代映画の難解さ(TENETなんて!という人も多いでしょう)を思い出した方はぜひみてほしいです。ちなみに私は毎回ノーラン監督にしてやられて、大ファンです。単なる伝記も彼が手がけるとこんなに面白いんですから。


キリアン!

主演はノーラン・ファミリー、キリアンマーフィー。バットマンでボロ布を被り、薬を撒いていた怪人を演じていた彼です。(ちょっと古いかな?)

年配の役がどこまでできるのか心配でしたが何の何の、全く問題ありませんでした。映画の中ではメイクの効果もあるのでしょうけど、実にうまく本当のオッペンハイマー博士のように年を取ってます。

私の勝手な想像、受け止めですが、具体的に量子力学、原子力爆弾とは何か、具体的な理論を多くの方は知らないと思うので、そこをわからせるようにする事と、主人公オッペンハイマーの悩み、心の中が伝わるように、と何かイメージのような画像が多く挿入されます。もうサブリミナル寸前です。

ロバート・ダウニー・Jr!

もう一人の主人公といえるでしょう。白黒とカラーで、時代を行ったり来たりしながら、オッペンハイマーの苦悩、彼を貶めたルイス・ストローズ。曲者役を実に見事に演じてます。時々この人は本当に意地悪でクセの強い人なんじゃないか、と思ってしまいます。

史実

ソ連のスパイをイギリスから来た人がやっていたという話が後半に出てきます。これ結構有名な話で、以前読んだケン・フォレットの「凍てつく世界」でもうまく小説の中で取り込んで触れられていました。

原作

この映画を見て原作を読みたくなりました。なんと文庫で上・中・下の3分冊という大作!ちょっとコストも読む力もかかりそうですが、今年読んでみたい本に加えておくことにしました。

原作の表紙。これをみて、映画の主役の顔はどうでしょう?
実にうまく雰囲気を出していると思いませんか?

日本では不評?

ちょっとセンシティブな話になりますが、本作が公開された時、原爆というテーマはやはり難しかったのかもしれません。加えて、バービーの映画のポスターと本作の背景である爆発を重ね合わせた画像などがネットででまわり、その利用が原爆で亡くなった方や被爆者に対する冒涜だというものです。その利用が云々やそれにまつわるいざこざは興味がないのでここでは掘り下げません。

じゃあ映画自体はどうなのか、というと私はこの映画を見て、少なくとも日本に対する揶揄などは感じませんでした。それどころか、2つの原爆を投下したことで亡くなった方の数、そこにとどまらずソ連との核開発競争ととてつもないものをこの世に送り出してしまった後悔を彼が感じていること。これをみたら、製作者の意図は伝わると思うし、アメリカで製作したことを考慮しても結構踏み込んだ内容だと思います。

ところでこの第二次世界大戦以降のソ連との競争に関しては、数十年前に大学で学んだ法理学の講座で詳しく深く学んだことを思い出しました。あの時の教科書とノート、まだどこかに眠っているかな?

重たいテーマだけに本作品は評価が分かれるかもしれませんが、俳優陣の演技、編集、音楽、トータルの作品としての出来栄え、映画としての評価をぜひ見て皆さんに下して欲しいと思います。

おすすめ度:★★★★☆(4.5 若干大人な内容があり、お子様にはダメですが、教養のある大人なら見て大丈夫だと思います)

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Ordinary Life
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