今年も新しい授業をつくります(2020)
(facebook 2020.1.12 の投稿を元に加筆)
昨年末に投稿した記事が思いのほか読まれていてちょっと驚いています。デザイン教育に関心ある方、けっこう多いのでしょうか。
まだ少し先ですが、春からの授業に向けてこれからひとつ新しいプログラムをデザインしていきます。詳細はこれから詰めていきますがまずは先出しで。facebookのTLに投稿したところ、わりと反響があったのでこちらでも紹介してみます。
▶ABSの「青山アクション・ラーニング」
4月から青山学院大学ビジネススクール(ABS)で授業を担当することになりました(非常勤講師)。1月11日の夜に青山キャンパスで来年度のプログラムの説明会が行なわれ、参加して授業内容について説明しました。三連休初日の夜にも関わらず、社会人学生を含むたくさんの大学院生が教室に集まり、各プログラムの説明に熱心に耳を傾けていました。(ちなみに必修の科目ではないそうです。)
ABSには「青山アクション・ラーニング」という経営理論とビジネス実践を結びつける体験的学習プログラムがあり、ABSの特色のひとつになっています。
▶ビジネススクールで「サービスデザイン」
今回担当するのは、青山アクション・ラーニングの中の「マーケティング・プランニング・プロジェクト(MPP)」という科目です。この科目で、2020年度前期にABSの黒岩 健一郎教授とふたりでサービスデザインのプログラムを開講することになりました。昨年、黒岩先生のマーケティングの授業枠で鉛筆デッサンの演習を担当したり、毎月の勉強会(輪読会)に参加させていただいたりしているご縁があります。
▶テーマは「健康経営」
半年の授業では、クライアント企業として 株式会社ティップネス(TIPNESS)様にご参画いただき、「健康経営」をテーマに新たなサービスの創出を目指します。「ティップネス」の既存事業のマーケティングを考えるのではなく、リソースを活用して新たなサービス事業を考え提案することがゴールです。ビジネススクールですので、当然、実現のための事業プランも求められます。
受講生は、フルタイムコース(昼間)とフレックスタイムコース(職業経験3年以上,夜間と土曜)、両コースの大学院生を対象に、15名程度の定員を予定しています(夜間開講,15週)。(ABSの大学院生限定です)
▶マーケティング×デザイン
マーケティングのプロ(黒岩先生)とデザインのプロ(吉橋)が組んで、「サービスデザイン」をビジネススクールで教えるという贅沢なプログラムです(おそらく日本初🤭)。ビジネススクールですので、UX、DX、事業プラン、マーケティング、ブランディングなどなど「全部入り」です。めちゃくちゃ楽しみです。
▶︎ビジネススクールとデザイン
多摩大学大学院では、10年以上前から紺野登教授によるデザイン思考の授業がありますし、STRAMDやその他の大学院でもデザイン思考を教えるところは増えてきています。
最近では、グロービスのデザインマネジメントやの授業が話題になったり、大学院至善館ではすでに「サービスデザイン」の授業があるそうです。ビジネススクールとデザインの関係が深まりつつあります。いい流れになってきました。
まだ授業が始まってすらいないのですが、野望としては、受講生の中から「サービスデザイナー」や「ビジネスデザイナー」が出て欲しいという気持ちもあります。講座の目標には特に明記はしていませんが、優秀なABSの大学院生なら可能性はあるんじゃないかと思っています。
この先、「デザイン」がきちんと学べるビジネススクールが増えていけば、そこからサービスデザイナーやビジネスデザイナーが一定数輩出できるようになると思います。キャリア・チェンジを目的にビジネススクールに来る人は多いので、現職にこだわらずに、他と差別化でき将来性がある魅力的な仕事だと思ってもらえれば可能性はけっこうありそうです。ビジネススクールを出たひとなら、クリエイティブを掲げるコンサルティングファームに進む選択肢もふつうにありますね。(先日見学させていただいた某社など。)
サービスデザイナーやビジネスデザイナーの人材育成については、デザイン教育の現状や諸条件を考えると、デザインスクールでビジネスを教えることよりも、ビジネススクールでデザインを教える方が効率が良く、人材育成としては筋がいいような気がしています。