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思考したものを自由に書いています。 旅行記が多いですが…

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最近の記事

【バルセロナ】セレブリティは身に余った1

 バルセロナの街は、新しいものだけでなく古くても建物が整然と並んでいて、パリよりも合理的な印象を受けた。ガウディが曲線を欲したのは、もしかしたらこの反動かもしれない。 TGVの1級客室から華麗に降り立ち、繊細な装飾のあるバルコニーを持つ美しいホテルに向かうタクシーの窓からの景色を見てそんな事を思った。  この時、私たちにはパトロンがいた。 パトロンと言うと「パパ活」を連想してしまうが、特に対価は要求されなかった。 その人は、我々の旅に同行したい、と言うのみだった。  

    • 自分の境界線と死生観

       2007年に生まれた人の半数は107歳までいきるそうだ。 半分の人ということは、他の長く生きる人は何歳まで生きるのだろう。 さらに知性を機械にアップロードすることで人の不老不死を目指す研究もあるそうだ。 もう人はなかなか死なないようだ。ダイハードだ。 そうなると、死生観は今のままではなくなるんじゃないかと思う。肉体がなかなか死なないから別の基準が生死の判断になる。 そして、私はそれは自分と他の境界線の厚さなんじゃないかなと思う。 生命活動を停止すると、肉体は徐々に

      • コピーロボット=アバター

         Facebookが社名を変更し、仮想空間の運営サービス会社になった。 この仮想空間メタバースでは、自分のキャラクターを現実の自身の動きで操作し、他のユーザーと交流するんだそうだ。  映画マトリックスのような仮想空間で生きる時代がくるのか… と、初めは思ったが、よくよく考えてみるとこのメタバースは今のままではあんまり便利じゃない気がした。 仮想のキャラクターはできるが、結局私の体は一つだからだ。  仕事や交流をするのにモーションキャプチャでは動きすぎて疲れてしまうの

        • 手遅れかも?

           私は、いわゆる就職氷河期世代だ。  バブル崩壊前は子供だったので好景気をよく知らず、バブル崩壊後は日に日に暗く影を持っていく大人たちの後ろ姿を見ていた。  中学生の頃、朝礼にて、全校生徒の前で校長先生が言った言葉を今でも覚えている。 「今は少し景気が悪いが、君たちが卒業する頃には、強い日本は好景気を取り戻しているだろう。」 この後、10年景気は下がり続けた。 それを知らない当時の私でもこの言葉に強い違和感を感じた。  その学校は窓ガラスが割れている市立中学だった

          産後と、米軍入隊はおんなじ

           一人目の産後、私はノイローゼになった。  誰かと会いたいとか何かをしたいという欲望は持てず、知的な活動もなく、ただ乳飲児の機嫌を損ねないようにビクビク生きるのみだった。  もし過去に戻ってやり直せたとしても、あの時はどうしてもそうなるだろうなと、今でも思う。なぜなら、自我を失くして他人のマインドコントロール下に落ちる過程を"ちゃんと"踏んでいるからだ。  まず、睡眠不足だ。 子供は3時間ごとに起きるので世話がいる。子供と同じように寝れば良いと書いてあったりするが、子

          産後と、米軍入隊はおんなじ

          【フランス】モン・サン・ミシェル2

           モン・サン・ミシェル1はこちら  島は京都の清水寺と似ている印象だった。 修道院までの参道の坂道にお土産屋さんがひしめいていて、眺めの良い中腹には観光客用の名物レストランが並んでいた。 清水寺では緩やかな坂だが、この参道はかなりの急角度であった。息を切らしながら登った。  上部にある修道院は荘厳で落ち着きがあった。暗い室内に漏れる光の陰影が美しかったが、何より良かったのは最上部に近いテラスだった。 どこまでも続く海原を遠くまで望め、心地よい潮風を感じられた。 ゴ

          【フランス】モン・サン・ミシェル2

          【フランス】モン・サン・ミシェル1

           大学1年のある時、女子4人で3週間パリに滞在した。友人がフランス語学部で、その大学からの情報で宿などの滞在費を安くできたからだ。  その時はまだユーロではなく、フランを使っていた。物価が安く、パリのビストロでも、定食(メイン、デザート)を800円で食べられた。それから10年後にまたパリを訪れたが、同じメニューが2000円した。  パリの外に足を伸ばす日もあり、ある日はモン・サン・ミシェルを訪れる事とした。今では有名な観光スポットだが、当時はパリで予約できるツアーに日本語

          【フランス】モン・サン・ミシェル1

          【ローマ】馴染めてないよ

           ローマ旅行では地下鉄ばかり乗った。 パリやロンドンではバスも利用したのだが、ローマではバス停で待っても来ないような気がしたからだ。  ヨーロッパの地下鉄は総じて暗いと思う。改札や切符売り場でも暗く、洞穴に入っていく気分になる。 ヨーロッパの地下鉄で、もう一つ印象深いのが、かなりの人が無賃乗車してる事だ。柵を乗り越えたり、両側の改札機に手をのせてゲートバーをひょいと飛び越えたり… 普通に見える人がやっているのをよく見た。そして、駅員も誰も何も言わない。地下鉄に犯罪が集

          【ローマ】馴染めてないよ

          種類は増えるようだ

           発達障害と診断される人が急増しているそうだ。社会的に認知が進んだからだそうだが、今は10人に1人がそうらしい。 私はこの話を聞く度に、「アリの30%は働かない」という話を思い出す。 アリは現在働いているアリが何らかの原因で働けなくなった時のために、30%の働かないアリを待機させている、と言う話だ。 これは無意識下で人間にも当てはまるという。 様々な事態でも誰かが生き残れるよう人間の行動特性は多様にあって、また、状況が変わった時に個人のその特性も変化するのじゃないか。

          種類は増えるようだ

          女性こそ技術を身につけねばならぬ

           2019年の日本の人口を男女別にみると,男性が6146万人,女性が6486万人で,女性が240万人多い。 女性の方が長寿なので、自ずと人口は女性が多くなる。 単純に考えると、長寿で長く働ける女性にスキルがある方が国は稼げるのでは無いかと、私は思う。 というか、スキルの無い人間が国の人口の多くを占めるのには、資源のない日本では問題だと思う。 女性は出来るだけスキルをつけなくてはいけない。男性のお世話力では無く、稼げるスキルを。 しかし、現状はどうであろうか?  私

          女性こそ技術を身につけねばならぬ

          弱そうだとやられる

          ※ストーカーの話が嫌なかたは読まない方が良いです。  私には、男性恐怖症の時期があった。 何があったかというと… 例えば、自転車のサドルに精子をかけられたり、駅の改札で電子カードをピッした手を見知らぬ男性に掴まれ無言でどこかに連れて行こうとされたり、ストーキングに気付いて走って逃げたら回り込んだフルフェイスヘルメットの男に、公園(自宅の帰り道にあった)のフェンスに押さえつけられたり、した。 大声出すなどして全部逃げられたが。  サドル精子は友人も同じ被害に合ったので

          弱そうだとやられる

          【ドイツ】ロマンティック街道はRPG

           中世の雰囲気をそのまま残すロマンティック街道の街はロールプレイングゲームの世界だった。 ローテンブルクやネルトリンゲンなど城壁に囲まれた小さな街を訪れ、アウクスブルクのような大きな街を経て、最後に美しく壮大なノイシュバンシュタイン城に辿り着く。 街々で仲間を集めて、有力者に強力な装備を貰って、魔王城に乗り込むヤツだ。  街は可愛らしく、魔法が使えたり妖精が出てくるんじゃないかと思えたし、ノイシュバンシュタイン城の外観は王道のお城だが、中は普通の洋室だけで無く、洞窟のよ

          【ドイツ】ロマンティック街道はRPG

          【セブ島】ビーチリゾートの開放感

           ダイビング体験がリーズナブルにできると、学生時分に、フィリピンのセブ島に仲の良い女子4人組で訪れた。 滞在したのは、ダイビングや講習の設備のあるリゾートで日本人のインストラクターもいた。そして、優しい価格だったので、同じような年頃のグループが沢山いた。  滞在したリゾートの海はいわゆる白砂ビーチのエメラルドグリーンではなく、ベージュの砂で黒っぽい岩場の多い"磯感"があったが、ダイビングは初めてだったし熱帯魚が色々見れて楽しかった。他にもバナナボートに乗ったりして満喫した

          【セブ島】ビーチリゾートの開放感

          【ミラノ】最後の晩餐

           あまりに有名なダ・ヴィンチの"最後の晩餐"はミラノの片隅の小さな修道院の壁にある。あんな有名な絵がこんな所にあるのかと驚いた程、質素でこじんまりした建物だった。  予約しないと見られなかったのだが、修道院前で日本人の団体ツアーに声をかけたら、幸運にも余っている人分を譲っていただけた。 修道院は中も質素で何の変哲も無かった。誘導されるがままに暗い部屋に入ると、その壁画はあっさりとあった。  普通の部屋の壁紙のように当たり前に壁にあの絵があったのだが、ただ、めちゃくちゃ傷

          【ミラノ】最後の晩餐

          【マドリード】ゲルニカ

           当時のガイドブックには、マドリードは日中でも首締め強盗などが横行して、非常に治安が悪いとあった。 実際、夜に着く便で行った友人は、ホテルまで後をつけられたらしい。また、マドリードに着く前に訪れたセビリヤで出会った女性は、マドリードで脅され金品を請求されたと言っていた。(その時何も持っておらず盗られなかったらしいが。) 私は震え上がった。 が、マドリードでは絶対に見たいものがあり、ソフィア王妃芸術センターにどうしても行きたかった。 ピカソのゲルニカがあるのだ。  駅

          【マドリード】ゲルニカ

          【ウルル】登るとこじゃないな

           オーストラリアの真ん中にあるエアーズロック、現地の言葉でウルルに登った。 今では禁止されていて登山できないらしいが、当時は、現地ツアー(ウルル地域の観光には現地ツアーへの加入が必須だった)の行程にあった。死者が出てるので登ってほしくないと言う看板が立っていたが。  ウルルは、遠くから見るとゴツゴツしているようだが、近くで見ると案外ツルツルしていて、立つとかなり滑った。 そして、台形の上辺に到達するまではなかなかの傾斜だった。約40度らしい。なのに、命綱の鎖が所々にしか

          【ウルル】登るとこじゃないな