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フォトグラファーとしての武器

拠点が愛知に変わり、新たな仕事を作ろうと必死に動いています。その中で見えてきたことがあります。

自分の武器を一言でいうと「機動力」なんだなと気づく出来事がありました。

事故からもう1年以上経ちましたが、まだまだ仕事が足りない状況です。正直、仕事に関してはずっとピンチ状態です。。。自分にとっては高校時代までの繋がりしかない愛知で新たな仕事の繋がりを作っていくのは簡単ではありません。なんとか仕事作ろうと、必死に営業活動をしています。

当然ですが、なかなかうまく行くものではありませんよね。すぐに結果が出るほど甘いものではない。それでもやるしかない。

そんな中でとあるディレクターの方にご挨拶するチャンスを頂きました。オフィスに伺い、なんとか仕事につなげるために必死にプレゼンをします。

ディレクターさんも色々と質問してくださいます。
「君はどんなタイプのフォトグラファーなの?」
「何が得意なの?」

正直、自分にとっては答えにくい質問です。
自分言うのもなんですが、、、色んなジャンルの写真をちゃんとしっかり撮れるし、対応力もあると思っています。その部分にはそれなりに自信があります。でも逆に言うと尖った何かがあるわけではない。特化したものがあるわけではない。

「モデル撮影が一番得意です。」「物撮りなら負けません。」
みたいに言えればわかりやすいですし、キャッチーで仕事も頼みやすいですよね。でも自分の場合は言葉にすると「対応力があります。」「ライティングも得意です。」となってしまいます。それだと、撮影の様子がイメージしづらく、どうしても弱い印象になってしまいます。以前の日記でも書いていたのですが、そういう部分が自分はどうしても不利だなとずっと思っています。

なんとか言い伝え方はないか・・・?
そう思っていた時に、次の質問がきました。

「一言で言うと、何が武器なの?」

その質問に、とても困りました。言葉につまりました。
頭をフル回転させていたと思います。でもこれだ!と思えるものはすぐには出てきませんでした。

苦し紛れに出てきた言葉は

「機動力です。」

でした。ほとんど無意識でした。追い込まれて絞り出したという感じです。言った後に、「あぁ、微妙だな。印象に残りづらいだろうな。。。」と思っていました。

しかし、ディレクターさんは
「機動力か。なるほど、そうだね。この幅の広さ、対応力は本当にちゃんとした経験値がないと撮れない写真だと思う。機動力、いいね。」
と言って下さいました。

その言葉がすごく、すごく嬉しかったです。

事故以降、思うように戻っていかない体。なかなか増えない仕事。色んなことに焦りを感じています。ずっと心細く、辛い日々を過ごしています。本当に仕事を作れるのかという不安。もしかして、自分は必要とされていないのではないか?そんなことまで思ってしまうこともよくあります。

でも頂いた言葉で、自分を認めてもらえた気がしました。本当に嬉しかったというか、救われました。

更に嬉しいというか、すごくありがたい展開が続きます。
ディレクターさんが「うちの会社より、更に合う会社があると思うよ。」と言って、その場で電話をかけ始めました。更に合うと言っていた会社のディレクターさんに電話をかけてその場でアポを取ってくださったんです。

そして、「この後そちらに行ってもらうから、よろしく!」といって電話を終えてしまいました。

こちらとしては
「え!?!?良いですか!?本当に良いんですか!?」
となり、びっくりです。感謝の気持ちでいっぱいです。

何度も感謝を伝えてその場を後にしました。
紹介して頂いた会社に向かいつつ、改めて「機動力」という言葉の意味を検索します。

機動力~
状況に応じて積極的に行動できる能力や、必要な場所にすみやかに出動・移動してすぐに活動できる能力

そう。単にフットワークが軽く行動力があるっていう意味だけじゃないんです。状況にうまく対応して結果を出す能力、その結果を出すために素早く行動できる能力があるという意味なんです。

改めて腑に落ちました。
私のフォトグラファーとしての武器は「機動力」だと強く思いました。

撮影に例えたら、
相手のニーズや求めていることをしっかりと把握すること。
その目標に向かう為に弊害となる部分もしっかりと認識し、柔軟に対応していけること。
より満足してもらえるように積極的に提案しながら撮影を進められること。
そういった動きをうまくできるだけの経験を積んできているということ。
それが自分の武器だなと思います。

野球のバッターに例えるなら、私は特大場外ホームランを打てるタイプではない。でも、どんな球が来ても確実に打ち返してヒットにして出塁する力があるってことなんだなと思います。

ずっと自分の武器は何か、それを周りの人にうまく伝えるにはどうしたらいいかとずっと悩んできましたが、少し光が見えてくる出来事となりました。

これからは「自分の最大の武器は機動力です。」と胸を張ってプレゼンしていこうと思います。それに気づけたのはとても大きい手です。

そして何より、初対面の私に新たな人を紹介してくださったりと、良くしてくださる人と出会えたことがありがたいです。しかも、今回お会いしたディレクターさんだけではなく、実はそういった紹介をしてくださる人に何人も出会うことがこの2,3ヶ月できています。

本当に、本当にありがたいです。

大きなマイナスから再スタートしている自分にとって、これだけ優しくしくしてくれたこと、応援して頂けたことはめちゃめちゃ大きいです。

まだまだ厳しい状況は続くとは思いますし、模索して行かなければいけない部分は沢山ありますが、この出来事を励みにこれからも頑張っていこうと思います。


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前島聡夫/空飛ぶ写真家
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