見てくれている ~第36話 パラグライダーで墜落 そして入院~
墜落してから2ヶ月と20日程が経った日の出来事です。
もうちょっとすれば入院して3ヶ月になってしまいます。入院生活にもかなりなれてきました。
↑でも綴っているのですが、私の入院しているリハビリ病棟で治療をしている人の多くは高齢の方です。みんなリハビリをしながら治療をしている人たちです。それなのに、、悲しい現実がそこにはありました。
「頑張ってリハビリをして、また元の生活に戻るんだ」といった意思をリハビリする姿から感じられる人はほんの一握りしかいません。60人いる病棟で、自主的なリハビリまでしている人は2,3人くらいです。あとの多くの人はみんな受け身で、惰性でリハビリを受けているような感じに私には見えました。そして、、中にはリハビリをしたくないと拒否する人まで。。。。
人間というものは齢をとると、目標や生きるエネルギーといったものがどんどんなくなってしまうものなのでしょうか。。。
治療しようという気持ちすら失ってしまうものなでしょうか。。。
その現実に寂しさや悲しさを感じてしまいました。。。
そんな環境でも自分がやるべき事をやっていくしかありません。周りを気にせず、リハビリに励むしかありません。心のすみでは「私がリハビリを頑張る姿を見て触発される人が一人でもいてくれればいいな」なんて思ったりもしてはいましたが、期待なんてまったくできないなと考えていました。
ただただ、「周りは周り、自分は自分」と思ってリハビリに励む日々です。
痛く辛いリハビリ。声が出てしまうくらいに痛いストレッチやマッサージをしてくる療法士さんに「痛すぎ!そしてなげぇのよ!!」なんてツッコミを入れて、お互いに笑う。ちょっとでも楽になればと、そんな工夫したりしていました。そんな感じで2ヶ月以上、病院生活を続けているわけです。
自分と周りに温度差を感じて寂しく思う入院生活。
そんな中でとても嬉しいことがありました。
私が夕方、自主トレで院内を歩いている時に、数少ない自主トレをよくしているおばあちゃんに声をかけられたんです。なんでも退院日が決まったそうで、その挨拶で声をかけてくれたとのことでした。
その時に添えられた言葉がすごく嬉しかった。
「あなたがとても頑張っている姿を見てきた。痛く苦しいマッサージに耐えながらも、それを笑いに変えるような返答を療法士さんにしている所をみて、凄いな、強いなって思ってた。こちらも勇気づけられた。」と。
そんな中でこういう言葉をかけてくれたことがすごく嬉しかったし、とても救われました。
周りに見てくれている人はちゃんといるんだと感じました。
改めて、
頑張っていこう。
しっかり前に進んでいこう。
そう思うことができました。
入院生活はつづく。。。