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花火あるいは恋人の定義
花火が好きというより、花火を見に行こうと約束をする瞬間のほうが好きだ。
花火を見終わって人々は、夏の葬列のように知らない道を引きずり歩く。
爆音で咲く花火のあとで、より身体はカラになって、冷たい下駄の音だけが、からからと鳴り響く。
写ルンですとかもそうだ。着物を撮り、花火を撮り、関係を撮る使い捨てのフィルムカメラ。
現像された写真を手に入れるより、どんなふうに写っているのかと想像し胸が高揚
『Which do u like bitter』
ファミレスでフォンダン・ショコラ食べてたら、甘いのとしょっぱいの交互に食べるのが好きな人は飽き性らしいよって隣に座ってたカップルが話してた。
「えー、俺は甘いものは最後に食べたい派〜。」
誰かにLINEを返しながら彼氏が言った。
「来週の日曜空けといてくれた?」
ハンバーグ食べながら彼女が言った。
「え?あー。なんだっけ。つか多分友達と会う約束してるわ。何?」
「…映画。わたしの好きな
『サイテーの飲み会がしたい』
手に入りますか。手に入りません。光りかがやくものばかり見つめているせいで、すでに手に入れたものたちにはライトが当たらず、靴の下でへこんで死んでいるのです。
とおくのお星さまに向かって手を伸ばしても絶対手に入らないことは知っているのに、どうして私は欲しがるのでしょう。美しい男。長いまつ毛。アンニュイで挑発的な瞳。ほんのり笑みの浮かぶ愛らしい口元。自然で可憐な愛嬌。人を疑わないこころ。
とどきそう