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愛してポーポー
僕は根がネガティブな人間なので時間があるとどうしても良くないことばかり考えてしまいます。
原因は自己肯定力の低さでしょうか。
まぁ育ち方とか色々ありますからどうしてそうなったのかは置いておいて。
これでもだいぶマシになったのですよ。
昔は本当に酷くて、躁鬱病だったこともあります。
鬱がしばらく続いて何もやる気が起きず、どうやって死のうかと考えていると突然躁転し、今度は全てが異常なまでに活動的になりました。
それはそれで良いかと思うかもしれませんが良くないのです。非常に攻撃的になってしまって人間関係が破綻するなんてことも少なからずありましたから。
そんなこんなで一時期は心療内科に通う日々。
薬を飲んでもその時は良いのですが結局は変わりません。
たまたまその頃つきあいのあった鬱の友人が薬に依存してどんどん悪化する様を見ていたので、薬に依存してはいけないと、他のものに依存したわけです。
様々なものに依存しました。
しかし生きているものに依存してしまってはいけないということに気づきました。
生きているものは死にます。
死なずとも去っていきます。
考えが変わります。
依存している人間はそれを裏切られたという風に勝手に思い違うのです。
そして辿り着いたのが、カレーに依存するということ。
カレーは良いですよ。基本的に死んだもので構成されていますから、そこからさらに死んだり考えが変わったり去っていくことはありません。
カレーは最初から最後までカレーでしかないのです。
カレー屋さんは人ですから、裏切ることもあるかもしれません。
しかし、カレー自体が裏切るということはないのです。
カレーを食べるだけではなく、筋トレをするというのも良いです。
これは筋トレに依存するということではなく、思考をリセットするのに役立ちます。
最初に書いたとおり、時間ができるとずーっといらぬことばかり考えてしまう性質なので、何も考えないようにする為に筋トレするのです。
例えばベンチプレスで100kgあげようとすると、100㎏のバーベルを持ち上げることだけに集中しないと危険です。
さらにいかに大胸筋に効かせるかを意識しながらあげるので、こうなってくるといらぬことを考えるスキも暇も無くなるのです。
筋トレで思考をリセットし、カレーを食べてテンションを上げる。
これです。
筋トレではアドレナリンやエンドルフィンが分泌され、カレーを食べればセロトニンが分泌されます。
薬物より確実にキマるわけです。
今でこそこのような対処法を身に着けたわけですが、そこに至るまでには色々なことを試していました。
例えば読書。
これもその本の世界に入っている時は他の色々を忘れることができるので良いです。
僕が酷い鬱だった時、読んでいて思わず笑ってしまった本があります。
それが冒頭の写真。
これはジャッキー・チェンの自伝(という体でゴーストライターが書いた)「愛してポーポー」のジャケ写真です。
ジャッキー・チェンといえば言わずと知れたカンフーアクションスター。
しかしジャッキーの生い立ちは暗いものなのです。
言い方悪いですが親に売り飛ばされたようなもの。
売り飛ばされた先が京劇の学校でした。
そこで幼い頃から軍隊レベルのシゴキに合うわけです。
朝5時に起きて夜11時に寝るまで、地獄のシゴキが毎日続き、身に着けた技術で京劇を演じるわけですが、そこでもらえるものはわずかばかり。
そんな苦難の幼少期を過ごしたジャッキーですが、ここまでくるとポジティブにならざるを得なかったのでしょう。
バカが付く程のバカポジティブなのです。
どんなにつらいことがあっても「でも楽しかったな」って。
それに笑ってしまったのです。
そんなわけないだろうと。
それはそれで病気だろうと。
世界が違いすぎて参考にもならないのですが、思わず笑ってしまったことによって少しだけ力が抜けたような気がしました。
世の中、ポジティブであるということが良いとされ、ネガティブは良くないされることが多いです。
この本を読むまでは、ネガティブな僕からしたらポジティブな人間は失敗したことが少ないだけで、たまたま人生うまくいってるだけのバカだと思っていました。
ジャッキーはどうでしょう。
はっきり言ってバカですw
しかし、バカを極めてとんでもない人物になり、多くの人に力を与えることができるようになったのです。
バカポジティブの凄まじさを学びました。そして、ジャッキーのバカポジティブは壮絶なまでに暗くてつらい幼少期を過ごしたことによって生み出されたものだということにも色々と考えさせられたわけです。
ステイホーム週間。
何もすることがなくて余計なことを考えてしまいそうになった僕は、久しぶりに愛してポーポーを読みました。
またもや笑ってしまいました。
美味しいカレーを食べたくても好きなお店に食べに行けない。
ジムで筋トレしたくでもジムに行けない。
そんな中でまた僕を笑わせてくれたのがジャッキーだったのです。
愛してポーポー。
暴暴茶を飲みたくて仕方ありません。