病名を告げられて
21歳の夏の終わり、北海道旅行から帰ってすぐのこと、当時弟が入院していた病院へ父とお見舞いに行くことに。実は見舞いは口実で私を診察させるためだった。
弟の病気は「進行性筋ジストロフィー」、医師から遺伝性の病気なので兄弟がいれば確実に発病するはずと言われた父が、そのまま私に言ったら行かないだろうと思い画策したのだ。確かに言われたら断っただろう、なぜなら私には自覚症状がなかったからだ。
しかし医師からの話を聞き、すぐに自覚することになるとは思いもしなかった。「子供の頃から走るのが遅くなかった?」、「足が痙攣したり痛みが出ることはなかった?」などと問われ、身に覚えのある私は、その時は病院に行っても原因不明と言われたが、これにあったことを初めて知り愕然とした。病名も知らなかった私に医師は「この病気は筋肉が萎縮し、死に至る、30歳くらいまでには歩けなくなる。」と告げられた。当時(約40年前)は病気の原因も、もちろん治療法もわからなかった。
時間が経つにつれ、将来の自分が見えなくなって行く、どんどん暗くなっていった。
~この日から筋ジストロフィーとの闘いが始まったのです。
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