「才能」をベースにしたエンジニア組織(8名)のチームビルディング
株式会社bajjiの多田と申します。
最近社内でチームビルディングを行い、いろいろな発見があったのでシェアします。少数、リモート、エンジニア組織のチーム作りに課題を感じている方になにか参考になれば嬉しいです。
前提-私たちの組織について
本記事執筆時点での弊社の組織体制は、CEO、ビジネス1名(私)、エンジニア6名の計8名。2つの自社プロダクトのほか、受託開発プロジェクトも複数抱えている状況です。 私の役割は、自社プロダクト1つをメインにリードし、その他のプロジェクトについてはUXUIや広報観点で必要時に関わっていく立場です。 基本的にはリモートワークで、自宅とオフィスが近い私とエンジニア1名はたまに出社するというスタイルです。
社内に対して私が感じていた課題
コロナ禍でリモートワークが始まって以降、私は以下の課題を感じていました。
オンラインミーティングでは画面オフ、マイクオフが基本で、みんながなにを考えているのかがわからない。
手が空いている人にタスクが割り振られ、個人が「やりたい」と手をあげる場面がない。
たまにリアルで集まっても深い話をするきっかけがなく、みんなの仕事に対するモチベーションがわからない。
そして時々上記の話題を持ち出しても、「エンジニアだから」「職人気質だから」で済まされることが多くありました。(CEOも技術出身のため、あえて分類すると”エンジニアタイプ”です)
私は唯一エンジニアではないため、上記を「課題」として捉えているのは私だけかと思い、しばらく「エンジニアは”そういう人たち”なら今の状況は仕方ないのかな」と、会社の雰囲気に合わせる悶々とした日々が続きました。
しかしどれだけ自分を納得させようとしても違和感が残りました。
バックグラウンドも様々な人間を「エンジニアだからこういう性格」と一括りにできるわけがないと思っていました。今の雰囲気に流されている人や、本来の自分を発揮できていない人も必ずいるはずです。環境の力は大きいですし。
そこで、「エンジニアだからこう」ではなく「Aさんだからこう」を知るために、二つのことを行いました。
1. 一人ひとりの好きなことを知る-「好きなこと会議」
1つ目は、みんなが好きなことを語る「好きなこと会議」です。みんなが昔からまたは今でも好きでやっていること、時間があればついやってしまうことを楽しく話してもらいます。
なぜこんなことをしたかというと、「今は、手が空いている人がアサインされ淡々と業務をこなすという状況だが、本当は向き不向きがあるのではないか?」「今Aさんがやっている仕事は、もしかするとBさんのほうが向いているのではないか?」といった仮説のもと、個々人の才能を発掘したかったためです。
「好きなこと、ついやってしまうこと」を突き詰めていくと、仕事の場面で活かせる「才能」が見つかります。
実際の会議の雰囲気はこんな感じで、Zoomでつなぎながらmiroに集まります。↓
普段、自己開示をしないみんなの緊張を和らげるためにどうしたらいいだろう?と考えた結果、社内ではイカゲームを観たことがある人が多かったのでその素材を活用することにしました。
まず招待状を受け取るシーンから始まり、この会議の主旨の説明、そしてこれをやればチームで楽しく働けるというゴールイメージをもってもらいます。(よくわからない人、すみません。実際、自分で進めながら自分しかウケてませんでした)
その後のチェックインで、今の気分について説明してもらったのが左下のゾーン。そして右下に、事前に準備してもらっていた「好きなこと」を自由に貼ってもらいました。
貼った内容をもとに一人一人が話している間、枯れ枝を賑わせるように、質問やメモを付箋で貼っていきます。(なぜかここはイカゲームじゃない)
結果としては、お互いの知らない一面を知ることができてとても良い場になりました。
「好きなことを最低5個準備してきて」という無茶振りだったのに、A4数枚にまとめてくれた人や、趣旨を理解して自分のトリセツまで作ってくれた人もいました。「いやー楽しかった」という感想ももらいました。語彙力がなくてもどかしいですが、本当にやってよかったです。
ただ、リモートかつ限られた時間では、個々人の好きなことを深ぼって才能を見つけることが難しく感じました。
どうしようかと考えていたとき、自分自身も数年前にやったことがある「ストレングスファインダー」の存在を思い出し、次はそれに取り組むことに決めました。社長に頼み込んでトップダウンで全員にやってもらい、私以外にもストレングスファインダーが好きなメンバーが一人いたので協力してもらって集計を進めました。
2. 一人ひとりの才能を知る-「ストレングスファインダー」
まず、これも本当にやってよかったです。ストレングスファインダーのレポートに沿ってそれぞれ自分の特徴について話してもらったのですが、全員、レポートどおりです。「好きなこと会議」で話した「好きなこと」とも関連していたことも嬉しい発見でした。
そして、自分について話した後は、他者からコメントをもらったり、「ぶっちゃけ直してほしいところ」について言い合いました。
これはレポートの結果=資質(強み、才能)をベースに話すので、わりと本音で言い合うことができたように感じます。34の資質どれもが才能であり、強みであり、みんなそれらに基づいた言動をしています。「直してほしい」と言う人も、言われる人も、お互いの才能が発揮されているだけ。これは直すというより活かし合い、補い合うものです。それがわかったうえでコメントし合える状況を作れたのはとても良かったです。
そしてやはり、「エンジニアだから」と決めつけてしまうのはもったいないと改めて認識することができました。
ビジネスメンバーよりもコミュニケーションやプレゼンが得意な人もいました。徹夜したことは一切言わないが、お客様のために徹夜で開発して一人でめちゃくちゃ達成感を感じている人もいました。社長の無茶振りを素直に楽しんでいる人もいました。全く主張しないが、心の内に大きな野望を秘めている人もいました。
これまで、こうした一人ひとりの才能をお互い知りませんでした。
社長だから。エンジニアだから。男だから。女だから。こういう学歴だから。キャリアだから。そうではなく、一人ひとりを見るべきですよね。
なぜもっと早くやらなかったのか。
チームビルディングのために雑談を重視しているチームもあるかと思いますが、もし(性格上)あまり話さないためにお互いのことをよく知れないチームの場合は、ぜひこういったツールに頼ってみてほしいです。
ちなみに私のTOP10はこんな感じで、このnoteに書いてあるまんまの結果だなという感想です。
2つの会議を経てどうなったか
まず、忙しい中、私だけの課題感から始まった会議に協力してくれたみんなに本当に感謝しています。「自己分析なんてしたことなかった」という方が数名おり、そんな方々にとってはこれらに時間を割くのは気持ち的に大変だったと思います。
2つの会議を経ての変化としては、数日前にやったばかりなのでまだ目立った変化はありませんが、私自身の中では大きな変化があり、メンバーとのコミュニケーションにもその影響がにじみ出ています。(自分比)
この次は、「みんなの夢、やりたいこと」を語る会議をやる予定です。
みんなの好きなことを知って、才能を知って、やりたいことを知る。みんなのやりたいことと、会社のパーパスや目指す方向と重なる部分について語り合い、それぞれの強みを活かしてチームとしての推進力を高めていく。
もちろん、こういう取り組みが得意ではない人もいるので、その気持ちも尊重する。
そんなふうにお互いを活かし合って、世の中に価値を発揮していきたいと思っています。
「みんなの夢、やりたいこと」を語る会議についてと、その後なにが変わったかについては、後日またnoteにまとめたいと思います。お楽しみに〜!
↓社長がこちらのnoteで今回のストレングスファインダー会についての感想を書いていますので、よかったら併せてご覧ください。
↓後日談も書きました(21.12.29更新)
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