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レンタカーでいいじゃない、まずはさ。

古賀章成です。自動車開発テストドライバーという仕事をしています。独立してからは、レンタカーの世界の人々と一緒に仕事をしてきました。そもそも、自分が独立しようと思ったきっかけが、「今の時代、クルマは買わなくても借りることができる、しかもかなり色々選べる!」という時代の変化が大きなきっかけでした。ナンバーのひらがなが わ が、レンタカーです。

ちっちゃいホンダの軽自動車から(これはこれでパワフル)、
メルセデスのSクラスまで、気分やシーンに応じて選べる時代が来ている!

余談ですが、運転する人の数は年々減っているのです。恐ろしいスピードで。(人口も自動車運転取得率も減少傾向。本人確認書類はマイナンバーでいいやん、と。)つまり、クルマを運転したいなと思う人を増やさないことには、クルマを作ってもしょうがないと言う詰みの未来が待ってるやん、と思ってるのです。ぼくは。

まぁその、自動運転が実用化される頃には、マイカーを選んだり、レンタカーやカーシェアにしたって用途やシーンで気に入ったのを選んだりする楽しみ(手間?)もなくなって、必要な荷物と人を、必要な場所まで運ぶ車両が常にシェアされるイメージでしょうから、尚更、個人の自動車の購買意欲って、どんどんなくなっていくと思うんですよね。それでいいならいいんですけど、

1.自動運転が今の人間が運転する環境で混走して人間以上のパフォーマンスを出せること
2.それが10年以内(できれば5年以内)に実現すること
3.そしてせいぜい車両本体価格が500万円以内で収まること

と言う無理難題は、5年では実現しないかなと思ってます。自動運転専用道路が整備されたら行けると思うけど、地方に再び住み始めてわかるのは、そんなの道路環境的にもはすぐには無理やなと思うわけ。

値段にしても、今のプリウスからアルファード、クラウンあたり、を買える人の水準を高めの一つの基準としたときに、それ以上になるともう誰も手も足も出ないというか、買いたくてもクルマ買えませんってなると思うんですよね。

自動車の開発の現場にいて、正直びっくりしました。毎年100万円ずつくらいお値段プラスされても良さそうな装備がてんこ盛りで新型車リリースされるのに、大抵はお値段据え置き! しかし、自動運転に関しては搭載するカメラもレーダーもそれらを統合して走らせるコンピューターも万が一それらが機能を失った時のフェールセーフまで考えると、今のクルマに200-300万円くらい上乗せしも足らないくらいなんじゃないかなと思ってます。完全に個人の感想ですが。で、その200-300万円を払う人たちが、どれくらい出てくるかな?というのもシンプルに興味があります。となると、シェアが当然となってきて、マイカーという概念がなくなっていくのか、それともそれでもパーソナルな空間として価値を見出すものになりうるのか。ユーザー或いは自動車メーカーはどちらを願い、どちらを手にしたいと思うのか。こればかりは出てくるまでわからないのかもしれないけれど。触れたことのないものの良し悪しを考えることくらい不毛なことはないといいえばそうである。

期間についてうと、育児も介護も何か大切な出来事は今起こっていて、今、できることをいつか来るかもしれない(来ないかもしれない)自動運転に期待して過ごしてしまったら、後悔する日が来るかもしれないことをぼくは何度も目にしてきたから、余計なお世話ですが、出来るようになってそのモヤモヤを一気きに得意技にしてしまえばいいのに、と思ってしまっています。
ずっとこの余計なお世話の心の落とし所をどうしたらいいのかと考えてしましたが、オールマイトが「余計なお世話は、ヒーローの本質だ」と言ってくれたので、そう思うことにしています。これは、余計なお世話です!

さて本題に戻ると、クルマが運転できるようになっていいことがあるとしたら、それは結構シンプルで、

誰にも邪魔されずに、自分の好きな時間に好きなところへ、好きなだけ行ってもいいし、閉じこもってじっとしててもいい。

ってところだと思うんですよね。「自分」を、「大切な人」とか、「家族」に置き換えてもいいと思います。

それをまずは試してみないとこの嬉しさはなかなか体感できないと言うこともぼくは知っています。そこで、

レンタカーを借りてみよう!

イチオシのタントファンクロスターボ

と言うのが今日の話です。カーシェアでもいいですが、まずはお店で操作方法など説明してくれるレンタカーから初めてみるのがいいかなと思います。
(けどぼくのお客さんたちは、練習してクルマ乗れるようになったらすぐカーシェア使ってる人も多いから、案外行けるのかも。)

レンタカーの会社に何社かお世話になっていて、色々特色はありますけれど、やっぱりレンタカーはちゃんと整備してあって、都度の清掃や点検がなされていて、安心感があるなと思います。ますはそういったクルマで慣れていくのがいいのかなと。

高いモデルでも、¥20000/day くらいでしょうか。軽自動車だったら¥8000/day かな。 例えば200万円のクルマを買おうと思ったら、高い方を100回借りれる計算になりますからね。点検整備車検、全部お任せ。もうどっちが安いのかわからなくなります。 

ただ、面白いのは、レンタカーやカーシェアにもだんだん好みが出てきて、「次も乗るならこれ!」「もしも買うならこれ!」って言うのが見えてくるみたいです。元々別の分野で好みがある人は、例えばダンスやってたとか、音楽やってた、服が好き、インテリアが好き、何らかの学問が好き、など色々あるけれど、そういうその人の眼を通してクルマという複雑なプロダクトを見たときに、

これはしっくりくる/こない

っていうのが見えてくるみたいです。

イタリアのクルマはいかがかな?

おとといまでクルマなんて何でもよかった人が、「買うならぜったコレの、色はコレで、エンジンはこっち」とか言い出す。これは本当に、自分でもこの活動をしていて最終的にはこの心理の推移までを分析しなければいけないのだろうけれど、今は目の前にいる

クルマがあれば自分の願いがかうから何とかしてほしいと連絡してくる人達
に、最短2日、かかっても3日で公道に出てぼくの手を離れても上手になり続ける方法を一人一人オーダーメイドで考えて開発してお渡しする

ということをやるので精一杯。この記事を書いている2023年5月現在、少し余裕が出てきて、これまでの活動を振り返ってこれから挑戦する人たちにとってもっと敷居が低くて効果が高いものにリファインするべく頑張ってるんですが、そんな感じです。

まずは、レンタカー、借りてみてどっか行ってみませんか。レンタカー屋さんのHP開くやん?色々並んでるやん?迷うやん??

もうそれ、迷ってる時点であなたには、センスがありますよ。

違いが気になるってことだからね。さあ、どれでどこに何しに行きましょうか。意味もなく近くの公園まで行って、意味もなく自販機で飲み物を買って、意味もなくクルマの外でも中でもいいからゆっくり飲んで、帰ってくる。それだけでも、多分まだあなたが知らない、有意義な無駄の世界が待ってますよ。


電気自動車も、ぜひ試してほしい。素晴らしいよ。未来がきてる。

知っててやらないのはいいけれど、知らずにいるのは人生損ってもんで、ぜひ、クルマが気になっててどうしたらいいかわからない人は、レンタカーから始めてみたらいいと思います。

レンタカー借りたけど、一ミリも動かせなくて悔しい思いをしたのでリベンジしたい!っていう人がいたら、連絡ください。ぼくが/と、何とかしましょう。

最近は福祉レンタカーなんかも充実してますから、介護だけでなくあの利便性をもっともっと活用した面白い使い方ができないかなぁなどと考えています。

など!

自動車開発テストドライバー 古賀章成
kogatounten.com

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古賀章成|自動車開発テストドライバー
古賀章成です。自動車開発テストドライバーという仕事をしています。主に、運転を苦手だと感じている人に、安心してもらえるような・自信をつけて楽しんでもらえるような練習の仕方やクルマの在り方を研究・開発しています。頂戴したサポート費は、テストや開発の経費として活用させていただきます。