鳩血色に揺蕩う空虚
吐いて。吐いて。吐いて。吐いて。
何も残らない自分の空虚を思う、文月は暮れのこと。
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知識も経験も申し分ないけれど、
そんな柔らかなフォローと、明確な不採用のメッセージ。
ガラスの画面に映る無機質な拒絶の意思。
始めて一月になる転職活動は、
えぐるように、刻むように、自分の無力を暴きだしていく。
それでも積み重ねてきたものがあると思っていた。誇れる何かを持っていると信じていた。
その現実が、この無様だ。
必要とされる何処かを求めて彷徨い、自らの行き先も見通せないまま。
無為な一月が過ぎた。
思いを書くにつれ。言葉を伝えるにつれ。
吐いた自分という欠片が何にも届かぬまま潰れ、
それでもまた、吐いて、吐いて。
底がつくほど吐ききって、
残るのは空っぽな、薄汚れた血袋がひとつ。
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ようやく訪れる夏が刺す陽の光。生命湧く季節。
その底で揺蕩う私を揺らす、仄暗く沈む赤の色。
ヒモ志望です。とっても上手に甘えます。