花緑青に染まる憂鬱
不気味なほど、ぞっとするほど。
静かだったひと月を思う、物売りが端くれの憂鬱。
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この5月は本当に凪いだひと月で、
個人としても、勤め人としても殆ど人に会わず、
こうしてnoteに記事を書いていなかったら、日々何をしていたか恐らく思い出せもしなかった。
まったく、空っぽな人生である。
その中でもこうして、書き物をどうにか毎日続けられたのがせめてもの救い。
そんなに反応があったわけではないけど、
まずは自分のそとに、形として残るものができたのは単純に、とてもうれしい。
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一方で本業たる物売りの仕事は大変な影響を受け、
自分の生業としているそれについて、改めて考えたひと月でもあった。
無くなっても社会が傾くわけではない、
そう、まさしく不要不急の存在。
閉めざるを得なかった薄暗い店内に立ちながら、
在ることを必要とされない仕事に、どうしても悲しみを覚えてしまう。
人々の潤いでありながら、
その実、空虚な渇きのような。
一介の勤め人である自分は狡いとすら思う。
この虚しさから、目を逸らして逃げられるのだから。
お世話になっている人の顔、
まだ挑戦できていない仕事、
それらが目の前を散らつきながら、自分の行く先は未だ、どこにも見えないまま。
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日を追うごとに濃くなる皐月の空は、
今日も眩むような、
毒々しいほどに鮮やかな、青の色。
ヒモ志望です。とっても上手に甘えます。