マスクからトイレットペーパーまでの群集心理

紙製品が次から次へと商品棚から消えていった。

最初はマスク、その次はトイレットペーパー、そしてオムツまで、最後は本と雑誌かな?

な訳ねえだろう

ちょっと冷静に考えれば、本も雑誌も新聞紙も普段通り出荷されているのに、そもそもマスクは原料が違うのに、ちょっと調べれば国内生産量と在庫量はどれぐらいあるのかがすぐ分かるのに、何のためのネット何だ?何この世の中?

集合体としての人間という本質

でもこれが人間、これが群衆、これが市民という集合体の本質なんだから。

一個人として冷静に考えてみればすぐ分かるデマでも、群衆という集合体になった途端冷静は失い、行動は極めて衝動的に暗示に操られやすくなるのだ。

たとえその一個人がエリートでも、科学者でも、先生でも同じで、複数人が集まって一つの集合体になると、知能は途端に低下してしまい、判断力も劣化してしまうのだ。

デマはバカでもわかる内容だから拡散される

デマって、単純なロジックを使って、平易な単語を用いて、よく関わっている物事を対象に扱っている(影響が出ると困るもの)ので、シンプルでわかりやすいから、人間の脆い安全欲求と承認欲求を煽った結果、すぐに拡散してしまう。

今回のデマもそんな感じだよな、

単純なロジック:「マスクの原料と一緒」>「だからトイレットペーパー、ティッシュが足りなくなる」

平易な単語を用いる:「一緒、足りない」

よく関わっている物事:日用品「トイレットペーパー」「ティッシュ」

安全欲求:トイレットペーパー、ティッシュがないと困る、生活ができない

承認欲求:私がこんな大事な情報をみんなとシェアしている。みんなも私の話を聞いて買い占めてる。私は正しいから褒めて。

デマはいかに事実を作りだすのか

しかも少数人によって一部の店で大量に買い占めた結果 → 本当に足りなくなるという本当ではない一時的に表象的な事実を作り出してしまい → それを見た人は本当であることと勘違いし → さらに周辺店から買い占めてしまい → 結果的にものが一時的に消えてしまう事になる

こうしてデマの作成者・拡散者の思う壺にはまってしまい、中身が空っぽのデマでも表層が雪だるま式に積み重なってしまいどんどんでかくなり(本当かのような既成事実になってしまう)、デマは一時期収束が難しくなった。

オイルショックから、東日本大震災、台風、そして今回のコロナウィルスまで、デマは同じ構成に文脈を少し変えただけで、毎回市民を翻弄してしまう。

ただし積み重なっていくうち空っぽの中身が外層の重圧に耐えきれず自壊するので、そして何事もなかったのようにデマは蒸発していく。

今回のデマは、コロナウィルス同様、海外発

ちなみに今回のデマは、すでに中国や台湾、シンガポールなどで一通り拡散されてそして消えていき、中身はほぼ同じだったが、まさにそのままコロナウィルス のように日本にも上陸し、そして人々は国問わずそれを信じてしまい、転売屋が喜んだ自体を自ら作り出したのだ。

2回目のちなみにだけど、台湾で逮捕されたデマ作成者は、まさに高級ティッシュを代理販売する業者担当者だったので、デマを作成・拡散する目的は、自分の利益に繋がるのだからとか。

群衆心理とは、進化をしない人間の野生的な本質

最後に、群集心理のバイブルである「群衆心理」(ギュスターヴ・ル・ボン)では、このように群集の感情を描写している。

「群衆は衝動的、動揺しやすく、興奮しやすく、推理力無しで、判断力も批判力も欠いている、野蛮人のように振る舞い、暗示を軽く受け入れ、物事を簡単に信じてしまい、そして感情が極端になりやすい。」

それでも買い占めるあなたに

トイレットペーパーを大量に買い占めた結果、冷静になった途端に、あなたはいくら使っても減らない大量の在庫によって生活品質が低下する事実に直面するだろう。

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