akimichi desgin

東京都で建築設計事務所を主宰しています。 https://akimichi-design.com/

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自己紹介|akimichi designのこと

東京都の世田谷区で住宅設計を中心として設計事務所を主宰しています。30歳まではレコード屋の店員をしていましたが一念発起。夜間の専門学校に通いアトリエ設計事務所で経験を積んで独立し、日本的な感覚を大切にしつつ、北欧建築のような自然との調和を取り入れながら独自の設計に勤しんでいます。 ここでは大好きな音楽や建築。旅行や日常の事などを書いています。 趣味=静かなところに行くこと・建築探訪・旅行・登山・映画・ドライ       ブ・読書・音楽に浸る https://akimichi-

    • デザイン本の名著|デザインの輪郭

      はじめに 建築設計事務所を構えて仕事をしています。仕事なのか趣味なのか、たくさんの建築・インテリア・プロダクトの本を読んできました。ちょっと愛読している本をいくつか紹介させてください。 未読のものがあればぜひ。 一冊目は深作直人著『デザインの輪郭』です。 テーマをくれた本 建築の専門書って難しいんです。哲学書と一緒で言い回しが独特。また専門用語や建築史も理解していないと読めません。 なので、読後も結局わかったような、わからないような感想しか残らないなんてことが多いもので

      • Spairal life | 30周年

        スパイラルライフ30周年 音楽には、なんでもない情景をその時の心情と共に瞬間的に切り取って記憶に定着させてしまう力があるけれど、どんな楽曲でもそんなことが起きるようなことはなく。でも一度その感覚を味わった楽曲はずっと飽きることなく聞いている。普遍性とはこのあたりの感覚なんでしょうか。 スパイラルライフの楽曲「(Don't Tell Me Now!)Please Please Mr.Sky」はそうした曲の一つです。 そうして聴き続けてきたスパイラルライフのデビュー30周年のB

        • いにしえずむ。

          茅葺き屋根が好きです。ぼてっとしたフォルム。特有の丸みがあって柔らかな印象がほっこりさせてくれます。 初めて茅葺き屋根を見たのは小学生の時に家族旅行で訪れた夏の白川郷。突然現れた日本昔話の世界に興奮しました。建物の中へ入れると聞いてまた興奮。急傾斜の屋根の小屋組みに真っ黒な竹が使われていて、組み合わせは紐で結びつけてあってびっくり。こんなんでこの大きな屋根ができているのかと驚嘆しました。日本の原風景にある民家の屋根と言ったら間違いなく茅葺き屋根だと思います。 この出会い以

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          建築探訪|京都で窯に魅了される

          河井寛次郎記念館 京都散策は混み合うバスを避けて、いつも自転車を借りて行きたい場所へ京都中を走り回っています。おかげでだいぶ京都の道も覚えました。自転車だと少しだけ住民目線を味わえて楽しいですし、気になったお店にもすぐに立ち寄れて利便性高くて運動にもなります。この時は東福寺から北上してこの記念館へやってきました。『河井寛次郎記念館』です。 河井寛次郎記念館 京都市東山区五条坂鐘鋳町569 10:00~17:00(入館受付 16:30まで) 月曜日(祝日は開館、翌日休館)

          建築探訪|京都で窯に魅了される

          坂本龍一さんを慶珈琲で想う。

          大坊珈琲店 カフェ巡りを趣味としていた時期がありました。その中でも入店するのに緊張した店として記憶に残っているのが、表参道の交差点近くにあった「大坊珈琲店」です。その特異なブレンド(豆のグラム数と湯量で5種類に分かれていた)を味わいたくて、ある日、えいやっとその扉を開けました。そのストイックな姿勢からてっきり店内は会話などない静けさが拡がっているものと勝手に思っていたら、最初に耳に入ってきたのは、奥のテーブルの年配の方々の結構な笑い声で拍子抜けをしたのを覚えています。 カウ

          坂本龍一さんを慶珈琲で想う。

          不協和音のあたたかさ|Thelonious Monk

          Monk's Music|Thelonious Monk 20代の初めにジャズを聴こうと、最初に手に取ったのはマイルス・デイビスでした。知識のない私でもジャズといえばマイルスみたいな事は知っていましたから。でも私にはあきらかに背伸びしすぎた感があった。最初はいいけれどアルバム一枚聞き終わると疲労感がある・・・自分の日常とマイルス・デイビスの音の世界はあまりに乖離していました。ではと、チャーリー・パーカーを聴いた。こちらは当時の私には元気な音すぎました。やはり疲れてしまう。め

          不協和音のあたたかさ|Thelonious Monk

          「リーチ先生」を読んだらきっと小鹿田焼がほしくなる。

          今も残る喫茶。 今年のお正月も長野の松本市に行って『喫茶 まるも』に立ち寄りました。昭和31年創業の空間はいわゆる昭和レトロで素敵ですし、「柳宗悦先生が開店時にお褒めくださった」と語り継いでいるところがまた大好きです。私も柳宗悦の民藝運動を知ることで日本の伝統的な工藝品への知識を身に着けた一人です。もちろん益子の「濱田庄司記念益子参考館」も大好きです。その蒐集品が自作が負けたと感じた記念に購入するというくだりは濱田庄司という人のお茶目さと向上心を示していて素敵なエピソード。

          「リーチ先生」を読んだらきっと小鹿田焼がほしくなる。

          心地のよい家づくりってなんだろう | 音楽の力はすごい。

          音楽がひきだしてくれるもの 住宅の設計を依頼されると必ずやっている習慣みたいなことがあるという話です。それは音楽の力を借りながら建築を創作するということなのですが、設計に取り掛かる前に、必ず一人で新築であれば計画敷地の真ん中あたりに立って、しばらくイヤホンで音楽を聴きながら佇むんです。改装であればその空間にBOSEのsoundlinkを置いて音楽を流して、できるだけなにも考えないようにしながら、ぼんやりとあたりを見てるんです。結構長い時間やっていると思います。その時によく聴

          心地のよい家づくりってなんだろう | 音楽の力はすごい。

          記念樹プレゼントがおもしろい(武蔵野市)

          記念樹木プレゼント 東京都の武蔵野市というところで新築の計画を進めています。そこで市から面白い案内を頂きました。『新築記念樹プレゼントのお知らせ』です。減少傾向にある民間の緑を育むべく環境部緑のまち推進課から、新築記念のプレゼントに記念樹をくれるんだそうです。取りに行かないといけないのですが、シンボルツリーに人気なシマトネリコや紅葉・ヒメラシャの苗木(1.5m程度)をどれか一本もらえる。市が率先しているとは素敵な試みですし、頂けるのはうれしい。 よく自宅から井の頭公園へ散

          記念樹プレゼントがおもしろい(武蔵野市)

          心地のよい家づくり|生まれ育った場所の記憶

          無意識の記憶 住宅の設計という仕事柄、育った住環境と大人になって好む住環境って関係あるのだろうか?と思うことがあります。というのも戸建ての設計を依頼されるクライアントにお聞きすると、ほとんど戸建てで育っているんです。そして口をそろえてマンション暮らしより戸建てが好きとおっしゃる。マンションなど集合住宅で育った方は、マンションの方が楽な面が多く住みやすいと感じるが戸建てなら戸建てでもよいという許容範囲広めな方がほとんどという感じです。 一方こういう方もいました。東京での暮らし

          心地のよい家づくり|生まれ育った場所の記憶

          音楽と建築2  後編

          ゆらぎ 古いマンションはおおむね天井が低い。それもあって吉祥寺にあるこの喫茶店の天井は低い。さらに押し入れを改装した個所はさらに低く、こもっている感覚があって意外と落ち着いたりする。天井の高さは高い方がいいなどという某ハウスメーカーの宣伝のような単純なものではない。人の心理はそんな単純にできていないでしょう。開放的な空間が365日住い手の心理に沿った空間かというとすぐに疑問がわく、前に幼少期の男の子がなぜあんなに「秘密基地」が好きなのか考えたことがある。『21世紀少年』に出

          音楽と建築2  後編

          音楽と建築2 前編

          たまに行く喫茶店 たまに行く喫茶店が吉祥寺にあります。井の頭公園に面して建つ、窓ガラスはシングルガラスという築年数の経ったマンションの1階にあり、席数は10席ほどでしょうか。入り口には、ここがおしゃべりをしに来る喫茶店でなく、一人静かに佇みたい人に向けた場所であることが書かれています。ある意味注文の多い喫茶店かもしれません。メニューの表にも『店内での会話はお控えください。イヤフォンで音楽を聴かないでください。』など、この店のルールが書いてあります。 おそらくは店主自らが作

          音楽と建築2 前編

          音楽と建築 

          今は建築設計を仕事にしていますが20代はレコード屋の店員でした。 音楽好きが高じて大学卒業後は就職活動もろくにせず、選んだ仕事は大好きな音楽を聴いていられるレコード屋さんの店員でした。なので私にとって音楽と建築は好きが高じて選んだ2つの職業のようなところがあります。どちらもアプローチみたいなものは一緒です。結局、感覚的に好きとか心地いいとか思っているんです。もちろん掘り下げることはしますし、できるだけ言葉にして伝えるようにもしますが、あんまり説明しすぎても理屈っぽくて薄れる

          音楽と建築