机を捨てた
しばらく前に机を捨てた。
L字型で、黒い強化ガラスの天板の少し大きな机だった。買った当初はずいぶんと組み立てるのに苦労したし、今回捨てるにあたって解体にもやはり苦労した。引っ越しのたびに三分割に簡単にばらしていたのだが、粗大ごみに捨てるとなるとそれではやはりそれでは一塊が大きすぎるだろうということで、ほとんど全バラシに近い状態まで解体するはめになった。
当初30分もあれば終わるだろうと思っていたが、結局2時間近くも作業にかかり終わる頃には汗だくだった。
ところで、この机を買ったのは2016年の冬だったらしい。足掛け6年以上も世話になった。記録を辿ると当時の写真が残っていた。
当時仕事で表彰されることがあって、その賞金の一部で机と椅子一式を揃えていたらしい。完成時はmacbookとフィギュアひとつしか置いていないので(床の散乱具合に目を瞑れば)なかなか小綺麗で実際自分も満足していた。ただまあもちろんこの綺麗さは長続きせず、デスクトップPCをセットししばらく生活すれば机の上に物が溢れた。
とはいえ、2~3万程度の、まあ安物と言える範疇のグレードの机だったので、6年も使い込めばかなりのガタがくる。いつのまにかネジの数本はどこかに消え、キーボード置き場は一部ビニールテープをぐるぐる巻き付けて固定されることになり、ボロさを他人に指摘されるまでになった。そんなわけで引っ越しをきっかけに(自分はなぜかやたらと引っ越しの機会に恵まれている。転勤族でもないのに)この机とは別れを告げた。
人生の少なくない期間使い込んだ道具の撤去に、少しばかりの喪失感を感じないわけではなかった。5分もすれば忘れるような感傷だったけれど、たしかにそれはあった。
Amazonをみてみると、この机は今でも同じものが買えるらしい。安いL字型を探している人には悪くない選択肢だと思うけれど、もし購入しようと思うなら黒い強化ガラスは汚れが目立つことだけは頭に入れておいて欲しい。
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