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朝日新聞社の2020年度中間決算を読む
ソース
EDINET「半期報告書-第168期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)」
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/E01EW/download?1607699587623&uji.bean=ee.bean.parent.EECommonSearchBean&uji.verb=W0EZA104CXP001003Action&SESSIONKEY=1607699587410&s=S100KC26
朝日新聞社HP「2021年3月期 中間決算短信」
https://public.potaufeu.asahi.com/company/img/kessan/short_interim_result_201130.pdf.pdf
↑EDINETで公開されている半期報告書のほうには、セグメント情報などが載っていて詳しいです。この記事では、EDINETの半期報告書を見ていきます。
朝日新聞の報道 魚拓:https://archive.is/wqpoJ
本文
気になる点を列挙しますと、以下の通り。
【連結ベース】
★損益計算書
・営業損失は92億9100万円
※営業損失とは、売上高から売上原価を引いた売上総利益から、販売管理費および一般管理費を引いたもの。
・税金等調整前中間純損失は93億6800万円。ここから法人税や事業税などの税金の調整を経て、純損益が確定する。
・中間純損失は426億3300万円、うち親会社株主に帰属する中間純損失は419億0800万円。ざっと400億円赤字だと思えばOKです。
★貸借対照表
・繰延税金資産が前期末320億9000万円→14億1100万円に。ざっくりいうと法人税などの前払い。これをほとんど費用化した(取り崩した)。
・利益剰余金が前期末3409億6100万円→2988億9100万円に。純損失約400億円といえども、まだ余力はある。
★セグメント情報
BSやPL、CF(読み方に詳しくないのでCFは割愛)よりも、こっちが気になる。
・メディア・コンテンツ事業のセグメント利益(△は損失)は、△30億3000万円。
・不動産事業のセグメント利益は、36億5000万円。
・2事業の売上高を比較すると、メディア・コンテンツ事業1580億0200万円、不動産事業217億4900万円。前者の規模が大きいが、こちらで儲けが出ていない状況。
【単体ベース】
★損益計算書
・前中間会計期間で営業損失が3億3900万円出ているのに、販売管理費および一般管理費が378億9700万円から388億2800万円に微増している。危機感ないのかな?結果的に、今回は87億5600万円の営業損失。
・営業外損益はプラス12億2600万円。利息収入が主たる要因。経常損失は△87億5600万円+12億2600万円なので、75億3000万円。
・特別損失のうち、「新型コロナウイルス感染症による損失」という名目で6億6000万円計上されているが、どういう意味なのかピンとこない。
・「法人税、住民税及び事業税」の金額が328億1200万円となり、ほぼ繰延税金資産を費用化したためで、これが純損失の多くを占める。
・中間純損失は408億4500万円。
★貸借対照表
・繰延税金資産が309億9100万円→ゼロに。繰延税金負債はゼロ→22億9600万円に。
・繰越利益剰余金が△401億2000万円となっているのに対して、特別積立金が1913億2600万円計上されている。何のために積み立てているのかな?(有報をちゃんと読めばどこかに載っているかもしれない)
感想
新聞を含むメディア・コンテンツ事業で儲けが出てない状況は、マジやべーと思いました。斜陽産業と言われるのも納得・・・。
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