深田萌絵氏「増税するならカネを貸せ!」への疑問
上記の動画について、個人的に感じた疑問点を書きます。
適宜、発言を書き起こしながら、コメントを加えていきます。
発言者の表記を、深田萌絵氏は「深田」、金沢佑奈氏は「金沢」とします。
<1分15秒頃>
深田「じゃあ、私達はどうやって経済成長したらいいのかっていうところで、最近、日銀のバランスシートがパンパンでしょ」
「日銀のバランスシートがパンパン」とは、どういうことなんでしょうか。放置すると破裂するんでしょうか。
<4分02秒頃>
深田「最近流行りの、MMTの理論とかあるじゃないですか。いくらお金を刷っても大丈夫、みたいな。」
金沢「通貨発行権は政府にあるということで。」
深田「そう。だから、日銀のバランスシートを見ると、当座預金の量を増やして、その当座預金のお金で、市中銀行から国債を買ってくる。なので、バランスシートがどんどん膨らんでいるよ、っていうのが今の状態で、400兆円くらい緩和しているような状態なんですよね。MMT理論って、日銀当座預金を増やすっていう部分、ここの資金調達ね。普通の起業家だったら、バランスシートの債務のほうを増やすっていうのは、調達能力が必要なんですよ。資本金っていうのは、日銀の場合は一定なので...ほとんど一定なので、当座預金を増やすということは、どこかからお金を借りてるということなんですよね。これは、自分の家でお金を発行して、自分の家で国債を買っているみたいな状態だから大丈夫なんだ、というのがMMT理論なんですけど、ほんとにそれでいいのかな。」
まず、「MMT理論」という表現はいかがなものかと。日本語訳すると、「現代貨幣理論理論」になるので。
次に、調達能力のくだり。日銀は営利企業ではないし、日銀BS上の”負債”として計上されている当座預金については、債務性が無いと考えられています。通貨発行権を持つ日銀に「調達能力が必要」というのは、意味が分かりませんでした。
次に、MMTへの理解が怪しいと思います。MMTではインフレ率を制約条件にしているので、「いくらお金を刷っても大丈夫」「自分の家でお金を発行して、自分の家で国債を買っているみたいな状態だから大丈夫なんだ」という説明は、間違っているのではないでしょうか。
余談ですが、日銀の資本金は、日銀法に規定されている通り、1億円で固定です。日銀法が改正されない限り変動しないはずですが、「ほとんど一定」ということは、少しは変動してるんですかね?あるいは、「資本の部」と「資本金」を混同したのかもしれません。
(資本金)
第八条 日本銀行の資本金は、政府及び政府以外の者からの出資による一億円とする。
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=409AC0000000089
<6分17秒頃>
系列名の「Series1」「Series2」は、それぞれ何を表しているんでしょうか?どっちが右軸でどっちが左軸でしょうか?なかなか、ファンキーなグラフだと思いました。
<10分03秒頃>
深田「今回の私の結論というか、推論なんですけども、貨幣流通速度が低下したっていうのは、日本の円でキャリートレードがバンバン行われているっていうのと、ほとんどお金が金融市場に流れちゃってる。」
金沢「そうですね。」
深田「そのために、日銀のバランスシートがパンパンに膨らむっていう、そのリスク。そんなに日銀当座預金でお金借りちゃっていいのっていう、そこの疑問とですね、リスク取っていいのかとかね。」
「日銀のバランスシートがパンパンに膨らむ」リスクって、どういうリスクを指しているのでしょうか。これは、インフレ率が高まりすぎるリスクが考えられます。しかし、動画では「インフレ率」について、一言も触れていませんでした。
以上
るんるーん♪