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HPVワクチン関連

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HPVワクチン関連の私的まとめ
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HPVワクチン反対派の論に対する私見

まず、HPV(ヒトパピローマウイルス)やHPVワクチンについての情報は、信頼できるソースに当たりましょう。もちろん、医療情報全般にも言えると思います。 日本産科婦人科学会/子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4 ↓リンク切れの為、URL修正 厚生労働省/HPVワクチンに関するQ&A (追記)国立がん研究センター/子宮頸がんとそ

HPVとHPVワクチンを調べ続けてたどり着いた私の結論

【まえがき】ヒトに感染症を起こすウイルスの一つである「ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)」と、HPV感染症を予防するHPVワクチン。 厚生労働省は、このワクチンの定期接種の取り扱いについて、長い間積極的勧奨を中止していて、2021年11月にこれを廃止し2022年度に再開してから3年の期間限定でキャッチアップ接種を行っています。 2024年度(2025年3月末)でキャッチアップ接種対象者と来年度には定期接種から外れる高校1年の代の人た

男子のHPVワクチン定期接種化がいつになるか分からない件

2024/5/22 厚生労働省のワクチン基本方針部会で、HPVワクチンについての議論が行われました。(議事録は7/3にupされました) 資料 議事録 この会議では、1.キャッチアップ接種について 2.男子のワクチン接種について の2点が議論されました。 前回のワクチン小委員会から引き継いだ男子のHPVワクチン接種の論点について、小委員会で委員長だった鈴木委員から4つに分けて整理がありました。 しかし、結論は費用対効果に課題があるとして、小委員会にて議論を継続というこ

【ネタ】吉野家コピペ改変 for HPVワクチン政策

●改変元●本文先日、HPVワクチンの審議会議事録読んだんです。審議会。 そしたらなんか男子の定期接種化をどうこうで先が読めないんです。 で、よく見たらなんか資料上がってて、費用対効果について追加的国内データの収集が必要、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、費用対効果如きでVPDやgender neutral vaccinationの意義を置き去りにしてんじゃねーよ、ボケが。 費用対効果だよ、費用対効果。 なんか持続期間20年・30年と仮

HPVワクチン接種時に確認する事項

そんなんあるかいなと思ったので、できる範囲で確認してみました。 まず、予診票。 特にセンシティブな項目は「現在妊娠している可能性」の有無だけでしょうか。 次に、定期接種実施要領。 ※太字は筆者による 定期接種実施要領(改正後全文) https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/13337908/www.mhlw.go.jp/content/001092480.pdf 太字部分を簡単にまとめると、  ・予診をしっかり行いましょう  ・集

男女のHPVワクチン接種プログラムを行っている国一覧(2024年版)

出典 CSVファイル 【アフリカ】 1.カーボベルデ 2.カメルーン 3.モーリシャス 【南北アメリカ】 4.アンティグア・バーブーダ 5.アルゼンチン 6.バハマ諸島 7.バルバドス 8.ベリーズ 9.ブラジル 10.カナダ 11.チリ 12.ドミニカ 13.ガイアナ 14.ジャマイカ 15.パナマ 16.ペルー 17.セントクリストファー・ネービス 18.セントルシア 19.トリニダード・トバゴ 20.アメリカ合衆国 21.ウルグアイ 【中東】 22.バーレーン

20240217HPVワクチン政策提言

お急ぎであれば「筆者の問題意識と私的な提言」だけ読んでください ●背景・基本情報 HPV感染症は公衆衛生上の課題である。 子宮頸がんを筆頭に、肛門がん、中咽頭がん、尖圭コンジローマなどの疾患とHPV感染が関わっている。 子宮頸がんだけでも日本で年間1万人ほど罹患し、そのうち3000人弱が亡くなっている。 子宮頸部高度異形成・上皮内がん(≒浸潤がんの一歩手前)で治療する人を含めれば、さらに多くの女性がHPV感染によって健康を害していると言える。 その数は、子宮頸がんと上皮内が

HPVワクチンのキャッチアップ接種は来年度で終了

2025年3月で終了するHPVワクチンのキャッチアップ接種に関するチラシが今月更新されていました。 そのチラシには、小さな文字で と記してある通り、HPV感染症の中でも最も負担の重い子宮頸がんだけで毎年2,700~2,900人程度亡くなっていて、これは適切な時期でのワクチン接種と検診・治療の組み合わせによって大部分が予防できます。 残念ながらキャッチアップ接種世代では、本来の定期接種の接種率低迷で子宮頸がんの死者増加が確定していて、いかに増加を抑えるかが問われている状況

HPVワクチン政策に思うこと【2023年11月版】

2013年6月にHPVワクチンの積極的勧奨が差し控えられた時に議論された審議会では、差し控えの期間が長くなってはいけない、実質的な中止になるようなことにはってはいけないという意見が出ていました。 しかし、積極的勧奨の差し控えが約8年半続いて、接種率1%未満、事実上ストップになりました。 積極的勧奨の差し控えとなった厚労省通知(いわゆる平成25年通知)では、 としながらも、2013年6月から2021年11月の間は積極的勧奨差し控えのまま再開しませんでした。 そこで思った

やはりHPVワクチンの安全性をきっちり説明せねばなるまい

前置きまず、日本のHPVワクチン政策とその周辺をさくっと振り返ります。 細かいことはここも参照。 2013年4月 定期接種化 2価4価 女子12~16歳相当 3回接種 2013年6月 積極的勧奨差し控え 定期接種A類疾病の位置付けは維持 ↓ 2021年11月 積極的勧奨差し控えを廃止(再開)   2015年7月 9価ワクチン薬事承認申請 ↓ 2020年7月 9価ワクチン薬事承認 ↓ 2023年4月 9価ワクチン定期接種化&一部2回接種 上記のように、積極的勧奨再開にかか

HPVワクチンの添付文書切り取りデマを添削してみた

2価HPVワクチン「サーバリックス」の添付文書の一部を切り取って、「ワクチンの効果が不確かであると添付文書に書いてあるぞー!」みたいな話がとある界隈で流れていたので、デマの手法を明らかにするべく添削してみました。 ●デマ元の切り取り画像下線はデマ元によるものです。 「確認されていない」「期待できない」「代わりとなるものではない」「確立していない」と、中身をよく読まない人が誤認するようにうまいこと誘導してるなと思いました。 デマ元の出典はあえて示しません。 画像検索をかけた

国家試験「風」HPVワクチン問題を作ってみた

【問題編】[問1]2価ヒトパピローマウイルスワクチン「サーバリックス」に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。 a.HPV6型および11型の感染予防に有効である。 b.子宮体癌の予防に有効である。 c.12歳~13歳での接種が推奨される。 d.アルミニウムアジュバントを使用している。 e.弱毒生ウイルスワクチンである。 f.皮下注射で接種する。 ―――――――――――――― [問2]HPVワクチン未接種の35歳既婚女性から、HPVワクチン接種の是非について相談を受けた。

【読み上げ】HPVワクチン半端ないって

AG03MK2のテスト。マイクが悪そう。HPVワクチン半端ないです。

すいませ~ん、akimaですけど、(ファクトシート作成)ま~だ時間かかりそうですかね~?←約1年半かかりました

●はじめに2023年7月上旬現在、男性のHPVワクチン定期接種化の議論が進行中です。 次のステップに進むためには、厚労省が国立感染症研究所に作成を依頼したファクトシートが必要です。 しかし、今のところ男性のHPVワクチン定期接種化に必要な「国立感染症研究所の名義で作成した」ファクトシートが確認できていません。(もしあったら教えてください) そんなわけで、厚労省での検討状況などを追いかけながら、男性のHPVワクチン定期接種化あくしろよ、という記事になります。 ●2022