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真冬の葉牡丹
雪国の冬の庭は白く覆われ、全体がモノトーンに。
我が家では、冬になると玄関先に葉牡丹が植えられていました。
凍つく道を歩いて帰った時など、その葉牡丹の鮮やかな色彩が、私を温かく出迎えてくれているようで好きでした。
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レースのようなヒラヒラした葉が重なり合って、とても繊細なグラデーションになっているのが、子供の頃の私を強く魅了して、寒い中、ついついそれに見惚れてしまうのです。
飯事あそびのように、器に葉牡丹の好きな色の部分をちぎって、その上にみぞれ雪を詰めて、今でいう「映えるもの」を作って、喜んだりしていました。
そんな美しい冬のブーケは、春になるとニョキニョキ成長し、間延びした形になってしまい、私をがっかりさせました。
やっぱり葉牡丹は、雪中のこんもり丸い姿が最高だから。