共同売店の次へ(落ち穂R3.6.29)

 楽しかった落ち穂の連載も今日で終わり。突然だが、楽しかった共同売店運営も明日で終わることになった。7月からは別の方の運営に切り替わる。
 「共同売店」という深淵なる問いに相対した2年間、この妙に吸引力ある存在に引き寄せられたさまざまな方との交流は刺激的だった。
 思えば私がいちばん夢中になったのが、昔懐かしい集落の小さな売店が無限の可能性に満ちているように思えたことだ。集落の利用者の方々に加え、素敵な農産物や卵やオーガニック食品や県内のスペシャルな食品と、これらを生産しセレクトし消費する人々、生き物好きな地元の高校生や小さいころから知ってる大学生や二十歳のアパレルブランドや若い妊婦やそこまで若くない妊婦や陳列のセンスが光る料理上手やコンセプトある電気屋や頼れるデザイナーなど、かかわりある人々とどこか未知の世界に向かっているわくわく感だった。
 だが現実には、売店は半ば公的な存在であり無限の可能性は幻想だった。
 2年間の取り組みでいくつかの動きが生まれた。そのうち、美味しいものの生産と消費の循環は、近いうちに山原工藝店に引き継ぐ予定だ。
 地域というわりと閉じられた存在に出入口を設けて交流を促す、つまり面白くする方法はないかと近所の何名かで話し合って出たのが、朝市という案だった。売店よりむしろ広がりが出るかもしれない。
 そう、2年間の売店のクライマックスは、一人で背負ってた気になっていたことを仲間でシェアしたら可能性がより無限に感じられるようになったことだ。みんなで取り組むとアイデアがわき、苦手を得意で補い合え、帰属感安心感がある。
 田嘉里共同売店のSNSアカウントは、そのまま朝市のアカウントとなる。関わりたい、運営したいとZ世代にも思ってもらえるような場づくりを心がけたい。今度こそ、かかわるみんなで宇宙船のクルーとなって、偶然に満ちたわくわくする未来に向かっていきたい。
 終わりははじまり。

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