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種まきバトン
畝(うね)が整ったので、いよいよ種まきだ。
今回まくのは、白菜、大根、カブ、ラベンダーの種。
それから、九条ネギと小さな玉ねぎの苗(ホームタマネギ)も用意した。
今回参考にしている「協生農法」では、複数の種をミックスして植えることで、畑に生態系を作り出す。
そのため買ってきた種を、まずはお茶碗で混ぜ合わせる。
病害中防止のため、赤や青に染められた種たち。
様々な形をしていて、まるで惑星のようだ。
種は休眠中だけれど、中には遺伝情報がぎっしりと詰まっている。
環境が整えば芽吹く、命のバトンだ。
驚いたのは、購入した種がすべて海外産ということ。
白菜はイタリア、大根はアメリカ、カブは韓国、ラベンダーはドイツ産。
苗に関しては、九条ネギが京都産、玉ねぎが兵庫産であることに少しほっとさせられる。
日本の野菜の自給率は80%だが、一方、種子の自給率はわずか10%だという。
国内産と謳われている野菜もその多くは、海外の種子から作られていることになる。
湿度の高い日本は、水に弱い種子の生産に向かないと聞く。
私たちが食べるものの選択は、いざという時に他国に依存するということだ。空恐ろしい。
そう考えると、住まいの近くで作物を育てることにも、切実な意味がある。
今回種を買いすぎてしまったようで、一畝にはたっぷりすぎる量がある。
ミレーの名画「種を撒く人」を思い描きながら、豪快にばらばらっと土に落とす。
九条ネギとホームタマネギは、等間隔に小さな穴を掘って植える。
各国・各地域から遠路はるばるやってきた種や苗たちは、この地でこれから共生していけるだろうか。
植え終わったあとは、たっぷりの干し草で畝全体をコーティングする。こうすることで土を豊かにし、雑草を防げるそうだ。
たくさん蒔いた種の一部は、虫や鳥に運ばれていくだろう。
けれでもほんの一部は、この地に根を張ってくれたらと願う。
仕事のため、週明けには東京に戻る。
次に山形に来るのは1ヶ月後。
その時、種の苗のバトンはどうつながっているだろうか。
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