少ない力で動くコツ
コップとか、スマホとか、何でもいいので目の前にあるものを手に取ってみてください。
持てましたか?
そしたらそこから、落とさない最小限のところまで力を抜いていきましょう。
抜けましたか?
手首、肘、肩。
首や背中の力が抜けたのに気付く人もいるかもしれません。
これはどういうことかというと、抜けた分は余計な力だった、ということ。
わたしたちは基本的に、何をするにも必要以上の力を使って動いてしまいがち。
しかも、
「うまくやらなきゃ」
「早くやらなきゃ」
「もっとやらなきゃ」
と頭でいろいろ考えているときほど、力みやすくなります。
筋トレになるからいいんじゃないの?と思う人もいるかもしれないけど、筋肉は鍛えればいいってものではありません。
筋肉の動きは「縮む」と「緩む」の両方が必要。
縮むばかりで緩むことを忘れると、固い筋肉になるので怪我をしやすくなるし、ずっと緊張しっぱなしなのでこころもからだもくつろぎません。
10段変速のギアがあるのに8以上しか使えない、みたいな感じよりは、1~7もちゃんと使えるようになって、やろうとしている動作にちょうど必要な分だけ力を使える方が、エネルギーの無駄遣いにならないしからだにもやさしい。
感覚のセンサーをつかって「縮む」と「緩む」のバランスをととのえて、必要最小限の力で動く練習をしてみましょう。
重さを感じて持つ
ではもう一度同じものを、今度はちがうやり方で持ってみます。
置いてあるモノに触れる(まだ持ち上げようと思わない)
「これはどのくらいの重さなんだろうな?」と想像してみる
実際に重さを感じながら持ち上げてくる
手元まで持ってきたら、抜ける力がまだあるかどうか確認
どうでしたか?
最初とはちがう感じになりましたか?
きっとさっきよりもゆっくりで丁寧な動きになったはず。そして、持ち上げたあと、力を抜こうと思ってもあまり抜ける力がなかったはず。
まだ抜ける力があった人は、もっとゆっくり丁寧に重さを感じてやってみましょう。
ポイント①
1と2のあいだにある「間」がめっちゃ大事!
ほんの一瞬、数秒の間でも、モノに触れた指先を通して「これからモノを持ち上げるんだな」とからだの準備が整います。
この「間」なく慌てて持ち上げてしまうと重さを感じられません。
ポイント②
持ち上げてくる間、重さを感じ続ける。
重さを感じ続けようと思うと、自然とゆっくりな動きになります。
腕を動かして持ち上げるという動作ではなく、対象の重さだけにフォーカスし続ける。
けっこう集中力が必要です。
気を抜くと、ちょっとでも早くなるとすぐ重さは分からなくなってしまうので、重さが分からなくなったら、一瞬止まって再確認、それからまた動き出す。
重いもの、軽いもの、色んなもので試してみてください。とくに軽いもの(紙とか)なんて、ふだんいちいち重さを感じていないから、やってみると新鮮です。