スペイン滞在2024 7スペインのフェリアでおにぎりを売る(後編)
この体験でびっくりしたこと4つ。
一つ目。週末の、観光客が増えると予想された金曜日、アフリカンの物売りたちが出現した。
それも1人や2人ではなく、私たち、フェリアの出店の向かい側にある全てのベンチをふさぐ勢い。
フェリアは、海岸沿いの景色が良い遊歩道にあったのだけど、正直、アフリカンの人たちの出現で雰囲気が変わってしまった。
私たちは市役所にお金を払って出店を出しているのに、彼らはもちろん、無料で出店して、お客さんたちが座れるはずのベンチを塞ぐ。
フェリアの責任者が、彼らにお願いしても聞かないので、市役所の人や警察が来たりしても、一回、いなくなってすぐ戻ってきてしまう。もちろん、彼らは慣れっこで、そして必死なのだ。
彼らのほとんどはセネガル人。私たちの出店にも、携帯の充電を頼みに来た。嫌とはいえず、1人の頼みに応じると、どんどん別の人もやってきて、荷物を預かってだの、コンセントを借りて、ミキサーを使ったりだの。私はもちろん、チュースも、NOというのが下手なのだ。
ヨーロッパの移民問題を垣間見たような格好になった。
びっくりしたこと2つ目
深夜の酔っ払いの多さ。金曜日と土曜日は深夜にDJイベントがあって、若者の酔っ払いであふれた。それくらいならいいけど、ゴミがあふれて、おしっこの川ができていた。
女性も道陰でおしっこをしてしまう。というのも、酔っ払いの数より、仮設トイレの数が圧倒的に少ないので、スペインのお祭りでは、ごく一般的とのこと。
チリ人の酔っ払いより、断然行儀が悪いような。
でも、これだけの無礼講が許されるのは、やはり、治安が良いからなのかも。チリの街で、これだけべろべろに酔っ払ったら、そこらにいる悪い人たちから身ぐるみ剥がされる可能性があるような、、、。
そして、翌日の朝には市役所の清掃車が出動し、水をぶっかけておしっこを流していたのではあるけど、においの全てが消えるわけもなく、綺麗な街がおしっこ臭い街になってしまった。
ちなみに、私たちは街の体育館で寝泊まりを許されたのだけど、お祭り会場から徒歩1分、ズンジャカしてて、眠れないし、酔っ払いが朝方、体育館のドアをガンガン叩いて起こされたり。
びっくりしたこと3つ目
カード払いを頼んでくる人たちの多さ。もちろん、カード払いは受け付けていないので、多くの売るチャンスをなくしてしまった。金曜日に、チュースの友達のスペイン人の若者が応援に来てくれてからは、スペイン版paypay の口座を貸してくれたので、最後の手段として、それで払ってもらったけど。
日本より全然現金を持っていない人が多くてびっくりした。
2ユーロのおにぎりをカード払いって、、、。
びっくりしたこと4つ目
無事にフェリアが終わって、アントニオの家で、余ったシドラーや屋台の片付けをしていた月曜日の朝、フェリアの責任者の友達から電話。
「フェリアで食べた生ハムのサンドイッチを食べた家族8人が、食中毒で病院に行かなければならなかった、という連絡が町会議員からあったけど、心当たりはあるか?」という問い合わせ。
ひー。
しかし、私たちの出店に、8人家族のお客はいなかった。でも、3人家族で生ハムのサンドイッチを3つ頼み、髪の毛が入っていたといちゃもんをつけ、一つキャンセルをしてきた家族がいた。( ちなみに、その髪の毛が入っていてキャンセルされたサンドイッチは私が食べたけど、お腹は壊していない) さらに、シドラー用のコップが汚いと、いちゃもんをつけてきて、明らかに彼らの様子はおかしく、その電話をかけて、フェリアへの嫌がらせをしたかったのだろうという疑いがもたれた。
というのも、前々から、フェリアと、地元商店街や、レストランの間で、軋轢があり、フェリアが出店されることをよく思っていない人たちがいた。夏の間が稼ぎ時なのに、フェリアがあったら、そこにお客さんが流れてしまうからだ。
そして、私たちが出店で食べ物を売ると言った時、売ってもいいけど、パンは売らないように、と責任者に言われた。というのも、商店街のパン屋が3軒あり、彼らから、パンは売らないようにと要請があったからだ。
にもかかわらず、チュースはサンドイッチを売ってしまった。
フェリアのお店内部からも不満が出た。食べ物を売る人がいたせいで、自分たちの手作り品が売れなかったという声や、1週間のフェリアで、ようやく出店料が払えたくらいしか売れなかった人がいたりとか。( それは我々のせいでは全くないと思うけど。)
フェリアの出店料は1mにつき、100ユーロで、私たちのお店は4-5mあったけど、300ユーロにまけてもらっていた。しかし、最終的に200ユーロをさらに払うことで、勘弁してもらうことになった。
フェリアと商店街やレストランとの軋轢は、不況で、売り上げが悪いから起こるものだし、手作り品を売っている人たちの売り上げが良かったら、私たちへの文句はなかったはずで、これらの不満は、経済状況がよくないからこそ、出てきたものなのだと思う。
私たちはもっと、様々なことに細心の注意を払うべきであったことを学んだ。(そして、私は事情がわからなかったので、チュースに任せていたけど、彼は結局、やりたいことをやり続けてしまうので、チリにいる時同様にブレーキをかけないといけないことを学んだ)
スペイン人はチリ人より手強い気がする。
そんなわけで、最終的に4700ユーロの売り上げがあったけど、手元に残ったのは1500ユーロくらいで、2人で、1日16時間から20時間働いたにしては、安い賃金となった。
そして、観光客がものすごく来る、という前評判を鵜呑みにして、大量に物品を買ってしまったので、5キロのベーコンと、5キロのチョリソーを始め、食べ物や紙のお皿やコップなどが大量に残ったのだった。
やれやれ。