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家を焼く

最近なにかと絡んでいる友達のVさん(アメリカ人・60代)はバルディビアにバックパッカー宿を営んでいるけど、コロナのロックダウンで開店休業状態。彼女も退屈だし、私たちも退屈なので遊びに行った。

彼女の情熱は「何かをリサイクルして素晴らしいものを作る」ことなのだけど、このオーブンは秀作の一つ。

銅製の湯沸かし器?をリサイクルして作ったロケットストーブのオーブンで、ピザは5分ですごく美味しいのが焼ける。

もっとも、彼女は自分では溶接をしたりできないので、友人を雇ってお願いしたわけだけど、その友人がまたとても器用であるとともに良いアイデアの持ち主なので相乗効果でいつも素敵なものが出来上がる。

彼女の田舎の家にあるサウナもその一つ。これは前にも書いたことがあるけど、エコなサウナで素晴らしい。今温泉がコロナの影響で閉まっているので、温泉の代わりに私とチュースは隙があれば遊びに行っている。

さて、今回はVさんの依頼でチュースが彼女の家を焼くことになった、なんていうとぎょっとするけど、家にペンキを塗る代わりに、焼いて炭化させて長持ちさせようという計画だ。このテクニックは「杉焼」と言ってオリジナルは日本のもの。日本では杉の木の板をまず焼いてしまって、それから壁材として利用するのだけど、今回は壁材をはがすわけにはいかないのでそのままバーナーで焼いて炭化させちゃうのと、壁材は杉ではないという二点が伝統的なやり方と違う。

焼きすぎて火事になったらどーすんの?うまく炭化しなくて木材がダメになったらどーすんの?という心配は作業当事者のチュースが一番感じていたことらしい。彼はああ見えてとても慎重な面もあるので、作業は遅いけど確実に行われた。

その間、私はお昼ご飯を作ったり、Vに命じられるがままにペンキを塗ったりしてた。あまり好きな作業ではなかったけどサウナ+お風呂が待っていると思えば頑張れる。

Vさんの家は築25年。大部分の木材はリサイクル屋で買って来たものらしいが、当時は激安で古いけど質の高い木材が売っていたようだ。(今では手に入らないか、新しい木材より高い)そんな家には歴史と工夫があって遊びに行く度に知らないエピソードを聞かされるのが楽しみだ。

私は片面が終わったところまでしか見れなかったけどチュースは残留して杉焼+ペンキ塗りをしている。仕上がりを見つつ、またサウナに行く日が待ち遠しい。

なかなか素敵な黒い家に仕上がった片面。

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