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パンと癒し

パンに癒される。というフレーズはよく聞きます。

パンというと何故か「幸せ」なイメージがありますね。 なんだろう、ふっくらしているから? 食べて美味しくて幸せ感があるからかなぁ。先日、600名を超える方にご協力いただいて行ったアンケートでも、「パン」に幸せなイメージを持つ人は71%程度、さらに「手作りパン」に「幸せなイメージがある」と答えた人が、86%もいました。美味しいパンがある朝ごはんというような風景を想起させるとか、日曜日の家族そろった朝ごはんを思い出すとか、昔お母さんがパンを作ってくれてお母さんの嬉しそうな様子を思い出して幸せな気持ちになるとか、自分で作った時の柔らかい生地の感触が忘れられないとか、焼き上がった時の薫りが幸せの香りだとか、家族の食卓やパン作りをしている人の幸せそうな様子やパン作りのシーンの記憶と紐づいているようです。

パンのある食卓や食べるシーンを思い出すだけでも幸せな気持ちになるのに、「手作りパン」がより幸せなイメージを感じる人が多いのは、何故なのでしょうか。

人は柔らかいものを触ると「優しい気持ちになる」という実験があります。ハーロウという研究者は、柔らかい毛布で包んだの人形(餌が出ない)と硬い金属でできた人形(餌が出る)とでどちらがアカゲザルが好むかという有名な実験をしました。餌が出ないにもかかわらず、アカゲザルが好んだのは、「柔らかい感触の人形」でした。また、他の実験では柔らかいテディベアを触った人は、遠くからテディベアを見ただけの人より、より向社会的な行動を取る。という研究もあります。それは、愛情や親密性の根底には身体接触があり、身体接触やその代替え物(柔らかい毛布やテディベア)は子宮の中にいたときのような保護された安心できる感覚を与えるので、人はより安心しストレスが和らぎ癒されるのだそうです。
赤ちゃんのほっぺや、時には女性の胸と同じような感触と言われるパン生地が、人を癒すことができるのは、このようなことが根底にあるのかもしれませんね。

パン作りが、人を癒したりストレスを緩和するということについて、これからも少しずつお伝えしていければと思います。



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