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南東欧旅行記_Day 6 ブルガリア カザンラクのバラ祭り

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ヨーグルト以外の知識がなかったブルガリア。ツーリズムEXPOでバラの生産地であると知って、5月~6月のバラの季節にブルガリアに行ってみたいなと思ったことが今回の南東欧旅行を決めた理由の一つです。
===ツーリズムEXPOについて書いたnoteはこちら


現地ツアー申込

バルカン山麓の麓にあるカザンラクという街がローズオイルの一大生産地で、バラ祭りがあるということだったので、Get Your Guideでソフィアからカザンラクへの1日ツアーを申し込みました。
(6月3日と4日しか催行されないツアーのため、現在ツアー詳細ページは存在していません)

===海外旅行の現地ツアーについて書いたnoteはこちら

ツアー出発

今回の南東欧旅行では連日暑くて毎日半袖で過ごしていたのですが、朝早いことと曇り空だったので、この旅行で初めてロンT+シェルジャケットを着ました。
朝6時出発で5:50までには集合場所に来るようにとメールに書いてあったので、散歩がてら早めにホテルを出発しました。

前日に「明日はカザンラクのバラ祭りに行くんだ。朝早いのよ」なんて感じでホテルの人と世間話をしていたのですが、なんと、ホテルの人がペットボトルのお水とパンとクッキーを用意しておいてくれました。優しさに感動。

ホテルの方が用意しておいてくださったConehku 
一緒に食べた人たちに好評でした

6月3日の朝5:30はまだ暗くてホテル周辺の政府機関がライトアップされていてカッコよかったです。

国立銀行
大統領府

朝焼けのアレクサンドルネフスキー聖堂も素敵でした。

催行会社V Travel Ltdの19人乗りのバンがアレクサンドルネフスキー聖堂横で待っていてくれました。
寡黙なドライバーはニキさん、英語がとっても流暢で早口なガイドはイヴァンさん

参加者は
ヨーロッパから来たという女性2人組+1人旅の方
中国系の一人旅の女性3人と香港の男性1人
日本人ご夫婦
ヨーロッパ在住の日本人女性3人組と一人旅3人(Yさん、Aさん、Mさん)と私の合計18人でした。半分の9人が日本人。
100万人が訪れるとどこかのサイトに書いてあったのでバラ祭りはメジャーなイベントだと思い込んでいたのですが、どうやら日本人が一番知っているみたいです。ホテルの人とおしゃべりした時も若いスタッフの方はバラ祭りをご存知なかったです。

本当はもうお一人中国系の方が参加予定だったそうですが6時になっても集合場所にいらっしゃらなかったので、しばし待ってからバスはカザンラクへ向かいました。
高速道路だと工事渋滞が予想されるという説明があって下道でブルガリアのちょうど真ん中にあるカザンラクまで途中1回休憩を挟んで向かいました。
なかなかのワイルドな山道で、バスはかなり揺れましたが、朝早い集合だったので車内で寝ている方もちらほら。

途中の休憩スポットのガソリンスタンド
トイレはきれいだし、曳きたての豆から淹れるコーヒーも美味しかったです

道中はイヴァンさんがいろいろと説明してくださいます。
・オスマントルコ支配時代に中東からバラが流入し栽培が始まった。
・カザンラクはバルカン山脈の麓にあることで水が豊富で、土壌も適していることからバラとラベンダーの生産が盛ん。最近はワインのためのブドウも栽培している。
・農業以外では軍需産業も盛ん。カザンラクでは武器製造工場で働いている人も多いそうです。(ロシアのウクライナ侵攻でブルガリアの経済は潤っているという記事を読んだことがあります。ブルガリアはNATO加盟国です)

・バラの品種は多いが、ダマスクローズが一番香りがよい。
・収穫したバラからは香水に使うローズオイルや化粧品に使うローズウォーターなどを抽出していて、5月下旬~6月中旬の約1か月間だけが収穫期間。
・収穫はブルガリアの各都市から出稼ぎに来ているロマの人が行っていることが多い。
・朝日が当たる前の早朝に摘んだバラが香りがよい

「ブルガリア バラ」で検索すると民族衣装を着た人たちがバラ摘みしている画像が出てくるので、てっきりそういう光景が広がっていると勝手に思い込んでいました。
ツアー道中、広大なバラ畑の横をいくつも通るのですが、説明にあった通りロマの方がバラ摘みしていました。かなり幼い子どももバラ摘みしていましたし、赤ちゃんをおぶった女性もいるロマの一家がバラ摘みの合間に道端で朝ごはんを食べている場面にも遭遇しました。
年に1か月だけの季節労働なので出稼ぎの方がいることは納得ですが、子どもが収穫しているのは心が痛くなりました。面倒を見る大人が収穫しているから子どもも畑にいるだけで、労働を強要されている訳ではないのかもしれませんが。

それから道中で奇怪遺産の佐藤健寿さんも撮影している共産党本部の廃墟が見えました。
イヴァンさんが教えてくれなかったら絶対に気づかなかったです。遠くの山の上に小さく見えただけですが、テンションあがりました。


ローズオイル工場見学とバラ摘み

ツアーはEnio Bonchevという大規模なバラ農園で工場見学とバラ摘み体験がありました。

Enio Bonchevは1909年創業の代々続くバラ農園で、シャネルやディオールなど多くのハイブランドへローズオイルを卸している農園です。
道中見かけたバラ摘みの方々は私服を着ていましたが、こちらの農園のスタッフは収穫作業用制服を着ていましたし、工場内も整然としていて、とても成功している農園っぽかったです。

最初に工場見学がありました。
朝日を浴びる前に収穫されたバラの花は大きな蒸留釜に入れられます。蒸気を冷ましてローズウォーターを収集し、さらにそこからローズオイルを取っていて、4トンの花から1キロのローズオイルしか採れないそうです。

これから釜に入れられる収穫したばかりのバラ
一つのビニール袋に9キロのバラが入っているそうです
バラの蒸留水を集めるタンク

こちらの農園は完全無農薬。蒸留後のバラはたい肥として活用しているそうです。

工場見学の次はバラ摘み。紙袋を受け取って自由にバラ摘みすることができます。

摘み放題なのに、なぜか遠慮してしまいました

ツアー参加前はバラのトゲが痛そうと思っていましたが、ダマスクローズのトゲはか細いので全く気にならなかったです。素手で摘みました。
Get Your Guideの説明を見て民族衣装を着た現地の方と一緒にバラ摘みをすると思い込んでいたのですが、全然違いました。民族衣装を着ているひとなんて一人もいなかったし、ツアー参加者だけで自由にバラ摘みしたり写真撮ったりするだけでした。
時間の制限などはなく摘みたいだけ摘んでOKで、ツアー参加者がなんとなく全員満足した感じになったら、「じゃ、次はショッピングに行こうか」とイヴァンさんが声をかける感じでした。

Enio Bonchevの敷地内でローズウォーターとローズオイルを販売していました。ツアー参加者全員が何かしら買っていたと思うのですが、私はローズオイルを買いました。0.5mlで20レフ(=1,500円)市場価格と比較するとめちゃくちゃ安いです。
今もnoteしているデスクに置いているのですが、濃密なローズオイルはふたをしていてもほのかにバラのいい香りが漂っています。

クレカでの支払いが可能でしたが、現金の方が安く設定されており、クレカ端末の電波状況がよくないタイミングもありました。

Enio Bonchevのロゴがデザインされた木製の容器がかわいいです
小指第二関節よりも短く小さな容器がにローズオイルが入っています

Shipka Memorial Church

Enio Bonchev見学の次はShipka Memorial Churchというブルガリア正教会の教会へ行きました。

山の中腹にあるので遠くからでも金色の玉ねぎドームが目立っていました。露土戦争でなくなったロシアとブルガリアの兵士のために作られた教会で、ロシアが運営に資金提供しているという書き込みもありましたがガセかもしれません。カザンラクに行く途中にあるから立ち寄っただけのような気もします。

Tomb of Seuthes III

ツアーは次にセウテス3世のお墓に行きました。
紀元前4世紀とかなり古いお墓で、第二次世界大戦中に発見されたお墓の大部分は国立博物館に収蔵されていて、見学したのはコピーでした。
当時は王が亡くなったら、妃は生きているか死んでいるかに関係なく一緒にお墓に入れられており、お墓からは二体の人骨が発見されたそうです。

Rose Festival 2023

ツアーは最後にカザンラクのバラ祭り会場へ向かいました。
年に一度のバラ祭りは120年の歴史があり、バラ収穫の最盛期となる6月の最初の金・土・日の3日間がメインイベント開催日となります。私が行ったのは6月3日(土曜日)
バラ祭りの詳細はカザンラクのWebサイトで確認可能です。

Get Your Guideのツアーではなく、自分でカザンラクに行ってバラ祭りを楽しむ場合は80レフの Пакетни билети "Празник на Розата"チケットを現地の観光案内所で購入すれば、早朝の民族儀式+バラ摘み、桟敷でのパレード観覧、トラキア人古墳見学、歴史博物館見学などがセットになっています。

パレードは現地で見ていないのですが、後から動画をチェックしてみたら民族衣装を着た人もいれば、普段着のままの人々もいたり、ミスコンで選出されたバラの女王もいたり。5,000人以上が行進するそうです。

私が参加したツアーでは2時間くらい自由時間があって、YさんとAさんと一緒に露店を見て周りました。基本的には現金支払となるので銀行ATMでWiseのアカウントから現金を引き出しました。手数料ゼロ円。

バラ祭り会場では翌日のステージイベントの準備が行われていて、広場や通りに露店が並んでいました。
ローズオイル、ローズウォーター、バラやラベンダーの石けん、バラジャム、ワイン、民芸品などが売られていました。ゆっくり歩いても2時間で全部見て周れる規模感です。

あちこちでバラの冠が売られていて、男性や散歩中のワンちゃんもバラの飾りをつけていました
民族衣装を着て物販されていたのは写真右側のお店だけでした。たまに左側のお店のように民族刺繍がしてあるトップスを着ているお店の方もいました。

こちら👆の農家さんの露店でバラジャムとシロップを買いました。

別のお店ではバラの石けんも買いました。オーガニックだからか、使用期限が書いてある石けんです。石けんの使用期限とは珍しい。とっても香りが強いので玄関において香りを楽しんでいます。検索してみたらたくさんの国で販売しているRefanの石けんでした。

お昼ご飯にはブルガリアのパイBanitzaを食べ歩きしました。油っこくて巨大なのですが、中に入っているチーズが美味しいからかぺろっと食べてしまいました。

大きなパイを半分に折ってビニール袋にいれてくださいました。
焼きたてで美味しかったです。

ツアーの自由時間中にあいにく大粒の雨が降ってきて、みんなでバスに戻ってソフィアへ帰りました。途中でツアーを離脱してそれぞれの目的地に向かう人もいたり。
ソフィアへの帰り道もなかなかワイルドな舗装されていない道をハイスピードで移動したので、ちょっと気分が悪くなりました。
朝6時に出発して19時にアレクサンドルネフスキー聖堂に戻ってきたので、13時間のツアーでした。

早起きしていたこともあってソフィアに戻ってからは何も食べずにぐっすり寝ちゃいました。

カザンラクのバラ祭りには世界中から観光客が来るという説明を旅行前に見たのですが、そんな雰囲気はなくて、地元の方のお祭りのように思いました。世界中どこに行ってもいる中国人観光客もちらほら見かけただけでした。翌日の日曜日がバラ祭りのハイライトなので、違う日程だったらまた印象も違ったかもしれません。

Get Your Guideのツアーに参加してよかったです。
Enio Bonchevの工場見学はおもしろかったし、バラ摘み体験が一番楽しかったです。カザンラクは小さな都市なので自力で行くのはかなり大変そうだし、1年前からホテル予約が埋まるようなので、ソフィアからツアーで行くのがちょうどよさそうです。

ブルガリアで行ったところ


Tripcoin

6月3日 1レフ(BGN)=75円 1日合計約11,700円

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