【京都観光】東本願寺
2024年1月 京都の東本願寺へ行ってきました。
東本願寺の動画はこちら
東本願寺は1602年に徳川家康から寺地が寄進され、西本願寺から分立する形で建立されました。
東本願寺は江戸時代に四回焼失し、そのたびにお堂が再建されてきました。現在のお堂は1895年 明治時代に再建されたものです。
京都駅から歩いてすぐということもあり、京都に引っ越してから何度も行っています。
御影堂門も御影堂もとにかく大きくて、いつも見惚れてしまいます。
東本願寺前の「お東さん広場」は京都市が管理していて、フリーマーケットなどのイベントが行われています。
京都にある16の寺社仏閣と二条城の合計17か所が一つの「古都京都の文化財」としてユネスコ世界文化遺産に1994年に登録されています。
東本願寺がこの17に含まれていないのは、国宝建造物や特別名勝庭園がないためと言われています。
東本願寺の御影堂は世界最大級の木造建築物にも関わらず、2019年にようやく重要文化財に登録されました。
東本願寺は再建から120年を経て、ようやく重要文化財登録。
重要文化財や国宝に登録されるためには明確な年数の基準があるわけではないのですが、東本願寺が国宝に登録されるまではあと100年待たないといけない、という話を聞いたことがあります。
江戸時代に火災で焼失していなかったら、東本願寺の御影堂・阿弥陀堂もきっと国宝登録されていて、きっと世界遺産の構成要素になっていたと思います。
京都には木像建築物がたくさんあるので、街中いたるところにお水をはったバケツがおいてあります。
火事の時にバケツの水で火を消すというよりは、日ごろから火の用心の意識を高めるためにあちこちにバケツが置いてあるように思います。
そんな京都にあって、東本願寺は特に防火意識が高いのではないかと思います。
2023年9月1日の防災の日に東本願寺で行われた防火訓練を見学したのですが、東本願寺の方が嬉しそうに「念願かなって2019年に重要文化財に登録されました!」と話していたのが印象的でした。
防火訓練では僧侶や職員の皆さんが自衛団として消火訓練をされていて、近所の子供たちも見学にきていて、とても穏やかな微笑ましい雰囲気の訓練でした。
でも、地中に埋めてある自動放水銃を御影堂に向けた消火訓練は、世界最大級の木造建築の御影堂に豪快に水をかけるので、かなり迫力があり圧巻でした。
9月1日の防災の日にまた同様の訓練があると思うので、京都にいらっしゃる方は是非、東本願寺の防火訓練を見てください。
東本願寺の防火・消火の意識の高さが分かるもう一つの事象は「本願寺水道」です。
琵琶湖から京都への水路として琵琶湖疏水があり、蹴上に浄水場や発電所などの重要施設があります。
その蹴上に本願寺水道の水源地があります。
水源地から4.6キロ離れた東本願寺・渉成園まで鋳鉄管が敷いてあります。1897年に完成しているので、明治時代にお寺が専用の水道を敷いていることにびっくりしました。
4.6キロもある水道のほとんどは地中に埋めてありますが、鴨川を越える部分では五条大橋の下に管があるようです。
本願寺水道をめぐる街歩きツアーがあるほどなので、やはり専用水道は珍しいのだと思います。
本願寺水道が消火目的で活躍することはなく、経年劣化により現在は稼働していないそうです。
2023年11月に行った鐘楼修復工事現場見学では鐘楼にも本願寺水道の放水口にあたる部分を間近で見ることができました。
万が一、鐘楼に火が付いたときはそこから水を出して消火するためだったとのこと。
鐘楼修理工事現場見学は、行ってみたらびっくり。高くて怖かったです。
ヘルメットをかぶって僧侶の方の説明を聞きながら見学させていただくというなかなかレアな経験でした。
京都市内中心部にある浄土真宗のお寺は東本願寺、西本願寺、興正寺、佛光寺。どのお寺も御影堂と阿弥陀堂が並んでいて、境内の雰囲気が似ています。
四寺ともお堂は東を向いています。
北に御影堂、南に阿弥陀堂があるのは東本願寺と佛光寺
北に阿弥陀堂、南に御影堂があるのは西本願寺と興正寺
御影堂の読み方は「ごえいどう」と「みえいどう」の2パターンがあります。
東本願寺の浄土真宗ではごえいどうと読みます。
京都駅の南側にある真言宗の東寺では「みえいどう」です。
京都で暮らしていると難読漢字に出会う確率が高いのですが、読み方まで複数あると、、、
東本願寺にはギャラリーがあり、私のような知識がない人でも分かりやすいように、親鸞の生涯や浄土真宗についてのパネル展示があります。
ギャラリーの奥には非公開エリアがあり、大寝殿と大玄関をちらりと見ることができます。
紅白歌合戦の中継が行われた能舞台、白書院・黒書院などは普段見ることができないので、特別公開の時に見てみたいです。
ギャラリーの地下には視聴覚ホールがあります。
京都モダン建築際にも参加していた「外観が無い不思議な建物」です。
高松伸設計の大きなホールで、東本願寺の地下にこのような空間があるのはなかなかびっくりします。
気づかない・知らない人も多いと思いますが、誰でも見学できるので東本願寺に行った時には是非視聴覚ホールにも行ってみてください。
「気づかない」というと、お寺の北側にある見どころも是非見てほしいです。
菊の門は大寝殿と同じ亀岡末吉の設計。
2023年9月に重要文化財に登録されました。
110年以上前に建てられたと思うと、きっと当時はもっと色鮮やかで目新しいデザインと受け止められていたのではないかと想像します。
菊の門の奥に大寝殿があります。
鬼門にあたる北東の塀が切り取られています。
京都御所でも同じように北東の角が欠き取られています。
京都ではお寺だけでなく、いろんな所で鬼門除けを目にします。
一般家庭やお店でも敷地の北東に白石を敷き詰めていることがあります。
京都を街歩きするときに探してみてください。
東本願寺の北側の花屋町通には十三窓土蔵があります。
数えてみると東側の棟は13窓ですが、西側の棟は14窓です。
ガラスの向こう側には何やら書類が積み上げられているのがちらっとみえます。
1882年に建てられているので、阿弥陀堂・御影堂よりも前に建てられています。
土蔵の前のお堀の水は本当にきれいで、鯉がゆったり泳いでいます。
東本願寺の南側にもお堀があり、夏は蓮がきれいに咲いています。
東本願寺には飛地境内庭園の渉成園(しょうせいえん)があります。
三代将軍・徳川家光から広大な土地が東本願寺に寄進され、石川丈山が作庭しています。
渉成園は入園料が500円以上の寄付となっていますが、とても立派なリーフレットをいただけます。
渉成園は枳殻邸(きこくてい)とも呼ばれるのですが、これは周囲に枳殻(からたち)が植えられていたことに由来するそうです。
2023年12月に「京の冬の旅」の京都市民向け内覧会で渉成園の園林堂を見学させてもらいました。
棟方志功筆の襖絵がパワフルで圧倒されました。
複製ではなく肉筆の絵はやっぱり違います。
渉成園の建物はどれも読み方が難しいです。
東本願寺にも渉成園にも「お買物広場」があり、お土産が買えます。
親しみを込めて「お東さん」とも呼ばれる東本願寺。
「干菓子(ひがし)」とかけて「おひがし」というお干菓子が売られていました。
「ダジャレじゃん!」って販売スタッフの方に話しかけたら「そうなんですよ!気づいてくださってありがとうございます」と返ってきました。
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