言うべき時に言わないと
オランダのホテルに宿泊して、チェックアウトする時のこと。
チェックアウトする前夜、ホテルの廊下で夜中に大騒ぎする集団がいたんです。
廊下から聞こえてくる大声がなんだか怖くて、自分の部屋のドアから廊下が確認できるドアスコープから見ただけなのですが、同フロアの複数の部屋に宿泊していた大集団が廊下でかけっこしていました。
若者の悪ふざけという感じだったので、すぐに終わるかと思ったら、かけっこは延々と続きました。
同じフロアに宿泊していた、たぶんめちゃくちゃ頭にきたのであろうご高齢の男性が廊下に出てきて、「自分の妻は体調が悪いから睡眠が重要だ、夜中だから静かにするように」と激昂した様子で大きな声で説得したのですが、大集団は英語を話さないみたいで、全く気にせずかけっこしていました。
夜中のかけっこの大騒ぎは度が過ぎていて、逆におかしくなってしまい、ちょっと笑えました。私は耳栓をして寝ました。
翌朝ホテルの朝食会場にて、国旗がついたジャージ姿の大集団を見かけました。夜中に大騒ぎしていたのは、おそらく、とある国のナショナルチームだったのだと思います。
夜中のかけっこ騒ぎは笑えたので、別にいいんです。時差ボケで眠れなかったのかもしれないし。
睡眠を邪魔されたご夫婦は気の毒でしたが。
フロントの方との会話が、私にはインパクト大でした。
オランダ旅行のちょっと前のこと。
アメリカ出身で日本に長年住んでいる同僚に言われたお話。
同僚の話を聞いた時は特に深く考えず、「まぁ、そうだね」くらいに軽く受け止めていたのですが、オランダのホテルでフロントの方に「電話してくれればよかったのに」言われた時に同僚との会話を急に思い出して「あぁ、同僚が言っていたのはこれだ」と身につまされました。
翌朝にフロントの方に話しても仕方ない。フロントの方はそれを聞かされても何もできない。
言うべき時に言わないと、と教えてもらった出来事でした。